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【秩序と自由の戦い】カタールW杯 グループG 第1節 スイス×カメルーン|マッチレビュー

グループGはブラジル、スイス、カメルーン、セルビアとこれまた実力あるチームばかり。

どこの国もブラジルからの勝点はあまり想定に入れてないはず!だからこそ残りの2戦で是が非でも勝点3が欲しい!そんな気持ちになりそうですね。

それでは今回お届けするのは、堅守を誇るスイスと不屈のライオンカメルーンの一戦!さぁどんな試合になったのか振り返っていきましょう!

▪️エンゴロの落ちる動き

自陣で4-1-4-1のローブロックで攻撃を停滞させてるカメルーンに対してスイスはどう攻めていったのだろうか。


スイスはボールを保持するとカメルーンが1トップという事で、ベースの4-2-3-1の陣形を特に崩すことなくビルドアップを行っていった(2CBでカメルーンの1トップ.数的優位でボール動かせるね!)。

カメルーンの中盤3人は割とスイスの中盤3人の動きについてくる。これによりCBからのボールをスイスの中盤は受けることは出来なかった。しかしこれを逆手にスイスが前進していく。

相手がついてくることを利用した。スイスの2CBがボールを持つと、スイスの3人は中央レーンからサイドにスっと開いていく。

これによりトップのエンゴロへのパスレーンが開通。その状況が整うとエンゴロは列を降りて縦パスを受ける。エンゴロは相手を背負いながら、サイドの選手にボールを捌いく。

右のサイドに張るシャキリがボールを受けると、右SBのヴィドマーが勢いよくオーバーラップ。

カメルーンのSBに対して数的優位作りサイド深くを抉ってクロスを上げる状況を作り、ゴール迫ることに成功したスイス。

一つのゴールへの形を見つけたスイス。

▪️GKオナナで落ち着くよ

スイスの組織的な崩しでやや後退りな展開となったカメルーンだが、終始彼らが慌てることはなかった。

最後の方は悪い意味でカメルーンは慌てなかったですけどね!笑
その話は後程!

カメルーンはボールを保持すると実にゆったりボールを動かす。それに対してスイスも前からプレスに出るも、カメルーンのGKが何度もそのプレスをリセットしてしまった。

カメルーンはDFラインがプレスを感じるすかさずGKのオナナへバックパス。

スイスはGKオナナまではプレスには出ない設計。オナナはしっかり繋げる選手。オナナまでプレス出ると空いたスペースを使われて一気に前進される恐れもあるから、スイスはリスクを優先したのだろう。

しかし、プレスに出る!GKオナナへバックパス!もう一度下がってポジション取り直し!の繰り返しはスイスのリズムを狂わせたかもしれない。

GKオナナを加えたことでスイスのプレスに対して時間とズレを作り出したカメルーン。それではそこから先、どうやって前進していったのか?

構造的に組織的に前進したスイスとはまるっきり違う、なんだかカメルーンらしい形で前進していった。

▪️個人の力を中心に

相手をこう動かして、立ち位置をこうとって、こいやってボールを前進させよう!というような概念はカメルーンにはなかったように感じた(あったのかもしれないですが!笑)。

言ってみれば個人の即興性というか、個人の打開力に頼るような前進が目立った。前線の深さと幅は設計されていたように感じるが、だいたいチャンスになるのは個人でスイスを剥がした時だった。

シュポ・モティングのポストワーク。アンギサのボール循環やドリブル。

体力のある前半は特にそんなカメルーンらしい身体能力を生かす突破からの決定機を作り出していった。

そんな無秩序なサッカーも嫌いじゃない!前半のカメルーンの攻撃にはワクワクさせられました!笑

すんなり失点して、そのまま終了!

前半スイスに押し込まれるも、決定機はカメルーンの方が多かった。さぁ後半はもっとカメルーンのワクワクする攻撃が見れるのか!と思った矢先に、後半入ってすぐスイスがすんなり先制に成功してしまった。

左サイドでボールを動かすスイス。そのボールにカメルーンの中盤が完全にボールウォッチャー。簡単に左から右へボールを横断され、最後はシャキリのクロスをドフリーでエンボロが決めて先制。

実にすんなり失点したカメルーン。しかし失点したのは後半早々なのでカメルーンがまだ追いつく時間は十分にあった。

しかしスイスはこういう展開のゲーム運びがべらぼうに上手いチーム。無理することなく、疲労が見えた選手を交代しながら守備の強度は落とさず静かにゲームを閉じていったスイス。

それに試合が終了に近づいてもカメルーンの選手たちに全く焦りが見えなかった。悪い意味でね!

唯一点を取りにいく意欲を見せたのがGKのオナナでなんだか笑ってしまった。

試合経過と共にカメルーンの選手たちからは疲労を画面越しからも感じるほどに。途中から入った選手たちの足取りもなぜか重い。スイスにボールを持たれすぎたから?コンディション不良?

前半ゆったりボールを保持したのはただ単に疲れていたから?と思ってしまうほど、カメルーンのフィールドプレイヤーからは疲労感を感じた。

おわり

見事なゲーム運びを見せたスイス。ゴールを奪うまで、そしてゴールを奪ってからの振る舞いも含めて実にスイスらしかったのかなと。

カメルーンは個人のポテンシャルが本当に高いので、もう少しチームとしての秩序が保たれれば結果が変わったのかなと。是非ブラジルとの一戦では大いに世界を驚かせる試合をしてほしいですね!

カタールW杯 グループG 第1節
スイス 1-0 カメルーン

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