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【静のハーランド.動のアルバレス。】プレミアリーグ第5節 マンチェスター・シティ× ノッティンガム・フォレスト|マッチレビュー

前節非常に厳しい前半から大逆転を見せたペップシティ。後半だけでハットトリックを達成したハーランド。ギュンドアンとアルバレスを投入して見せた超攻撃的6トップファイヤーフォーメーション。少しづつ新たなペップシティの形が浮き彫りとなってきた。

今節のシティは前節から先発2人を変更。デ・ブライネとマフレズに代わってギュンドアンと、プレミアリーグ初先発となったアルバレスが名を連ねた。

このチャンスにアルバレスは攻守でインパクトの残るプレーを発揮。同時期にチームに入ってきたハーランドに注目を持っていかれがちだが、この男も本当に素晴らしい選手なので是非覚えてほしい。

対するアウェイに乗り込んできたのは昇格組のノッティンガム・フォレスト。このチームがプレミアリーグで戦う上で投じた金額がひとつの話題に。

今季の新加入選手は15名を超え、まだまだ増える噂も絶えない。そういった効果もあったのか、2節ではウェストハムから勝利を奪い、開幕から着実に勝点を拾っている。

しかし、チームの大半の選手が入れ替わったことで連携面や戦術の浸透.理解度に不安があるはず。

そんなチームの完成度の差も結果に大きな影響を与えたのかもしれない。それでは簡単ではありますが試合を振り返っていきたいと思います。


・5-3-2ブロックの解剖

フォレストは5-3-2ブロックでシティの攻撃を凌ぎながらカウンターを狙った。

しかしそんな願いも一瞬で吹き飛ばされてしまった。中盤、前線のプレッシングは機能せずに、意図も簡単にボールを5バックまで運ばれてしまう。

シティは5-3-2ブロックの弱点を突きながら安定的にボールを前進していった。

まずは後方の配置。開幕からビルドアップ時にSBが中盤インサイドに絞る形を今季のシティは採用してきた。しかしこの試合は少しニュアンスが違った。

たしかにカイル・ウォーカーがインサイドに絞ってビルドアップに関与するシーンもあったが、1番の役割は2CBと共に最終ラインでボールに関わることだった。カンセロは高い位置に上げて、最終ラインを4バックから3バックへ可変。

3バックになる事でフォレストの2トップに対して数的優位を作り出し、より安全に安定的にボールを前線に送れる要因になった。

そしてビルドアップの出口となったのがフォレストの中盤3CHの脇のエリアだった。

特にCHのギュンドアンは明確に中央からサイドに流れてそのエリアでボールを引き出し、フリーで前を向き、ビルドアップとフィニッシャーの繋ぎ目になった。

・静と動の調和

フィニッシュフェーズに入ると新加入の2人が調和しゴールを量産していった。

前節ハットトリックしたハーランドは、なんとなんとこの試合でもハットトリック!2試合連続ハットトリック。開幕5試合で9得点と驚異的な数字.結果を叩き出している。

そしてこの試合ハーランドとコンビを組んだのがこちらも新加入のアルバレス。プレミアリーグ初先発のチャンスに見事に答える内容.結果を出した。

ハーランドは基本相手のDFラインのど真ん中に君臨し、常に背後を狙う。スルーパス、クロスに反応すべく集中力.嗅覚を研ぎ澄ましている。ハーランドはその得点力にどうしても目がいってしまうが、シュートを打つ前のボールを引き出す駆け引き.タイミング.空間作りがべらぼうに上手い。恵まれたフィジカルに加えてインテリジェンスの高さも感じられるプレーをシティやってきてから見せつけてくれている。

中央で静寂したところから一気にスピードを加速させゴールを量産するハーランド。

ハーランドが静ならば、トップ下に入ったアルバレスは動。フォレストを攻守でかき回した。

ハーランドが中央に君臨することで、相手のDFラインは彼に釘付け。そこを逆手にアルバレスは左右に動き回りボールを引き出す。サイドのWGにボールは入ると何度もポケットへ走り込みゴールへのアクションを絶やさない。

ボールが相手に渡れば誰よりも早く、誰よりもしつこくボールに食らいついていく。彼の献身性は攻守でシティを助けていた。そして後半2得点を奪い、ストライカーとしての結果も示した。

アルバレスのゴールはシティファンの心に響いたはずだ。「こんなに頑張って走っているからゴールとって欲しい!」と応援したくなる選手。それがアルバレスの魅力のひとつではないかと思った。

・押し下げてバイタルからズドン

ハーランドのハットトリックで3点のリードでロッカールームへ戻ったシティ。その勢いは後半に入っても止まることはなく、大いにホームのサポーターを楽しませた。

チーム4点目となるカンセロのミドルシュートはフォレストの気力を完全に削ぐゴールとなった。ゴール前に人数をかけても失点防げないよ!と言わんばかりのシティの崩しだった。

ベルナルドが右サイドをゆっくりえぐっていく。その時、中にはシティの選手が多く待ち受けていた。その為フォレストのDF、中盤の選手たちはゴールに張り付く形に。そうなれば開くのがバイタルエリア。

そこで待ち受けていたのが右SBカンセロ。右足で持ち替えて右足一閃。ミドルをゴールへ突き刺し完全に相手の気力を削いでいった。

おわり

2試合連続ハーランドハットトリック。アルバレスも2得点。カンセロのミドルで計6ゴールを奪ったシティが勝点3をゲットし、プレミア無敗をキープした。

ハーランドはハイペースすぎるハイペースでゴールを量産。シーズン終わって何ゴール奪うのか楽しみ。今現在怪我だけが彼の敵かもしれない。

そして忘れちゃいけない男がもう1人。フリアン・アルバレス。本当に応援したくなる男。ゴールも奪ってペップの期待に大いに応えた。先発でも、ジョーカーでも力を発揮するアルバレス。こちらもシーズン終わった時には必要不可欠なピースになっている予感ぷんぷんだ。

幸先良いスタートとなった9月。いよいよチャンピオンズリーグも始まり、ビックゲームも目白押し。さらにギアを上げて9月もガンガン勝星を積み上げてほしい。

2022/09/01 プレミアリーグ第5節
マンチェスター・シティ 6-0 ノッティンガム・フォレストFC
得点者:ハーランド×3.カンセロ.アルバレス×2



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