【8発壮絶な撃ち合い】マンチェスター・シティ×横浜F・マリノス|アジアツアー2023−|試合の雑感
昨日に引き続き!国立へ!
目的はもちろん!マンチェスター・シティ×横浜F・マリノスの試合観戦です!
それではつらつらと試合の雑感を話していきたいと思います!
▪️汲み取り方の違い
仕事を終えて、国立に到着出来たのはkickoff30分前でした。最初からアップが見れなかったのは残念すぎましたが。そこから特にシティのアップに注目しました!
色々面白いことやってるな!という話はありましたが、最後のアップセッションだけ切り抜いて話をしたいと思います。
最後に行っていたのが4×4+3フリーマンのボール回し。
面白かったのはここから。マリノスもこれと同じような設定でアップセッションを行なっていました。
ほぼ同じトレーニング?大枠は一緒?だと感じましたが、それぞれのチームから汲み取れる情報が違っていて本当に面白かったです。
パススピード。グリッドの大きさ。ボールの置き所、ファーストタッチ。何を意識しているのか?
勉強になりました。
▪️試合序盤
それでは試合の方の雑感に移りたいと思います!まずは試合前のメンバー発表から、昨日のシティの公開練習を踏まえて試合はどんな感じになりそうかな?とこんな予想をしてみました!
こんな予想通り、シティは序盤から右CBに入ったストーンズが中盤に上がる偽CBを発動させて、後方[3-2]ビルドアップを実行していきました。
それに対してマリノスはどう振る舞うのか?こちらもだいたい予想した通りの展開になったかと思います。
シティが後方深くでボールを持つとハイプレッシャーを仕掛けていきました。マリノスは初め[4-2-3-1]の陣形でプレッシングに出ましたが、そうなると偽CBを発動させているストーンズがフリーに。トップ下に入ったマリノスのマルコスが数的不利でマークを見る状況に。
そのプレスのズレを利用してストーンズがボールを受けて前を向いて、何度も運ぶドリブルで前進していきました。マリノスも自分たちのプラン、スタイルを実行するためにこも状況を容認する事はせずに次なる手を打ちました。それがハーフコートマンツーマン。
マリノスのCBの一方がシティの中盤一枚を捕まえに行ってプレスを明確に人に噛み合わせて行き、プレス強度を上げていきました。
その効果は的面。シティのボールを敵陣で奪うことに成功し、ショートカウンターから決定機を作り出せるように。
そうなれば次はシティが手を打ち直す番。GKオルテガを用いたビルドアップからマリノスのハイプレスを空転させていきました。
いくらハーフコートマンツーマンをぶつけても、プレスをぶつけられないエリアが出てきます。それはボールを保持する側のGK(だって前からプレッシングの出る側のGKは相手のコートまで行ってプレスに出れますか?それは非現実ですよね。だから自陣深くでボールを回すことでGKをビルドアップ関与させて、相手のハイプレスに対して数的優位を作ってボールを動かす。だからこそ現代サッカーにおいてGKの配給力は一層求めたているんだと思います。特に自分たちでボールを握りたいチームはね!)。
シティはGKオルテガをビルドアップに関与させていきました。(実はこの形前日の公開練習の紅白戦でもペップがうるさく言っているな!という部分でした!)
GKオルテガはマリノスのプレスが来るまでボールを離しませんでした。マリノスの前線の選手がオルテガまで出てきた瞬間、シティの後方の選手がフリーになります。引きつけて出す!でマリノスのファーストプレスを再現性を持って剥がしていくシーンが増えていきました。
GKオルテガはショートパスだけでなく、長いボールで一気に決定機を演出するシーンも目立つように。マリノスはGKオルテガにプレスに行くとフィールドプレイヤーのどこかがフリーになる!となれば中々彼へプレスに出れない状態に。
そうやって出来た時間の間に、シティの前線がマリノスのハイラインの背後へランニング。そこへ一気にGKから長いボールが入りゴールを匂わせるシーンも見え始めました。
▪️マリノスのポケット封じ
シティは徐々に再現性を持って前進は出来るようになり、ボール保持の時間も高めましたが、問題はそこから。マリノスを押し下げた後に課題が見えました。
シティはサイド深くにボールを運ぶとお得意のサイドからのポケット侵入を試みアクションをIHがみせますが、そこはマリノスもしっかり対応。
シティのIHがマリノスのSBの背後に抜けるアクションを見せるとしっかりマリノスのCHがついていく。もしくは早めにSBとCBの間にマリノスのCHが立ち位置を取ってポケット、チャンネルのエリアを封鎖。シティのゴール前の決め手を一つ奪うことに成功してシティの攻撃を停滞させていきました。
ペップ・シティの18番を封じただけでなく、そこからロングカンターへ以降していったのが尚更シティにとっては脅威だったはずです。マリノスが徐々に観客を持ち上げるシーンを増やしていきました。
そしてマリノスがカウンターから立て続けにゴールを奪い、一気に2点のリードを奪って見せました。
▪️ここから目覚めた欧州王者
マリノスに2つの先制パンチを食らったマンチェスター・シティは、ここからギアをどんどん上げていきました。
まずはストーンズの反撃の狼煙を上げるシティの1点目。サイドに揺さぶり、ウォーカーのオーバラップのクロスから、最後はCBのストーンズがシュートを突き刺しました。
この時ウォーカーのオーバーラップをしっかり使った右WGのパーマー。この前にも同じようなシーンがありましたがその時はパーマーはウォーカーを使わずに、結局ボールをロストして、マリノスのカウンターを向ける羽目に。同じ過ちはおかさなかったパーマー。あ!なんかシティの選手のスイッチ入ったか?と思ったシーン。
そしてシティもマリノスと同様に、マリノスがボールを自陣深くで保持するとハーフコートマンツーマンで分厚いプレッシングをかけていきました。
それが実ったように、シティの同点ゴールはマリノスのGKからボールをカットして生まれたゴールでした。
前半だけで4ゴールが生まれる乱打戦。後半に入るとシティがさらにアクセルを踏んで試合のテンポを上げていきました。
▪️ガラッと変わった雰囲気の正体は?
後半シティはGKオルテガ以外の全フィールドプライヤーを交代。
大幅な選手交代はあったがシティのビルドアップの形は前半と大まかには一緒だったはずです。
ストーンズが行っていた偽CBを用いた後方[3-2]の形を今度は左SBに入った18歳リコ・ルイスが偽SBで代替え。アンカーに入ったロドリと共に中盤に入ったリコ・ルイス。この二人が中盤に入ったことでボールが循環するスピード、回数が前半よりも格段に上がっていきました。
そしてシティは後半早々に逆転に成功。もちろん決めたのはハーランド。あっという間に2点差をひっくり返しました。
逆転に成功したシティは攻撃の手を緩めることなくどんどんどんどん試合のテンポを上げていきました。
前半と何がそんなに変わったのか?と言われればトランジション局面でしょうか。前半押し込まれてから長いカウンターを打てていたマリノス。しかし後半はロドリ、ルベン・ディアスを中心にカウンターの起点を潰すことに成功したシティがトランジションプレスから即時奪還→カウンター打たせない!→二次攻撃、三次攻撃→分厚い攻撃が出来るようになっていったシティ。後半開始から約20分くらいはシティが圧倒的にマリノスを押し込む構図へと移り変わっていきました。
自陣に押し下げられたマリノスに対して、シティが見事な崩しから4点目を奪いました。
綺麗なミドルシュートを突き刺したロドリ。この男やはり凄かった。この男がピッチに入ったことがシティの雰囲気が後半ガラッと変わった要因だった。と思わせるほど攻守に存在感がありました。
あとはCBのルベン・ディアス。マリノスがボールを保持している時に、ルベン・ディアスだけに注目して彼の振る舞いを観察した時がありました。ラインの細かな設定。周りの選手への身振り手振りを加えたジェスチャー。守備を頑張った選手へのハイタッチ。試合をより引き締める選手を目の当たりにすることが出来ました。
そしてやっぱりベルナルドも素晴らしかったです。チームの攻撃を循環させる男。フォーデンと共に相手の弱点を突きまくる本当に相手にとっては嫌な存在感を放っていました。
フォーデンはターンが速くて上手い。美しい。そして前を向いた時の推進力は想像以上でした。
▪️8発のゴールショー
試合は終了間際に両チーム1点づつを加えて最初から最後までこの試合に集まった、6万人を超える観客を大いに楽しませてくれました。
本当に最高な90分を作り出してくれたマリノス、マンチェスター・シティには大きな拍手と称賛をおくりたいです。マリノスの試合は久しぶりに見ましたがハイハイクオリティでしたね。そして自分たちのスタイルを持ったチームにはやっぱり心打たれますね。それはマリノスにも言えますし、マンチェスター・シティにも言えることだと思います。
自分たちのスタイルを包み隠さず、逃げずにぶつけ合ってくれたからこそこんな素晴らしい試合になったと思います。またひとつ心に残るゲームが出来ました。大感謝です!
また是非!このカードは来年もやって欲しい!いや、毎年やって下さい!
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ペップ・マンチェスター・シティ.戦術パック
ペップ・グアルディオラ監督率いる、マンチェスター・シティの戦術解説のnoteをまとめた内容のマガジンです。 【こんな人におすすめ】 ・ペ…
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