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サッカー馬鹿になれたあの頃| FBase マガジン #10

今回はサッカーの戦術的な話や、試合のレビューではありません。サッカーの現場でふと感じたことをつらつら書いていこうと思います。サッカーをやっている今の子供たちは、昔の自分よりサッカーが好きなのか?昔の自分よりサッカーに没頭しているのか?とふと最近よく感じていました。

みなさんはどう思いますか?

その問いに対する私の中で出した答えが「あの頃はサッカー馬鹿になれた」です。

サッカー好きがサッカー小僧に進化する。
サッカー小僧が最終形態のサッカー馬鹿に進化。

その進化の過程にはサッカーが好き!サッカーがもっと上手くなりたい!という想いが必要。そしてもう一つ大切な要素が。それがサッカーができる場所ですね。この部分は今よりも、昔の方があったように感じます。

みなさんの住む地域で、自由にボールが蹴れる環境は果たしてどれくらいありますか?

サッカー馬鹿になれたあの頃

私の子供時代を少しだけ振り返ってみます。

小学4年生で始めたサッカー。ボールを蹴ることにただただ夢中だった。少年団だった為クラブ活動は土日のみ。しかし、暇があれば学校や団地の下の芝生でボールを蹴っっていた。長期休み入ると朝から外が暗くなるまで団地の芝生でボールを蹴る日々。ボールを住宅に蹴り込んで何度も怒られたのは今ではいい思い出。

中学生は学校のサッカー部で活動。朝練はミニゲーム。午後練もミニゲーム。それだけでは足らずに部活とは別にクラブチームのスクールに通い夜遅くまでフットサルコートでミニゲーム。

高校も部活動でサッカー漬けの3年間。朝は6:30から自主練。夜は10時までボールを蹴り、家に帰るのは夜11時。夢中になってボールを蹴っていた思い出しかない高校3年間。

大学は寮生活。毎日夜9時までボールを蹴っていた。長期休みは午前練習後お風呂に入って昼寝。起きたら寮生とグランドに行って2m四方のグリッドで4対1のボール回しをひたすら3時間。あのボール回しが一番楽しかったな…

今振り返れば馬鹿だなと思う思い出です。でもこれだけ取り憑かれたかのように夢中で何かに取り組むパワーは凄いなとも思います。そしてそのパワー(思い)があっただけではなく、サッカーにのめり込む環境(場所)がその時あったからこそこれだけ何かに夢中になれたとも言えますね。

今そんな環境(場所)は子供たちに増えていますか?減っていますか?

培われる「野生

現代において医学的に長時間の練習は悪だ!という声もあるかもしれませんが、やっぱりこれだけ練習していればサッカーは上手くなりますよね!

先ほど述べた私の子供時代のサッカーの思い出の半分以上はチーム練習以外の話です。7割近くが自発的に、好きでボールに触れた時間です。誰にも強制されずに好きなようにボールに触れた時間です。その時間がチーム練習では培われない自発性や考える力。そして「野生」が培われると思います。

野生ってなんだよ?

サッカーにおける「野生」とはとっさに足が出たり体をいれたり。数的不利だったり、判断を間違ってプレスを受けてもとっさにその局面を打開しちゃう!そんな力だと解釈しております。本能的にゴールへ突っ込む嗅覚や、相手が何人いようがドリブルで仕掛けちゃう姿勢もそうかもしれませんね。

そんな「野生的本能」。天才アイマールの言葉を借りるとクリエイティビティの力を自発的な練習や自主練では培われると思っております。

それも自主練ができる環境(場所)があるからこそ培われる能力だと思います。

サッカー馬鹿は生まれにくい現代?

サッカー馬鹿になることで培われる「野生」「クリエイティビティ」。それが現代フットボールにおいて絶滅危惧種と言われているファンタジスタを生むのかもしれませんね。

それではそのサッカー馬鹿を生み出すためには何が必要?それは初めに述べたようにサッカーが上手くなりたい!もっと練習したい!サッカーが好き!という熱意。そしてその熱意を行動に移せる環境(場所)が必要ですね。一緒にサッカーをする仲間がいれば尚いいかもしれませんね!

昔あった空き地が住宅になっている。昔ボール遊びができた公園がボール禁止になっている。近所迷惑と怒られ道路でボールが蹴れなくなった…

昔はボールが蹴れた場所でボールが蹴れなくなっている場所は多くなっているのではないでしょうか?確かにボールが蹴れなくなった要因も理解できます。

だからこそサッカーに関わる大人たちはそんな環境(場所)を整備し、子供たちに提供することもミッションなのかなと現場で感じております。

しかしサッカーができる場所を提供するだけでは自発的に子供達がサッカーをやるとは限らないのが現実でもあります!なぜなら今の子供たちは非常に忙しい。サッカー以外に複数の習い事をしていたり、SNSの発達でやることややれることが増えたことで選ぶ選択が昔より倍増していますね。暇だからサッカーやるか!とは中々ならないのも現実!多種多様な現代になったからこその悩みですね。

色んな悩みを抱えながら、
現場に立っております!

そして少しの寂しさも抱えながら。
野生感に溢れた選手。ぶっ飛んだ選手との出会いを待っているのかもしれませんね…

現場からは以上です!
長々とお付き合いありがとうございました!


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