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知る人ぞ知るコーヒーの名店『風流茶房 淳』 ー 高知県高岡郡四万十町のまち自慢

町内の一角にある、ツタに覆われた不思議な建物。ここは『風流茶房 淳』という喫茶店です。
今回は、2代目オーナーである川上章雄さんにお話を伺いました。




昭和の趣残る『淳』のはじまり

『淳』のはじまりは、現オーナーである川上さんのお父さんです。
川上さんは高校卒業後に四万十町を出ていましたが、28歳の時、この喫茶店を継ぐために戻って来られました。

一歩お店に入ると感じる昭和の雰囲気。
今は全席洋式ですが、鴨居などいたる所に座敷があった名残が見られます。
昔のポスターや雑誌等の切り抜きで埋め尽くされた壁は、川上さんのお父さんが集めた当時のまま残されているそうです。

お店を継いでから、かれこれ50年。
町の景色は変われど、『淳』の中だけはずっと変わらない。
それが、常連のお客さんにとって何よりの安らぎなのではと感じます。

昔のチラシの切り抜きなどに囲まれた入口近くのテーブル席
5〜6人の大人数でもみんなで机を囲める広さ


愛される『淳』のコーヒー

遠方からわざわざ足を運ばれる方もいるという『淳』のコーヒー。
そんなコーヒーへの思いを聞く中で印象的だったのは、川上さんの「特にこだわりはない」という言葉でした。
川上さんにとって「おいしいコーヒーをつくるために手をかけるのは自然なこと」だそう。
その気持ちに則り、今回はあえて「こだわり」という言葉を使わずに、『淳』のコーヒーが愛されるワケをお伝えします。

川上さんの工夫1:ハンドピック

独学で本などを読みながらコーヒーについて勉強した川上さん。
ある時「豆によっておいしいと感じる場合と感じない場合があるのでは?」と考えた川上さんは、自分で良い豆と悪い豆それぞれで作ったコーヒーを飲み比べてみたそうです。
やはり悪い豆はとてもまずく、ハンドピック(欠陥のある豆等を手で取り除くこと)で選別することが必要だと思ったそう。

良いコーヒーを作るために、悪い豆を取り除く。
それは、川上さんにとって自然な選択だったということです。

インタビューに答えながらハンドピックを続ける川上さん
人気のコーヒーをいつでも提供できるように、隙を見つけてはこの作業を行うとのこと


川上さんの工夫2:手作りホイップ

『淳』で特に人気な「ウインナーコーヒー」。
手間や形状維持を考え、ホイップクリームを冷凍することもできますが、川上さんはここでも味のクオリティーを優先。注文が入ってから手作りします。
スプーンですくいあげ、たくさん空気を含ませることで、ふわふわのホイップクリームが完成。

手作りの柔らかいクリームがすぐに形を崩し溶け込んでいくのも、温かく自然な味のコーヒーをそのまま味わえる証拠です。

ウインナーコーヒーとパンケーキ
他にもたくさんのフードメニューがあります

一杯一杯丁寧につくられる、おいしいコーヒー。
一度来てみれば、その味の虜になることは間違いないでしょう。
ぜひ、四万十町に来た際にはお立ち寄りください!


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