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美容師歴28年、農家になるため四万十町へ。”農薬・化学肥料不使用”にこだわる生姜農家。 ー 高知県高岡郡四万十町のまち自慢

高知県四万十町拠点、教育チームの小野崎です!

先日、高知市内で行われたとあるイベントで「元美容師の生姜農家」という、なんとも興味深い肩書きを持った方とお会いしました。

四万十町で「みよしファーム」という農園を運営し、農薬・化学肥料不使用の生姜をつくられている三好永芳さんです。

なぜ美容師から農家になったのだろう?
まったく異なる仕事内容だが、どのようなおもしろさや難しさがあるのだろう?

そんな疑問から、三好さんにお話を伺ったところ、
「試行錯誤し続ける人はかっこいい」ということに気付かされました。






1. 美容師から生姜農家へ

ー 三好さんのこれまでのご経歴は?

三好さん(以下略):高知県高知市で生まれ育ちました。小学校、中学校、高校と進み、高校卒業後は美容の専門学校に通いました。美容師としてしばらく仕事を続け、約8年間は独立して個人でやっていました。

ー 美容師としては何年ほど働かれたのですか?

46、7歳くらいまでなので、28年くらいやっていました。美容師を28年やったから、農業も28年は続けたい!と思っています(笑)

ー 28年も美容師を!ベテランですね。そこからどうして農業をやることになったのでしょう?

もともと、自分にとって農業は身近だったんです。僕が生まれ育った地域には大きな畑があって、その一区間で父親が枝豆やメロン、里芋などを無農薬で作っていました。子どもの頃、毎年このくらいの時期(9月)に枝豆が採れて、お皿いっぱいの枝豆を食べるのが楽しみだったことをよく覚えています。農作業を手伝った覚えはないですが(笑)、身近に触れてきたとは思います。

ー お酒に強くなりそうな子どもですね(笑)大人になってからも農業に触れる機会はあったのですか?

はい、美容師時代にも家庭菜園をしていました。苗を買って、ジャガイモやゴーヤ、モロヘイヤなどを育てていましたね。トマトは失敗しました(笑)

ー そうなんですね!そこから今に至ると。

そうですね。やっぱり「専業で農業をしたい!」という思いがありました。そこで、四万十町に移住することを決め、農業担い手育成センターで研修を受けて農家になりました。今年、8年目になります。


2. 収入が不安定だった1〜2年目

ー 美容師と農家はまったく仕事内容が違いますよね。苦労したのではないでしょうか?

初年度は、収入がほとんどなかった
ですね。2年目も、生姜がうまく育たずにガクンと収入が落ちました。1年分の生姜を作り、月毎に分けて出荷するので、うまく育たないとその月の収入が「なし」なんですよね。1〜2年目は苦労しました。

ー 安定するまではかなり大変だったのですね…

そうですね、3年目から色々と試行錯誤を重ね、生姜を作る量も増やしたことで、ようやく安定してきました。最近では、加工品を作り始めたり、個人販売先を増やすために東京に出向いたり、新しいことにもチャレンジしています。新しい従業員も募集していて、最近は移住してきた若い男の子に農業を教えつつ、働いてもらっています。

みよしファームで加工・販売されているショウガシロップ。辛口なのが特徴だそう!
三好さんは、ハイボールに混ぜることにハマっているそうです!


3. 土づくりにこだわる生姜づくり

ー 生姜づくりでこだわっていることはなんでしょう?

土の手入れには気をつけています。表面に「ヤシガラ」というものを撒いていて、生姜を日焼けから守っています。日に当たりすぎると、生姜が緑色になってしまうんです。また、生姜が表面に出ていると、虫に噛まれて筋が入ってしまうことがあるので、表面に出てきていないかを確認して上から土を被せます。こういった丁寧な手入れをすることできれいな生姜が作れるんです。

ー 地道な作業こそが重要なんですね…!

そうですね。生姜作りでは、肥料にもこだわっています。一般的な肥料は鶏糞などが使われるのですが、生姜作りには「ぼかし肥料」というものを使っています。em菌という菌が含まれていて、栄養豊富な土になります。普通の肥料よりは費用がかかるのですが、土づくりにしっかりとこだわることで良いものができます




大人になればなるほど、「新しいことを始めよう!」と思っても、なかなかすぐには行動に移せないものです。

ですが、三好さんのお話を伺い、大人になっても新しいことにチャレンジし、失敗しても試行錯誤する生き様が、とても魅力的で素敵だなと感じました。

秋頃には、生姜の収穫があるそうなので、生姜掘りにお邪魔させていただきたいなと思います!

以上、四万十町の「まち自慢」でした!


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