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何もしないことが最高の何かにつながる

May1, 2019

平成最後の日に借りた『プーと大人になった僕』が、とてもよかった。
最近はTSUTAYAに行くたびに年会費を払っている始末で、ソファに落ち着いてすわることもない。いつからこんなに忙しなくなったのか、そんなわたしに、プーの映画はとてもいいクスリになった。

幼い頃に読んだプーさんは、そのときは特別面白いものではなかった。ただそこに、大切なことが書かれている気はしていた。だからその岩波少年文庫をずっと大切に持っていて、20歳の頃には原文で読んだし、(これを聞いた友人は皆、冗談だと思うのだけれど)まじめな論文まで書いたのだった(ほんとだよ)。

わたしは、ディズニーキャラクターのプーは好きではなく、原画のアーネスト・シェパードのプーが好きだ。そして、映画の実写版のプーはそれ以上に好きになった。
せつなくて、泣きそうになる。抱きしめたくなる。いい大人が、ぬいぐるみを抱きしめるのは、恥ずかしいかもしれない。でも、映画の中で、大人になった僕、クリストファー・ロビンも、そんなふうに感じている、と思った。せつなくて、泣きそうになって、抱きしめる。忙しく働く日々の中で、忘れてしまっていた大切なものを思い出すとき、その感情に包まれる。

確かに忙しい。働く大人は、しなければならないことがたくさんある。でも、何もしないでいることが、最高の何かにつながることがある。
そんないいことを、この映画でわたしもまた、再会したプーさんから、教えてもらった。







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