KIMONOは矯正下着とは正反対の機能を持つ
June27, 2019
キム・カーダシアンがKIMONOという矯正下着のブランドを発表、商標登録を出願しているというニュースを聞いたとき、べつに日本文化を侮辱しているとまでは思わなかったけれども、そんな名前をつけるなんて、センスがない、と思った。
着物というのは機能的には矯正下着とはまったく反対のところにあって、太っても痩せても、たとえ妊娠しても、その都度、仕立て直しせずとも、自分サイズに合わせて纏える被服なのだから。
そして、三代にわたって半世紀は十分着ることができ、その際、仕立て直したり、色をかけたり、染め直したり、模様を入れたりもできる、サステナブルな服なのだから。
まったく違うよね。
無知ゆえか、知っていて炎上商法なのか、でもここまで違うのだから、べつに目くじら立てなくてもいいのでは、とも思うのだけれど、商標登録はやはり、問題があるかも。
海外ではKIMONOは部屋着のガウンのこともそう呼んだりします。違うけれど、言いたいこと、したいことはわかる、という程度。でもあの矯正下着はちょっとなぁ……と、もやもや。
つい先日、伯母の40年ほど前の着物を洗い張りに出しました。一度解いて、反物に戻し、洗い、仕立て直します。それで、ちょっといいワンピース一枚分の値段になりますが、一生着られます。
きものは草履を履かない状態で長く着ると裾裏が擦り切れます。それも直しに出しました。袷の季節にはそれが新しくなって戻ってくる。そういうところが素敵。
そんなふうに繕いながらずっと親しんでいける、着物のポテンシャルを伝えていきたいと思って、
#おばあちゃんの着物
#sustainableluxury
などで、Instagram にたまに投稿しています。とても小さい声で、でも結構本気で。
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