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東アジアの祝日事情

日本は祝日が多いと言われるが本当にそうなのか調べてみたところ、2024年の日本、韓国、台湾の祝日は以下の通りでした。

日本: 16日
韓国: 15日
台湾: 11日
※振替休日や土日を含んだ公式発表の日数ではなく、通常の土日にプラスして休める日数のみでカウント

確かに台湾は少ないですが、この数字だけを見ると日本だけが突出して多いというわけではないですよね。
ただ、祝日ではないですが、実は日本が休んでいる期間がまだあるのです。
それは年末年始です。
12月末から1月初めにかけて、短くても5日くらい、長いところでは7〜8日の年末年始休暇があることがほとんどなのではないでしょうか。
しかも1月1日の元日以外は公式な祝日ではないのにです。

以前、日本で韓国企業に勤めていた時にこの間の休みについて、元日以外は祝日でもないし本社は働いているのになぜ休むのか、休んでもよいが休むなら有給を使うべきではないのかと韓国の本社から言われたことがありました。日本で働いている以上は日本の休みに準ずるべきだと考えていた私はこの休みの正当性について何か証明したく調べたことがあります。
調べたところ「行政機関の休日に関する法律」というものを見つけました。
この法律で12月29日から1月3日は行政機関の休日として定められていたのでした。
祝日として定められてはいないけど行政機関でさえ法的に休みの日なのだから、日本にある拠点で雇用され、日本の労働基準法に基づき勤務している私には休む権利があるはずと主張し、その結果それまで通り祝日ではないが有給休暇は使わずに休める日と認められました。
企業によってはこれ以外にお盆の時期にも連休がある場合などもあるので日本は休日が多いと思われているのかなと思いました。
有給の取りやすさといった年間で実際に休める日数についてはここでは置いておきます。

日本では現在旧暦を使用していませんが、韓国も台湾も、そして香港でも現在も旧暦を使用しておりお正月や中秋など旧暦に基づき算出され休む祝日があります。
使う暦は同じですが、お正月や中秋に休む日がそれぞれの国によって違うのはとても興味深いです。

台湾や香港はお正月を重視しているようで、台湾では大晦日から1月3日まで、香港では元日から3日までが休日で、土日も入ると大体1週間程度の連休となりますが、中秋に関しては台湾は当日、香港は翌日の1日のみが休みになります。
一方韓国はお正月も中秋も当日を中心に前後3日間が休日で土日を入れるとどちらも1週間程度休めるので、お正月と中秋の両方が故郷に戻って家族と過ごす連休と位置付けられています。
もちろん台湾と香港でも中秋は家族と過ごす休日の位置付けではありますが、土日がからんでこない限り単独の休日なので、韓国のようにお正月と並ぶ民族大移動というほどにはならないと思います。

今は台湾に住んでいるのでそれほど感じませんが、日本にいた時には東アジアで旧暦を採用していないのは日本だけなので、東アジアの国と繋がりがあると日本だけ別の暦で動いていて不便に思うことが多々ありました。
しかも世界的に見ても新暦の元日を超えてまだ休みが続く日本はかなり独自の休日路線を走っているといえます。

日本は明治時代に旧暦を使わなくなっているので、現存の日本人で旧暦に馴染みがある人はほとんどいなくなっている状況かと思います。
それだけ、明治維新以降の日本はアジアではなく欧米に目を向けていたということではありますが、世界の動きや繋がりが変化してきている昨今の状況を踏まえると、日本も再度採用するまではいかなくても近隣の国では今でも採用されており、かつては日本にもあった旧暦という概念についてもう一度見直してもよいのでは、と思ってしまいます。

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