池袋と有楽町の話。

マツクランジャタイから明日で1週間になろうとしている。
Xでしたその日の投稿はまだ「5日前」と表記されているが、もうすぐ「6月25日」に変わるんだろう。
確実にあの日のことが過去になっていると感じて寂しくなる。

東京から数時間の距離に住んでいる私は、その日池袋で東京メトロに乗り換え会場のある有楽町へと向かった。
東京に出たのは、4月以来である。
そんな私のこぼれ話。



池袋

池袋は随分と久しぶりだ。
いつ以来なのかも分からないくらい来ていなかった。
何となく覚えているのは、大学生の頃にポケモンセンターで黒いリザードンとオレンジがかったピカチュウが貰えると聞いて、講義が終わるや否や電車に飛び乗り弾丸上帰京した日のことである。
あの頃の行動力は、今の私には考えられない。

今回は外に出る必要がなかったけど、池袋駅も田舎者の私にとってはダンジョンである。
そんな池袋で、ホームをレスされた方を久しぶりに見た。
ただ寝ているだけの方は、地元の最寄り駅にも時々いることはいる。
だが、1人いるかいないかである。

池袋から東京メトロ有楽町線のホームにつくまでの通路に数十メートルおきぐらいの距離にいた事に衝撃を受けてしまった。
中には、お椀や空き瓶のようなものを置いて物乞いのようなことをしている人もいた。

某プチプラ化粧品でお馴染みの企業の広告の下でそのように過ごしている人達。
誰もがそれを見えていないように歩いていくのを見て、なんとも言えない暗い気持ちになった。
最も、こういう光景は池袋駅に限ったことではないのかもしれないが。
外国人観光客も多くその道を通っていたが、この光景をどう思っているのかと気になった。



東京メトロ

東京メトロに乗っている時、私は都会人になっているような気がする。
多数ある路線を間違えずに乗りこなしている時の私は内心「え、なんか洗練されてるじゃん?」と思う。
ちなみに、そのために事前にYahoo路線と気が済むまで睨めっこしている。


だけど、立派な制服と格式のある学校指定と思わしき雰囲気のランドセルを背負った小学生がタブレットを片手に大人しく乗っているのを見て何かに負けた気がした。

彼はおそらく、物心が着く前から東京メトロという存在に慣れ親しみ。
私の特別は彼にとってはいつもの風景で、自分が洗練されている気がするなんて感じることもないのだろう。
本物の都会人とは、おそらくそういうものだ。

外の景色が見えないためメトロに乗っている時は緊張する。
車内放送を聞き逃して降りられなかったらと考えてしまうと怖くて、乗降口上に設置されている電光掲示板からなるべく目を離さないようにしてしまう。
やっぱり、私は悲しいくらい田舎者だ。

気を紛らわすように窓の外に流れていく蛍光灯の光を見ていると、まるでワープ中のようで未来に送られているような気がした。



有楽町

東京メトロ有楽町駅に着きどの出口から出ればいいのかと地図を見たら、黄色で示された出口の多さに泣きそうになった。
私の地元の駅は、西口と東口の2つしかないというのに。
よく確認して、多分ここだと目指して出たら普通に間違えた。ちょっと泣いた。


有楽町は都会であっちを見てもこっちを見てもビル。
東京の駅ビルを見ていると、地元の駅ビルはビルでは無いなと思う。
「ビル」という名称に負けている建物しかない。
とにかく一度外に出て、会場となる『I’M A SHOW』が入っているビルを探す。
最初、駅からすぐそばという情報を元に今いる所の7階だと思ってエレベーターで上がったらオフィスみたいなところに着いてしまった。
エレベーターを待っていた人と目が合って気まずくて、すぐに『閉』を押して乗った階に戻った。


ここでは無いということに気がついて脱出を試みた。
有楽町の難度高めの駅ビルが私に牙を剥く、なかなか外に出られない。
ようやく出た出口に答えがあった。
私がさまよっていたのは東京交通会館だった、蟻地獄かと思った。

外に出てもビルが多くて、心が折れそうになったが何とか無事に着いた。
それがあったのは『有楽町マリオン別館』という建物だった。
マリオンも分からないのに別館まで求められてもと思ったが、着いたらイベントの掲示が出ていてすぐにわかった。

7階のフロアのどこかにあるのだろうと思って、ふらりとエレベーターに乗り込んで下見に向かった。
入口が開いた瞬間会場のロビーが広がっていて、スタッフのお姉さんに「すみません、まだ開場時間になってないので…」と申し訳なさそうに言われた。
いや、謝るのはこちらです。
本当にすみません、お邪魔しました。
謝罪を込めて軽く頭を下げて、即『閉』ボタンを押した。
この日2度目である。


別館から出て一息つこうと隣のビルを見たら、タリーズがあることがわかった。
ここがマリオン本館かと思ったら、ルミネだった。なんなんだ。
中でまた私に都会のビルの洗礼を受けた、8階に行こうにも階段でもエレベーターでも行けない。
どういうことか分からなくなった時、自分がいるのが『ルミネ2』だということを知った。
タリーズがあるのは『ルミネ1』だった。


連絡通路という、隠し要素があることを知ってようやく目当てのタリーズに着くと地元のタリーズより遥かにオシャレでビビってしまった。
まさに都会、オシャレで横にも縦にも広い。
そして、店員さんがすごく優しかった。
まぁ、店員さんは地元のタリーズも優しいけどね。

時間を潰したのち、無事に私は公演を見て帰ってきたのだけど1つ未解決のことを思い出した。
『有楽町マリオン本館』はどこだったのだろう。
いつになるかは分からないが、そのうち見つけに行けたらいいと思う。(了)


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