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ポッドキャストの機材・音声編集について

ポッドキャストをはじめて、もう少しで1年。はじめはスマホのレコーダーで録ったものをアップしているところから、マイクやオーディオインターフェースを買って、とにかく音質向上をひとつの課題してきました。

今回は現段階のわたしたちポッドキャストの音声編集方法や、機材についての記事になります。


ポッドキャスト界の音質マッチョ論

ポッドキャストは基本的に素人が駄話するもの、特定の分野もののざっくり2通りあると思っていて。前者はわたしたちのポッドキャストのような雑談系、後者はテック、ビジネス、英語などある分野に詳しい方がお話しするものになります。

ただどちらも趣味要素が強く、どこかゆるーく友達の話をきいている感じがラジオとの違いかと思います。自分が好きなポッドキャストについては、世界中一のリスナーはわたし!と勝手に友達になった気さえしてしまう、そんなところが大きな魅力だと思ってます。


1点マッチョ文化があるとするならば、それは「音質」じゃないでしょうか。これは多くのポッドキャスターに影響を与え、国内最強のテックポッドキャスト「Rebuild」の影響が強いとおもってます。

Rebuildでは、ときたま音質や機材についての話をするのですが、その影響・憧れもあって、いつか自分もポッドキャストをするならば・・音質にはこだわりたい!!と強い想いを抱きました。

他のポッドキャストでも音質トークの話をきくと「あぁ、Rebuild門下生だな」と、妙な仲間意識さえ覚えます。


前談はこの辺にして、さっそくわたしたちのポッドキャスト「おやじは銀行員.fm」の機材・音声編集方法についてご紹介させていただきます。



ハードウェア編

最近はソフトウェアでいくら編集・調整できるにしても、そもそものハードウェアがしょっぱければ、、音声をよくすることは難しいと思います。収録の度にマイクなどを持ち歩くことが面倒なのでスマホのレコーダーでいいかなぁとおもうこともありますが、、音質ゴールドジム会員のわたししてはこれはご法度!


■オーディオインターフェイス:TASCAM SERIES 102i(¥30,000~)

そもそもオーディオインターフェイスとはなんぞですが、マイクやギターなどの機器とパソコンを接続するためのものです。このときアナログの音をパソコンでも取り込めるようにデジタルに変換することもしてくれます。マイクによってはUSBで直接接続できるタイプのものもあるのですが、アナログtoデジタル(またその逆も)変換することに特化した機材によって、余計なパソコンのノイズを拾わない、パソコンへの負荷を軽減させることができるので音質へこだわるなら、是非とも欲しいところです。

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■マイク:SENNHEISER ( ゼンハイザー ) / E945(¥20,000~/1本)

マイクにはダイナミックマイク / コンデンサーマイクの2種類がありますが、わたしは断然ダイナミック推しです。ポッドキャスト開始当初は、アマゾンのおすすめにあったコンデンサーマイクを買って試してみましたが、部屋の周辺音などを拾ったりと取り扱いが難しいとおもいました(わたしが買ったのが数千円の安物だっただけかもですが)。

E945をチョイスした理由は、楽器屋のお兄さんにポッドキャスト・ラジオをするのでいいマイクが欲しい!余計なノイズを拾わないような美声マイクを!ときいたところ、おすすめしてくれたものです。正直、2万高っとおもいましたが、いまではこれしかないというくらい欲しい音を録ってきてくれるこのマイク大変お気に入りです。マイクの特性上「単一指向性」一方向の音だけを録るように設計されているので、エアコンや冷蔵庫などの余計な音を極力拾わないことができます。

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この記事にグッと詳細が書いてあります。


これ以外にもオーディオインターフェイスと接続するための「キャノンケーブル」もマイクの本数分用意する必要があります。


またブレスノイズ(息を吐く音)を軽減させるために「マイクスポンジ」もあると良しです。



ソフトウェア編

■Logic Pro X(¥24,000)

わたしはMacユーザーのため、デフォルトで入っている「GarageBand」をずっと利用して、この夏さらなる進化のために上位ソフトである「Logic Pro X」に乗り換えました。

操作感は似ているため、ある程度GarageBand使ったら、Logic Pro Xに切り替えることをおすすめします。Logic Pro Xすることの利点はGarageBandと比べたときのプラグインの多さ、ループ素材の多さなどテクニカルな面もありますが。わたし個人的にはなんかプロっぽくてかっこいい、それが2万ちょいで手に入るなら安い!というところが大きいです。

どこかMacbook with スタバ精神に近い気もしますが、自分が気持ちいものを触れることはとても大事だとおもいます。昔はこの手のDAWソフト10万円くらいした気がするので、いい時代になりました。後述の編集方法は基本的にLogic Pro Xを利用しての操作説明になります(GarageBandでも近いことは可能ですのでご安心を。Windowsの方はごめんなさい)。

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■RX 8 iZotope(スタンダード¥46,090)

ポッドキャストの編集をしていて一番気になることが「ペチャ」「クチャ」っといったリップノイズです。対処方法が分からず、マイクを少し遠ざけるなどのことは試しましたが、すると声を拾わないという悲しき等価交換。

どうすればよいのか分からず、諦めていたのですがご近所にあるDAW教室へいったところ先生に教えていただきました神ソフトが「RX8」になります。


この時の記事


もし導入していないポッドキャストなどがあれば、ぜひ検討してほしいです。正直4万超えで、Logic Pro Xよりもまさかの高額ですが、、絶対おすすめです。ライセンスも3種ありますが、音声編集でいえばスタンダード十分と先生に教えていただきました。といか13万するアドバンスドは無理です。。

時々セールもやっていて、半額くらいで購入することも可能です。検討しつつ、セール時に購入するのがいいかもしれません。



収録編

マイク>オーディオインターフェイス>パソコンを繋いで、Logic Pro Xを起動します。

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空のプロジェクトを選択

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オーディションを選んで作成

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あとマイクの数だけトラックを準備して、ラジオを収録をレッツスタート!するだけです。


編集編

編集方法についてはわたしもまだまだ勉強中ですので、現時点での全力をご紹介させていただきます。

わたしたちは基本的に2人トークがメインなので、画面上段のようにオーディオ1・2と、2つの音声データが取り込まれています。同じ部屋に集まって収録していますので、基本的にマスターのみにエフェクトをかけていけばOKです(と先生に教えてもらいました)。もしリモート等で2人の収録環境が異なる場合はそれぞれトラックにエフェクトをかけるほうがいいみたいです。

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■EQ(イコライザー)

EQの役割は大きく分けて2つ。

1つ目が音質を変えること。これはある特定の音域を上げ下げすることで本来の声と違った明るい声や、電話のようなにこもった音を作りあげることできます。

DJの方がつまみをチュイーンとするあれですね。

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2つ目が整えること。ポッドキャストの音声編集というポイントでは、こちらの用途がメインになると思います。

操作方法は画面上部のミキサーボタンをクリック。

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EQディスプレイをクリック(Masterの下の青線のところ)。

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左下のAnalyzerボタンをクリックし、実際の音声を聴きながら余分な部分にフィルターをかけていきます。音声編集というポイントでいうなれば、ローパスフィルターをかけて不要な低音領域をカット。話し手の声質によってはキンキンするような少し不快な高音があるので、そういった音にたいしては個別で特定の周波数帯をカットしていきます。

緑の線にあたりを目指し、平に整地できるようにしていくこと心がけます。

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ちなみに自分で作り込んだ設定は別名で保存し、オリジナルのEQとして残すこと・読み込むことが可能です。なれてきたらパーソナリティAさん用のEQ、Bさん用のEQなどとそれぞれ作り込めればグッドです。

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■Voice De-noise

有償プラグインになってしまいますが、RX8のプラグインをいくつか追加していきます。Voice De-noiseではエアコンや冷蔵庫などのサーっという環境音を取り除くことができます。

収録時、無音の音声領域範囲を選んだあと[Learn]ボタンで学習させることでその収録環境に合わせたのフィルターをかけることができます。またAdaptive modeにチェックを入れれば、リアルタイムにノイズ除去処理をしてくれます。

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■Mouth De-Click

これぞ欲しかった!リップノイズ除去機能です!!設定は基本デフォルトでOKだと思いますが、Output clicks only にチェックを入れることでクチャペチャなど、カットする音声だけ聴くことができます。

はじめてこの機能をつかった瞬間は、こんなにもノイズがあるのかという驚きと、それをまるっと除去してくれるこいつに感激しました。あまり強くかけすぎると原型の声から離れたものになってしまいますのでほどほどに。

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■De-crackle / De-ess

こちらはマストではなく、必要があればくらいでつけてます。

De-crackle
レコードの音、乾いた口内の音、木管楽器のリードの音など、連続的にパチパチ鳴る音(Crackle)を減衰・除去

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De-ess
日本語の「サ行」、英語の「C」「F」「S」「Sh」「X」から発生する歯擦音を減衰・除去。わたしたちポッドキャストでは幸い「さしすせそ」音が硬いメンバーがないのであまり使うことがないです。

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2つの説明は、中のひと記事から転機させていただきました。他のエフェクトについてもNoteで解説してくれてます!


■コンプレッサー

コンプはボリューム全体を整えてくれます。少しわかりづらいですが、下の青い波形がコンプレッサー後の音声になります。全体的に音がバルクアップしているかと思います💪

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コンプレッサーの細かいパラメータ調整方法は正直まだわかってなく、、コンプがかかった際の針が揺れることが大きすぎず、小さすぎずくらいでなんとなくになってます。

うーん、このあたりは宿題です🙋🏻

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■Limitter

最後のエフェクトはリミッターです。

Gainで音圧をあげて、Out Ceilingで音がそれ以上いかないような天井をつくります。Reductionをみながら、いっても1〜3くらいに収まるように調整します。わたしは、当初音が小さいからって、無理矢理Gainをあげてましたがそうするとピークを放り切れて、音が割れたりしちゃいますので注意です。

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■エフェクトをかける順位

これも先生におしえていただきましたが、まずは音を整える(EQ、RX8、コンプ)。次にピッチ、リヴァーブ、EQで表情を変え最後にリミッターというエフェクトをかける順位についてもアドバイスいただきました(好みもあるので正解はないそうです)。

Logicでは上から順にエフェクトがかかっていくこと、不要なプラグインはミュートでなく削除することもポイントです。

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■そして音声編集

ここからは実際にお話を聞きながら、不要な無音や、「あー」「うーん」などのシンキングタイム、自主規制ワード削除していきます。削除したい箇所に印をつけて削除>間を繋ぐような操作になります。

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■味付けのBGM

好みによりますが、わたしたちのポッドキャストではBGMをつけてます。毎週1つNoteに音源をアップロードしてますので、よろしければ使ってください。

当初はBGM不要論者でしたが、どうしても素人しゃべりだとちょっとした間ができてしまい、、それらをごまかすためにもわたしたちのポッドキャストではマストにしています。


そして音声を書き出せば・・完成です🎉


■書き出した音声を直す

なのですが、、エフェクトを足していくと、音割れが発生してしまうことがあるんです🥺せっかく編集がんばったのに・・

ここからは時間との戦いにもなりますが、書き出した音声ファイルをRX8のスタンドアロン用アプリで開き、編集していきます。

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オレンジが声なんですって。なんか地層みたいで不思議。。ここからまた音声を聴いていって割れている箇所に対して[Spectral Repair]を適用します。正直ここまですれば100点なのでしょうが、、わたしはどうしても気になる箇所以外は行いません(面倒なので)。右上の[Repair Assistant]を使えば自動で処理してくれますが、、むしろ割れがひどくなったりまだまだ難しいみたいです。

あとそもそもの収録の音声で音割れがあると、なかなか取り除くことは難しいです。。

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予算

最後にざっとこれまで費やした予算感になります。

ハードウェア

オーディオインターフェイス:TASCAM SERIES 102i(¥30,000~)
マイク:SENNHEISER ( ゼンハイザー ) / E945(¥20,000~/1本)

ソフトウェア

Logic Pro X(¥24,000)
RX 8 iZotope(スタンダード¥46,090)


そして気になるお値段・・


¥120,090😱


これに人数分のマイクや、キャノンケーブルがあるともっとプラスされます。

ただはじめはスマホのレコーダーとかなんでもOKだとおもっていて、何よりもコンスタントに続けられることが一番大切かと!物足りなくなってきたら、少しずつバージョンアップされることがいいのかなとおもいます。


長くなってしまいましたが、これから音声編集を始めるかたのアドバイスになれば嬉しいです。わたし自身まだまだピントがあってないところも多々あるので、細かい調整はもっとできるようになりたいなとおもいます。


Podcast:)

【毎週月・金配信】2020年冬のよりスタートした埼玉県出身の30代仲良し4人組のポッドキャスト番組「おやじは銀行員.fm」です!トークテーマは「お仕事・SNS・結婚生活から〜面白かった漫画・映画・本の感想」などなどをゆるーくお話してます。 <ながら聴き>に最適なポッドキャストです;)チェンネル登録、番組へのお便りはメール、Twitterで #おじぎん でお願いいたします。

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