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優劣の在り方


 私の家にはテレビもなければスマホもない。日頃から情報には疎い生活を送っている。それ故か、人や物を見るときには主観に偏る見方をする。

 私は格別偏見などは持たないが、他の意見にあまり共感できないことも多々ある。異なる意見が出た場合、その発言をした人自体の程度に真っ先に着目する。

 その人がどう生きているか、それがレベルが低く感じることもあれば、満足度が不十分に見えることもある。ただそれは嫌いとか否定という感情ではない。決してネガティブな感情ではないのだ。最近になってこの感情に類似した物を感じた。

 私には今年3歳になる姪がいる。覚えたての流行りの童謡がお気に入りで、いつも大声で歌っている。彼女にとってはそれが好きなもので、彼女の世界にはそれが大きく映るのだろう。その先があるけれども、今はそれでいいと思う。いつの日かまたもっと大きくて新しい価値観が生まれるから。

 彼女に会うたびに、そんな様を見てはほっこりした気持ちになる。ただそれが成人した他人であれば、その人は私の記憶から消える対象となってしまう。


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