西海 松子

彫刻家|気付いたらアラサー|犬か猫なら犬が好き 「夕日の沈む海で、あなたの帰りをお待ち…

西海 松子

彫刻家|気付いたらアラサー|犬か猫なら犬が好き 「夕日の沈む海で、あなたの帰りをお待ちしています。」

最近の記事

  • 固定された記事

短編「振り向いた先は液晶画面」

もし、 あなたがこの景色の中に見えたら、 手を振っていいですか。 もし、 あなたが私に気づいたら、 微笑みかけていいですか。 もし、 あなたが消えそうだったら、 窓を閉めてもいいですか。 この反射した涙はきっと、 あなたの目に焼き付いてしまうから。

    • 優劣の在り方

       私の家にはテレビもなければスマホもない。日頃から情報には疎い生活を送っている。それ故か、人や物を見るときには主観に偏る見方をする。  私は格別偏見などは持たないが、他の意見にあまり共感できないことも多々ある。異なる意見が出た場合、その発言をした人自体の程度に真っ先に着目する。  その人がどう生きているか、それがレベルが低く感じることもあれば、満足度が不十分に見えることもある。ただそれは嫌いとか否定という感情ではない。決してネガティブな感情ではないのだ。最近になってこの感

      • 短編「その歪みを繋ぐもの」

        終わりは突然訪れた。 気づかぬうちにその時が来たんだろう。 積み重ねられた時は情に訴え、 蓄積された違和感は不信感と変わる。 それが矛盾という形になった時、ボクは考えるのをやめた。

        • 短編「頼らない」

          ディスプレイに頼らない。 心の描写は美しい。 マスメディアに頼らない。 経験した現実は偽らない。 電力供給に頼らない。 意志という動力は尽き果てない。

        • 固定された記事

        短編「振り向いた先は液晶画面」

          短編「オン・オフ」

          歴史を信じる。 社会を信じる。 知識を信じる。 オンラインで。 老人を疎む。 教師を疎む。 親を疎む。 オフラインで。

          短編「オン・オフ」

          短編「彩りの芽生え」

          「暖かいね。」 彼はそう囁く。 私の中に届いたその一言は、どこかもの悲しげに春の訪れを感じさせた。 昼に目が覚め、圏外と表示されたPHSを手に取る。 小高い丘の上の空気はどこか麓とは違う。 すりガラスの窓の外から射す青と黄金色の光は、一日の中盤を知らせる。 私は風。 彼と北に向かう。 なにも問いかけない。なにも考えない。 私が進んでいるのか、周りが去っているのかさえどうでもいい。 「まだ、寒いよ。」

          短編「彩りの芽生え」

          詩「忘却」

          育む時も散る時も、その様は胸を焦がし一瞬の忘却を惜しませる。 まだ見ぬ蛾の羽ばたきを探しにまた旅に出る。

          詩「忘却」

          詩「前を向いて」

          あなたはいつでも後ろを振り返らず、 真っ直ぐに前だけを向いて歩いていた。 横で私が泣いることに気づかずに。

          詩「前を向いて」

          短編「つくし世代」

          暖かい部屋から世界に配信できて、 送った想いが既読済みと確認できて、 気になる人の最終ログインを確かめて。 本当はみんな気づいてるんでしょ? 誰かに縛られたいって。

          短編「つくし世代」

          people are...

          People will forget what you did. But people will never forget how you made them feel.

          短編「既読解除」

          あなたが見えないと不安になる。 信じているけど、色々と疑ってしまう。 「考えすぎだよ」とあなたは言うでしょう。 でもね、心に従っているからこの感情に潰されそうなの。  

          短編「既読解除」

          詩「交差点」

          あなたと私は顔見知り。 連結はしないけど、 交わりはしている。

          詩「交差点」

          詩「悲しみの行き先」

          いつか止むだろうと、 あなたが見過ごした雨は 誰かの涙だったのかもしれない。

          詩「悲しみの行き先」

          詩「求めることの切なさ」

          求めれば求めるほどに嵌っていく。 それでも欲は増すばかり。

          詩「求めることの切なさ」

          短編 「圏外」

          君が私にとってのキーパーソンであったことに間違いはない。 その理由はわからないし、わかる必要もない。 君のことを考えていると、いつもではなく、たまになんだけど、ぐっと込み上げてくるとかそんなんじゃなくて、胸が締め付けられるような気持ちになって、その感情の表現方法がわからなくなって、気づいたら不意に何かカタチを作っている。 これが私の「アート」なんだと思う。 言葉では表せないけど、言葉で済ますことができたらどんなに楽なことだろうか。

          短編 「圏外」