オーマイコート？〜わたしが裁判員になっても〜 ①謎の封筒
1.謎の封筒
2020年11月中旬、実家でのんべんだらりと寛いでいるタイミングである封筒が届いた。
「〇〇(本名)！裁判所からなんか封筒が届いてるぞ！」
当たり前だが「裁判所」というワードが祖母の口から発せられることなど日常ではあるはずもなく、一瞬何を言っているのか理解できなかったがすぐに僕は察した。
「いよいよTwitter関係で民事訴訟で訴えられるのか…」
僕は大炎上することもなく、かつこれと言って大バズりすることもなく比較的穏やかに10年以上Twitterを利用し続けている。しかしアルビレックス新潟周りの話題だとわりと語気が強く汚い表現を使うことが多々あるのだ(一応反省してます)。民事訴訟されるに至る道筋が秒速で見えたというか、思い当たるような節は腐るほどあった。
(人のことを言えるような立場ではないけれど僕の知人や近いアイドルヲタク界隈で明らかに度を超えた誹謗中傷や個人情報のネットへの書き込みをしている人たちがいて、バカだな〜とは思うけれどそっちはそっちでちゃんと捕まったり訴えられないか心配です、知らんけど)
ネット掲示板での爆破予告などで逮捕された小物の犯罪者たちが口を揃えて言う「他の人がやってるから自分もやっていいと思った」だの「他の人はもっとエグいことをやっている」的な現実逃避をするようなフレーズが脳裏に溢れんばかり浮かびつつも覚悟を決めながら封筒を祖母から受け取った。
それがこれ
2.封筒の真実
要するに翌年の令和3年(2021年)の1年間、裁判員候補者名簿に僕の名前が記載されたという通知が届いたのであった。一応封筒の送り元として最高裁判所と記載されてはいるが中身を確認する限りおそらく新潟地方裁判所から送付されたものであった。ホッ。大学受験の浪人中に滑り止めの大学にちゃんと滑り止まったときぐらい安堵した。今思うとそっちに進学したほうが良かったと思ってしまうけれどそれは別のお話。
その安堵もつかの間、裁判員という制度についてニュースや新聞などの報道ではある程度見聞きしたことはあるものの、具体的な知識というものを持ち合わせていないこと気がついた。とても不安である。
おそらく僕みたいな人が多いのだろうか、封筒の中にはいろいろな印刷物が封入されていて、僕のような初心者にも比較的わかりやすく制度のあり方やこれから取るべき必要な手続きなどが記載されていた。特に『よくわかる！裁判員制度Q&A』は本当に裁判員制度についてよく理解できたのでオススメです(？)
大まかな流れで言うと
裁判員候補者名簿に名前が記載され通知される(今ここ)
↓
事件ごとに名簿の中からくじで候補者が選ばれる
↓
くじで選ばれた候補者に『呼出状』が送付されて70人ほど住んでいる地域の裁判所に呼ばれる
↓
その中からまたくじで選んで6名の裁判員に＋補充裁判員を決める
という流れらしい。大まかだからもっと具体的な手順はあるのだけれどそれについては今回の記事の最後の方に記載されている裁判員制度のホームページなどで確認していただきたい。選挙権のある20歳以上(当時、現在は18歳から)のうち13900人、0.01%の人間が選ばれるらしい。1年間で。今のアルビレックス新潟のホームゲームならビッグスワンに1人だけ裁判員が混ざり込んでいるような確率らしい。自分的には分かりやすいが他県民には伝わりにくい比喩を交えたところでそもそも裁判員に選ばれるのは確率的にもかなりの無理ゲーなんだなと思った。
そして今回の封筒は裁判員候補者名簿に掲載された旨を伝えるだけでなく、仕事や出産や学生や高齢者など様々な事情で裁判員に選出されても務めるのが難しい身分の方が辞退を申請するための調査票や返信用の封筒なども封入されていた。
僕はこういうイレギュラーなイベントが大好きな人間なので、もし選出された場合でもやる気に満ちていたので特に最高裁判所宛へ送付するものはなし。そして裁判員候補者名簿に自分の名前が記載されたことは原則として職場や家族以外の人間に公にすることはできなかった。まあ家族には初手でバレたので伝えましたが会社にも特に報告することはなくどうせ選ばれることもないんだろうなと思っていました。正直。
そんなこんなでコロナ禍が始まり社会が混乱へと一歩一歩進んでいった激動の2020年をわりと波乱に終えたのであった。
次回へ続く
参考文献
よくわかる！裁判員制度Q&A (最高裁判所)
裁判員裁判 ( https://www.saibanin.courts.go.jp/index.html )
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