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完全版 断食マニュアル

はじめに


以前から、自らの経験を活かし、断食マニュアルを作ろうと、思っていたのですが、なかなか重い腰が上がらず、延び延びになっていました。

昨年、治療家仲間で(現在、私の職業は整体師)断食をやってみよう、という話になりました。私以外は、みんな初めての断食でしたが、自宅断食をほとんどの仲間が成功。

こんな経験から、自宅断食はそれほど難しくない、という確信を得、ようやく断食マニュアルの作成に取り掛かることが出来ました。

また、現在、食糧危機や、大災害の危険性などが囁かれていますが、断食が、それらの備えになるのでは、そう思ったのも、断食マニュアルを、今、作ろうと思った理由の一つです。

本篇の断食は、酵素ジュースなどを用いる、ダイエット系の断食ではなく、ガチの断食です。

私が以前、勤めていた伊豆健康センター(現在、アイウエルネス伊豆高原)で3000人以上に、断食指導を行った経験と、20回以上の自身の断食経験を基に、自宅で安全に、断食を行う方法をお伝えしたいと思います。

断食は、本当に素晴らしい健康法です。

一般には、自宅での断食は、とても難しいと思われがちですが、それは、知らないから、難しく思えるのあって、断食をしっかり学べば、決して難しいものではありません。

断食の基礎知識、断食中の過ごし方、断食中に注意すべきこと、断食反応の対処方法、回復食マニュアルなど。

本書では、自宅で断食を成功させるために、必要なすべての情報をまとめて、あなたにお伝えします。

断食って何?

断食と聞いて、一番最初に連想するのは、ダイエットではないでしょうか?

でも、残念。
断食でダイエットでは、ありません。

確かに体重は減るけれど、半年もすれば、元に戻ってしまいます。

私が過去に10日断食を行った時の体重推移

1日目 74.3kg
2日目 73kg
3日目 72.4kg
4日目 71.3kg
5日目 70.4kg
6日目 69.8kg
7日目 69.4kg
8日目 69.3kg
9日目 69.2kg
10日目 68.3kg

この時は、この断食を行う半年前にも、8日断食をしていたので、あまり体重は落ちませんでした。

断食中の平均的な1日当たりの体重減少率

断食1日目~5日目 体重の1.5%~2%
断食6日目~9日目 体重の0.8%~0.9%
断食10日目以降 体重の0.5%

断食は、日数が進むにつれ、体重減少率も落ちていきます。これは、体が断食に対応して、エコ運転を始めるからです。

断食ではダイエットはできない!と聞くと、
多くの人は、「リバウンドするのね。」と思いますが、
それは、ちょっと違います。

断食後は、太りにくい体質になります。
でも、その効果は3カ月から半年しか持たないので、
ダイエットにはなりにくい。


では、ダイエットではない断食の魅力って何なのか?

その一つが、スローエイジング、つまり、健康寿命が長くなること、です。

全ての生物は、食べ物があるときに子孫を残し、食べ物がないときは、自らの命を延命します。

これは、生物の長い歴史に中で、何度も何度も飢餓を乗り越えてきた記憶が、遺伝子に刻み込まれていて、断食を行うことで、この遺伝子が発動されます。

これらの遺伝子は、長寿の遺伝子と呼ばれ、具体的には、体内に、強力な抗酸化作用を発生させ、老化を遅らせます。

下のサイトでは、カロリー制限で育てたサルの画像が見ることができます。

「カロリー制限」で寿命は延びるのか:最新研究から | WIRED.jp

※上のサイトの記事では、カロリー制限での長寿化に対して、否定的な論調で書かれていますが、否定するに値する実験は行なわれていない。

この画像を見ると、食事制限したサルの方が、かなり、若々しい。

実際、今まで20回以上断食を行ってきた私は、とても健康ですし、実際より若く見られます。



筆者54歳の写真

あと、もう一つ大きな断食の効果を上げるとすれば、強力なデトックス効果。

断食中のエネルギー源は、体内の脂肪と筋肉、臓器などです。もちろん、中性脂肪などもエネルギー源になります。

つまり、断食中は、体の余分なものが、次々とエネルギーに変わるため、結果的に、体の大掃除が行われるわけです。

なので、例えば、いつも健康診断で、血圧やコレステロール、血糖値でひっかかる人も、断食後に健康診断を行うと、それらの数値は、すべて標準値となります。

あと、デトックス効果で忘れてならないのが、体内の水の総入れ替えです。

断食中は、塩分を摂らないので、体内に水分が止まりにくく、飲んだ水は、比較的早く体外に、尿や汗として、排泄されます。

この時に、体に蓄積された有害物質が、水と一緒に排泄されるのです。

その詳しいメカニズムは、後ほど、お話したいと思います。

断食のやり方

断食のやり方は、とても簡単です。

何も食べない。

ただ、それだけです。

水は飲みます。その他一切、口にしません。サプリメントなども不要です。

なので、断食方法は、とてもシンプルで、水だけ飲んで、何も食べずに過ごす、これだけです。。

私が、お伝えする断食は、断食の後に、断食と同日数の回復食を行います。
例えば、3日間断食を行えば、3日間の回復食を行います。

断食中は、何も食べないので、消化器官は、休んでいます。そんな状態で、突然、食べ物が、体内に入ってくれば、時に拒絶反応を起こし、最悪の場合、腸閉塞で死に至ります。

死なないまでも、胃腸に大きな負担をかけ、胃腸障害や、せっかくの断食の効果も失う結果に。

これらを防ぐために、断食後は、重湯など、軽い食事を行い、体を徐々に慣らさなければなりません。

これを、回復食と呼びます。

断食の効果は、この回復食で決まる、と言っても過言ではなく、とても大切なものです。

何故なら、断食自体で失敗することは、まず、ないのですが、回復食でつまずいてしまうことが、多いのです。

ちなみに、人間は、水さえ飲んでいれば、3週間何も食べなくても、健康に何の問題もおこすことなく、過ごすことができます。

でも、水は、4日飲まなければ、健康に問題を引き起こしてしまいます。

断食中に注意すること

さて、ここからは、実際の断食方法と、断食をより安全に進めていく上で、注意しなければいけないことを、お話していきます。

まず、最初に申し上げなければ、ならないことは、この断食は、病気を治すすためのものではなく、今ある健康を増進するためのものです。

過去には、馬淵道夫医師や幸田光男医師など、断食療法で難病を治療した気骨あふれる医師がいたことは、事実です。

残念ながら、現在は、両氏のような医師は、私の知る限りでは、いません。

もちろん、私は医師ではありませんので、断食で病気を治す術を持っておらず、また、断食で病気を治した経験もありません。

なので、重い心臓病、重度の肝臓病、過去に脳梗塞を患った人、末期がんの方は、この断食を行うことができませんので、ご了承ください。

また、世間では、断食でアトピー性皮膚炎、うつ病、拒食症、過食症が改善するという話が流れていますが、私の知る限りでは、100%改善しません.。

年齢制限もあります。
18歳以下、70歳以上の方は、私がお伝えする断食を行うことができません。

成長期の断食は、体の機能が未発達になり、将来、病気になりやすい体質になるので、NGです。

70歳以上の方は、動脈硬化が進んでいる可能性があり、断食中は、血流が少なくなるので、血管が狭くなり、場合によっては、脳梗塞などを引き起こす可能性があります。

また、断食中のエネルギー源は、主に、脂肪が7割、筋肉などのたんぱく質が3割と言われていて、断食後に筋肉を回復させる必要があります。
70歳を超えている方は、筋肉の回復が難しい可能性が高く、体力の低下につながってしまうので、断食はできません。

断食は、あくまでも「今ある健康を増進させる。」ことを目的として、行います。

断食中の水の飲み方

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