「 ヒトの塩梅 」
世界は元来 無味無臭だ
味わいたくば
調理しなければ、と付いて回る
味の素は賛否両論
流行の味つけは
熱だ、コンテンツだ、人間だ
消費に飽食という
絵の具を
手にする前の、
(僕が思うに)
心躍らない世界とは
どんなだと思う?
どんな色だったと思う?
人の目はね
過去視と呼ばれるほど、
優れてはいなくて
未来を見据えるだけだから
歴史も
味ツケがなくちゃ
語ったりはしないんだ
人間の僕が
絵描きというのなら、
誰かの足あと追うばかりで
色の知らない、無垢な
画布に触れられない