「 静寂 」

目を、耳を澄ましてみる
色とりどりの小人の演奏会
時計が針を刻むように
気付いて、と
音を立て始めるのがわかった

いままで気にも留めなかった
彼らの息づかい
それはまるで
彼らには彼らの
定めた、
六十秒があるようにも思えて

時計を失ったら 僕らも
その日暮らしのばか騒ぎ、に
きっと 夢中で取り掛かれる
仲間はずれなんて、いない
一生を


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