■「珈琲豆」と「あずき」
はじめに
私は珈琲も日常的に淹れたり飲んだりする事が好きで、以前は生豆を焙煎したりと、こだわって淹れている時期もあった。今回はそんな「珈琲豆」と「あずき」を比べてみたい。「珈琲豆」も「あずき」も豆というくくりでは同じ仲間であるが、その栽培方法や食物としての加工方法は大きく異なる。
「珈琲豆」は火属性
勝手なイメージだが、珈琲豆は「火」のイメージを持っている。なぜなら珈琲豆は収穫されてからまず天日干しなどで乾燥させて生豆として保管される。それから更に焙煎という火を入れる過程で、200度近い高温の釜の中で水分を飛ばし、珈琲の味を作る。そして普段よく見る真っ黒な珈琲豆の状態となる。
また、栽培される地域もコーヒーベルトと呼ばれる、赤道付近の熱帯地方に属しているのも火のイメージかもしれない。
「あずき」は水属性
一方「あずき」は収穫された豆の状態のまま保管され、新豆なほど水分含有量が多い。少し寝かした方が使いやすいという意見もあるが、基本的には古くなり過ぎると、硬くなったり風味を落とす傾向にある。加工する時もまずは水に浸けてよく膨潤させて、さらにたっぷりの水で煮る。とにかく割らないように出来るだけ水分を含ませて柔らかく炊く事が大事になる。
結論
最初に熱をかけてカラカラにしてから水を注ぐのか、最初にたっぷりと水を含ませておいてから、最後に熱で水分を飛ばして仕上げるかの違いがある。どちらにしても火加減と水加減が大事だということには変わりないが、火と水の工程が逆なのが面白いと思う。そして、最終的には「珈琲豆」はお湯(または水)で抽出し、液体となり、「あずき」は生餡を砂糖と合わせて火にかける事であんこになる。