身体表現性障害という病になったはなし③

2011年夏頃から身体のさまざまな不調に悩まされてドクターショッピング→メンタルヘルス外来に行きつき、身体表現性障害という病名だとわかる。

病名がわかり8ヶ月休職し、
2013年冬に仕事復帰。

仕事復帰した初日、体の不調はあるがそれよりも久々の都内への通勤への不安などで頭がいっぱいだった。
出勤すると皆優しく、腫れ物に触るような気を遣わせてる部分もあったのかもしれないが、会う人皆が笑顔で声をかけてくれた。
忘れかけていた仕事も少しずつ流れを思い出してくる。
仕事は自体は大変だけどやりがいがあって熱中できて好きだ。

職場で同じ部署の数人意外、皆が私がメンタル系の病気であることを知っているのかはわからない。
体調を崩して休んでいたことは周知の事実なので、私がまた元気そうにしているのを見て、大丈夫?無理しないでと声をかけてくれた。
人数が多い職場なので、中には気付いたら退職していたりする人もいるのであまり気にせずに人に何を思われようと自分の体を大事にすることを心がけた。

辛くなったらやめる。
限界だなと思う前に辞めようと決めていた。

体調は良くはなっていないが、処方薬を飲み、先のことはあまり何も考えずに仕事をした。
仕事を終えると、プライベートはゆっくり過ごすことを念頭に生活した。
ほとんど休みの日は寝て過ごしていた。

症状はそれ以上悪化しなかったが、全快はしなかった。
しっかり薬を飲んでいるのに何故よくならないの?いつ治るの?私このままどうなるの?と将来を悲観することもあった。
全身がこる、鉛のように重く疲れる、胃腸の不快感やひどい耳鳴り、右足の力が入らない感覚は常にあったが、長いこと患っているので、だましだまし酷くならないように生活した。
喉の飲み込み辛い不快感だけはなくなっていた。

すでに身体表現性障害という病気になり、4年は経っていた。

私は仕事復帰をしてから2年後に退職した。

もう30歳も目前で、やるべきことはやったので一旦この仕事から卒業してゆっくり過ごすことにした。

それからは足早になるが、その翌年結婚をした。
夫は仕事はしないでゆっくり過ごしてみたら?というスタンスで、あまり深刻にならないでくれた。
それに救われたように思う。
そして夫の転勤と共に地方へ引っ越した。

今まで気づけば10年近く、毎日満員電車で1時間半程かけて都心で働いていたのでそれがなくなり心身ともにラクになった。

仕事を辞めて以降、急激に症状が改善していった。

引っ越しをして落ち着くと、毎日近所を散歩したり、スーパーで買い物をしたりして過ごした。
何者でもない、誰も自分のことを知らないというのは寂しいよりも気楽だった。

メンタルヘルス外来も近くの病院を探して引き続き通って薬も変わらず飲んでいた。

正社員ではなくパートで週4でコールセンターで働きはじめた。
合わなければ辞めればいい、体が疲れてしまったら辞めればいい。
無責任かもしれないが、そういうスタンスで働いた。
仕事は覚えることも多く大変だが、時間もお昼から夕方までで精神的にも体力的にも続けることができた。
なにより、転勤族なのでいつ引っ越しするかわからない、いつまでいれるかわからない、というのが気楽に思えた。

転勤族でこの辺の土地勘は全然ないと言うと、あそこのお店のパンは美味しいよ、あそこの観光地行ってみてね〜とあばちゃん達は声をかけてくれた。
合わない人もいたが、別にずっとこの土地にいないだろうし、と思えて良い面だけ見て働けた。

日に日に体調が良くなるのを体感した。
明らかに少しずつだが、体の不調のことを忘れて過ごす日も増えていた。

その後、医師と相談し、徐々に薬のサイズを小さくしていった。薬が少なくなることで不安な時はまた元のサイズに戻したものを処方してもらったり時間をかけて小さくしていった。
薬を飲まなくても辛い不調は感じないことが多くなった。
薬を飲み忘れてしまうほど、体の不調を忘れてしまうほど症状は出なくなった。
休みの日に観光地に遊びに行くことも楽しく過ごせるよう

こうして私は身体表現性障害という病気から一進一退だったが、薬をやめても不調が出てくることなく生活することが出来た。
体のあちこち不調が出始めてから治るまで5年以上はかかったと思う。

この病気になって以来、体の不調があちこちあり辛いのにあちこちの病院に行ったり、藁にもすがる思いで都内の有名な気功の先生に見てもらったり、漢方を飲んだりした。

それでも治らず体の不調にとらわれ、頭がおかしくなりそうだった。

毎晩髪をドライヤーで乾かす短い時間ですら立っていることが辛く、座って乾かすこともあった。
毎日の電車通勤すら踏ん張って立っているだけで息苦しく顔面蒼白だった。

どれも今思えば精神的なものだとわかるが、その時の私はわからなかった。

当時の私に今の自分がアドバイスするなら、

波長が合わない人が近くにいることもある。
そんなことどうして言うの?
なんてイライラするんだ!
失礼だな!信じられない!という人は必ず存在する。
関わらないようにしても知らないうちに影響を受けて疲れ果ててしまう前に辞めてしまおう。
自分の感情が負の感情でいっぱいにならないように。

人生は長いこと。
今こうして、病気から克服して薬を服用せずに妊娠、出産も無事できたこと。

メンタルに不調が出ても、大丈夫だよ。




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