ファシアとは(24)---経絡とファシアについての補足というか訂正---

過去のブログ「ファシアと鍼」(1)(2)(3)ではファシア界のスーパースターの一人Helene Langevin教授らの論文を紹介し、鍼灸師にとって”とても都合のいい”ファシアの情報を紹介しました。また過去のブログ「ファシアとは(8)」でも別の研究者の同様の内容の論文を紹介しました。詳しくは過去のブログを見てもらうとして、それらを簡単に説明すると

・「ファシアの重なり合う”面”が経絡の走行と似ている」

・「鍼を刺して運鍼するとその鍼がファシアを巻きつけファシアの
  ストレッチになる」

・「だから置鍼はファシアの長時間のストレッチになり、ファシアの
  リリースにもなり、抗炎症作用も発生する!」

でした。以上の事実を考慮すると、ファシアの性質、どの部位にファシアが存在するかを勉強することは、徒手療法家にとってとても重要なことのように思えます(思えました)。また経絡の走行がファシアの重なり合う面と似ているということは、経絡への鍼=ファシアへの鍼、ということにもなり、ファシアへの鍼の刺激が病気や痛みを治すのに有効!とも考えられます(考えられました)。

しかし私がよく参照するScience-based medicineというサイトの「鍼とファシアについての虚偽性」(リンク)というブログを参照し、私も大いにHelene Langevinらの論文に騙されていたということに気づきました。

今回は私がいかにHelene Langevinらの論文に騙されていたかをそのブログの内容から紹介し、過去のブログで経絡=ファシアへの鍼が有効、ということはウソだったと訂正と反省の意味で綴っていきます。またそれと関連して、最近私が鍼のエビデンスについて何人かの人とやり取りした内容を紹介していきます。

*たぶん、全ての鍼灸師はこのブログを読んで色々と考えたほうがいいと思います。

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