レッドフラグとクリニカルフラグ(治療家にとってまだ認識されていない重要なこと(フラグ)がある!)

治療家なら誰もが勉強しておくべき「レッドフラグ」。レッドフラグについては巷に今回のブログよりももっと詳しい本が多く売られているのは承知しています。しかしレッドフラグを含むクリニカルフラグに関してはこのブログでも扱うことの多かったBPSモデルとの関わりがあるということ、そして私が本来ならば今年中にまとめる予定であった「マッサージ基礎のキソ(仮題)」をまとめる上で必要であるので、あくまでも自分自身のためにまとめることにしました。そのプロジェクトとは

「徒手療法では機械を治すかのように患者さんの痛みや不快感や病気を”治す”ことができない。では我々徒手療法家ができることは何?そしてそれをする上で最低限の事(基礎のキソ)ができていない人たちがほとんど。だからその”基礎のキソ”をまとめることで参考になる人がいるであろう。」

というところがスタートポイントです。まああまり期待せずに(笑)。ブログ読者の多くはレッドフラグに関する本をすでに持っていたり、私よりももっと知識と経験がある人も多くいると思うので、今回は流してもらって大丈夫です。

私ももう治療家になって20年になるので、いくつかレッドフラグに遭遇しました。かといって私が「これはヤバい!○○だ!」と断定したわけではなく、「なんとなく怪しいなあ」と思って医師の診察を勧めたケースがばかりで、その中には悪性腫瘍(ガン)、脳梗塞、蓄膿の重症化で視神経が壊死する直前だった、骨折などがありました。思い出すのは私が遭遇したケースではないですが、5年ほど前に亡くなった俳優の阿藤快さん事。背中が痛いとのことで整体院に行き施術を受けたそうで、その翌日に自宅で亡くなっていたようです。死因は大動脈瘤破裂胸腔内出血だったそうですが、もし持病がなかったとしたら私も見逃していたと思います。そういう自分自身への反省もこめて今回まとめることにしました。

しかしながらあらかじめ書いておくとレッドフラグを確実に見極める方法はまだ確立されておりません。

There is no one diagnostic test or red flag that we can 100% rely on to help us. (Almond et al. 2009)

なので知識として頭につねにいれておくことと、治療家の直感にたよるところも大きいのかもしれません。

そしてこのクリニカルフラグに付け加えて今回「治療家のためのフラグ」も含めます。これはまだ日本人には馴染みのないことかもしれないので、理解しておくと役に立つかもです。

PS, このブログの最後の方に書いたことを有料ブログ読者以外の方々ともシェアしたくここで引用します。

レッドフラグに常に注意を払うことは改て認識すべきとして、イエロー、フルー、ブラックフラグについては「痛みについて勉強しなおす」シリーズや「プロセスアプローチ」などを参考にBPSモデルで治療に当たるといいと思います。また治療家のためのフラグについて追記すると、欧米で「massage」というと「happy ending」(手コキ)込みの場合が多く、客もそれを期待してマッサージ屋さんに入ってくることが少なからずあります。なのでロンドンでも最近まではマッサージ師募集!というと決まって女性のみでした(笑)。しかし近年では「massage」も多くの人が資格を取得し、”真面目な”マッサージ(その場合sports massage, aromatherapy massage, remedial massage, depp tissue massageなど◯◯マッサージと謳っています)をしている人たちも多く、上のような治療家のためのフラグの啓蒙も必要になってきました。

1、フラグの種類と歴史

まず始めに、フラグとは診断ではないことは前提として確認しておくべき。そしてフラグには以下の種類があるとされている。

名称未設定のノート (2)-50

★以上のフラグはいくつかが同時に起こっていることもある。

2,もしその徴候を観察してしまったら?

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