ファシアとその繋がり(8)---鼠径部〜仙腸関節〜骨盤底筋群あたりのつながり

引き続きJulan Baker氏のウェビナーからファシアの繋がりを紹介していきます。今回は鼠径部から仙腸関節、そして骨盤底筋群まわりの繋がりを紹介します。あくまでもファシアの繋がりだけです。ウェビナー中のJulianの施術や動きに関する考えは省略しています。また受講者との質疑応答も省略しています。興味のある方はぜひウェビナーを受講してみてください。(リンク)申し込むと過去のウェビナーに関してはYoutube上のリンクが送られてくると思うのでyoutube上で翻訳字幕を出せるはずです。これから先のウェビナーはライブウェビナーのリンクとその後youtubeのリンクが送られてきます。

今回このブログを作成している間まで自分でも「なんとなくとしかわかってなかった」のですが、体は「マジでファシアを通して」全身繋がっています。なぜ「なんとなくとしかわかってなかった」と書いたかというと、私の頭にはどうしてもアナトミートレインで示された「筋肉と筋肉が」ファシアを通して繋がっているところラインがあったり(もちろんそれはトムの仮想ラインであるとも認識していましたが)、昔トリガーポイントを勉強していた頃の愛読書だった「骨格筋の形と触察法」で紹介されていた「筋連結」がどうしても頭にコビリついていました。ところがJulianのウェビナーではそれだけでなく、筋肉と筋肉を完全に包んでいる膜と周りの膜との繋がりを見せてくれています。

また当たり前の話ですが、(もちろん)体が動く時は一つの筋肉だけが動くというわけではなく、例えば股関節内転の時、長・大内転筋だけが働くというわけではありません。今回の例からすると、長内転筋と薄筋が完全に一つの膜で包まれており、それが腹筋を覆う膜と繋がったり骨盤の中へ入っていったりと・・・。

今回改めてファシアの繋がりを整理していって思ったのが、やっぱり体は「人それぞれ」であること。その人(我々の場合、患者さん)が普段どのような動きをしているのか、どんな動きで痛くなったかをよく聞いて観察して、そしてBPSモデルの中でその患者さんの痛みにバイオメディカルな要素がどれだけあるのかを考えて施術にあたるのが重要だと。もしいつも「アナトミートレイン」や「腕の痛みは首の矯正」的な方程式に当てはめて患者さんを見ていれば見えない部分も多くでてくるのではないかと。

今回またファシアについての理解が深まったのはJulianのウェビナーで見させてもらった献体ご本人とそのご家族のおかげです。感謝するとともにそれから得た知識を広く患者さんに応用できるよう日々精進していきます。

まずは長内転筋が恥骨結合を超えて反対側の鼠径靭帯から腹部のファシアに繋がって行く様子を確認してください。アナトミートレインではどうなっていたでしょうか?Superficial front lineともDeep front lineとも違いますね(笑)。むしろ経絡の肝経と似ています(笑)。

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