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徒手療法家のためのファシア考察

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ファシアについて徒手療法家が知っておくべき情報を随時更新していきます。またファシアに限らず徒手療法に関する事柄も随時追加していきます。
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#アナトミートレイン

痛みについて勉強しなおす(6)---筋肉について知っておくべきこと---

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痛みについて勉強しなおす(5)---椎間板 (disk) 改め「ラフト(LAFTs)」---

前回の更新からだいぶ日が空いてしまいましたが、引き続きDavid ButlerとLorimer Moselyの共著「Explain pain」からの自分用のノートというか、まとめです。今回は椎間板(disk)についてです。 腰椎椎間板ヘルニアと腰痛とは因果関係がないということはこのブログの読者はほとんど知っていると思いますが、もっと詳しく椎間板(disk)をみていくことになります。(注:最初の公開時に書いたこの部分はあえてのこしておきます) DavidとLorimerは著

痛みについて勉強しなおす(4)---番外編---

近々紹介しようと思っていたDr. Tasha Stantonの痛みについてのトークの中から、私がちょっとひらめきをもらった部分のみを先に紹介します。というのは、もし私の考察が正しいのであれば、私がずっと不思議に思っていたことの証明になるからです。 その不思議に思っていたこととは、例えば、臀部あたりに違和感や痛みがあるとします。そこを手のひらで大きく、あるいは肘(正しくは前腕尺側全体部)でマッサージするのと、母指で「ピンポイント」でクライアントが「そこ!そこ!」と感じるように

痛みについて勉強しなおす(3)---「硬い=硬い」???

過去のブログ「プロセスアプローチ」などでも紹介してきた事実「人がある部位を硬いと感じている時に、その部位で必ずしも組織の収縮が起こっているわけではない」ということを証明した論文を紹介します。その事実を真摯に受け止められる方なら、「治療者が硬いからほぐそうとすること」「患者が硬いという場所を重点的にほぐそう」「硬い時(凝っている時)はストレッチをしようというアドバイス」、「硬いのは深部の筋肉が凝っているからだから、深部にアプローチしなければ治らない」などがすべて疑わしいというこ

ファシアとその繋がり(4)---脳脊髄液と体の繋がり---

このブログは2015年の夏頃、「インテグラル・アナトミー」シリーズの字幕を編集していた時に作成しました。その作業中、新たな発見があったり、人体の神秘に感動したりして、楽しみながらやっていたのを思い出します。今回はこのVol 3の編集中に「なるほど!」と思う箇所があり、改めてGil先生に質問し確認した箇所を皆さんと共有したいと思います。(今回、なぜかブログ編集中に以下の写真が小さく出てしまっているため、詳しくは「インテグラルアナトミー Vol3 Part 2」を参照しながら、読

ファシアとその繋がり(3)---ITB 腸脛靭帯とHTL!---

今回は、ITB(腸脛靭帯)を紹介します。今回のブログは私の解剖実習の先生でもあり、よき友でもあるJulian Baker氏の記事(←もうネット上では削除されてしまったようです)とJulianの素晴らしい著作 [Bowen unravelled] Lotus publishingを参照に書いています。 以前も紹介したこの[Bowen unravelled]は是非日本語訳してほしい本の一つです。(私が出版社に問合せたところ、ある特定の翻訳者しか翻訳させない、とのことで断られま

ファシアとその繋がり(2)---TLF 胸腰筋膜---

今回のテーマはthoracolumber fascia 胸腰筋膜です。あくまでも私の経験ですが、日本で10年以上前に、とある筋肉を対象とした治療の勉強会に参加していた時に筋肉の触察を学びました。しかし私の記憶の限りでは胸腰筋膜について詳しく勉強したことはありませんでした。むしろ胸腰筋膜の下層、つまり多裂筋や脊柱起立筋の特徴や触察を学びました。果たして胸腰筋膜は治療の際に無視していいのでしょうか?それともその下層の多裂筋や脊柱起立筋をマッサージすれば、上層にある胸腰筋膜も治療し

ファシアとその繋がり(1)---Anatomy trainsのラインって本当?---

今回のシリーズはファシアを介した筋肉のつながりを紹介していきます。有名なのは、「アナトミートレインズ」のチャートですが、以前のブログでも書いたように、そのチャートはあくまでも「ファシアを介して筋肉と筋肉、筋肉と骨、あるいは筋肉と内臓などが繋がっているというTom Myers氏のひとつのアイデア」を示したものだと心に留めておいたほうがいいと思います。実際に解剖をしてみると、アナトミートレインズのチャートのようにはつながらない箇所が複数あります。 今回のブログはBowen te