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地域支援型農業をやってみて


地域支援型農業(CSA)

 私たち家族で経営する農園は、農業の手法の1つ『CSA』で成り立っています。いまいちわからない方は、以下の引用をご一読ください。

CSAは、農家と消費者が連携し、前払いによる農産物の契約を通 じて相互に支え合う仕組みです。CSAはアメリカで 1980 年代に最初 に始まったとされ、現在では欧米を中心に世界的な拡がりをみせてい ます。CSAは農作業や出荷作業などの農場運営に消費者が参加する 特徴をもち、農家と消費者が経営リスクを共有し、信頼に基づく対等 な関係によって成立します。CSAはコミュニティ形成や有機農業の 振興など、地域への多様な効果をもたらす新たな農業モデルとして注 目されます。

CSA(地域支援型農業)導入の手引き 著:農研機構

 私たちとしては、みんなでつくる農園として説明するようにしています。
積極的に農園に足を運んで、楽しさを体感してほしいからです。

理想と現実は違う

 しかし、CSAの理念通り行動をしようとすると、現在の日本では弊害が多くあります。
 まず、そもそもCSAを知らないこと。しょうがないです。私たちに出会って、初めて知りましたという人がほとんどです。消費者が農家を手伝うことがNGだと思う方もいらっしゃいます。ここの壁が大きいです。
 次に、前払い方式利用者が少ないことです。社会では、富の世代間格差があります。私たちの親世代が求める生活水準にするには、どうしても難しいことがあります。20~40代は月収の微増や横ばいに対して、物価や光熱費の急上昇で、まとまった出費を避ける傾向にあるからです。
(詳しく知りたい方は、30年前くらいの平均年収と現在の平均年収を調べてみてください。)
 また、スーパーの野菜で十分であった人を見抜けない部分もあります。これは以下の内容とも重複しますが、野菜は「買うもの」といった認識が抜けていない人を知るには、少し時間がかかります。そのため、規約違反で辞める人も少なくありません。
 一番のギャップが、イベントとして開催をしないと農園へ足を運ばないことです。これはショックでした。自分が「買う側」であったら、絶対農場のお手伝いをしたいと思うので当然と思っていたのですが、現実はそうはいきませんでした。やっぱり、農業=3K的な思考ってまだあるんでしょうか。

急激な変化はさせないこと

 残念なことをたくさん並べてしまいました…。が、しかし!!!現状は、開始当初より格段に良くなっています!
 今年から前払い方式を取り入れていることを規約に記載しました。すると、どうでしょう!新規会員さんの80%は前払い方式を取り入れてくださりました。また、既存会員さんも数組前払い方式を採用いただいております。
 農園へ来る人も、毎月増えています。毎週金曜日にお手伝いにきてくださる人、それからCSA会員ではないが毎月くる大学生。CSAについて論文を書いている大学生まで!
 金曜日のお手伝いチームは、自転車で農場までいらっしゃいます。アクティブです。おしゃべりしながらの作業は、私たちのリフレッシュにもなります。また、なぜこういった作業をするのかを問われたりするので、初心に帰って説明する機会が与えられるのもメリットです。
 大豆や放牧養豚も前払い方式で運営されるようになりました。また、こちらに長年携わって下さる方が、CSA野菜会員になることも増えました。
 このように、CSAを押し付ける必要はありません。絶対CSAの理念通りに動くんだ!と行動してしまうと、みんなが去ってしまいます。急激な変化はリスクを伴うので、少しずつ変化をさせていくことを目標とてください。そうすれば、おのずとmy CSAが出来上がっていると思います。

みんなで麦わらマルチ敷き

みんなで育てる農園へ

 これまでCSAで経験したことを述べましたが、正直CSAという言葉は後付けといって良いです。「私たちの農園のやり方を、一言で言えるものないかな?」と探していたときに見つけただけですから。(笑)
 私たちは、みんなで作ってみんなで楽しめる農園を目指しています。1人でやるより、みんなでやったほうが楽しいことも共有できます。まだ足を運んだことのない方は、お早めに「ゆーちゃんふぁー民」になってみてはいかがでしょうか。


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