見出し画像

自分を整える24時間の過ごし方

今回は、時間も個々の体質に影響を与える、ということをお伝えしたいと思います。

アーユルヴェーダのドーシャ(ヴァータ、ピッタ、カファ)と体質の関係についてご存知ない方は、先に「自分の体質を知るには」という記事をお読みいただけますと、ご理解いただきやすいかと思います。URLは下記↓
https://note.com/farm2table/n/n75729ecf336f

時間によるエネルギーの変化には法則性があります。その法則とエネルギーの性質を意識した生活を送ることで、 より自然と調和した1日が送れると考えられています。

AM/PM 6:00-10:00 「カファ(水、地)」
AM/PM 10:00-2:00 「ピッタ(火、水)」
AM/PM 2:00-6:00   「ヴァータ(風、空)」

4時間ごとのサイクルで、それぞれのエネルギーが増加しやすい時間となります。例えば、ヴァータの時間帯は乾燥性や冷性が高まりますから、それを鎮静させるように、温かく油分と水分を含んだ食事やライフスタイルが推奨されます。

補足: 各ドーシャと性質
「ヴァータ(風、空)」:軽、動、速、冷、乾燥性
「ピッタ(火、水)」:熱、鋭、軽、液、微油性
「カファ(水、地)」:重、油、遅、冷、安定性

朝の過ごし方

朝は、am6時までがヴァータ、その後am10時までがカファの時間となります。アーユルヴェーダでは、日出前96分〜日の出までの間(冬は6時前後、夏は5時半前後)はブラフマームフルタと呼ばれる特別な時間帯で、神が宿る時間とされています。この時間までに起床して、朝日を浴び、内省の時間をとることが推奨されます。実際のところ、カファの時間になってから起きるよりも、ヴァータの時間に起きた方がすっきりする方が多いと思います。また、ヴァータもカファも下向き↓のエネルギーですので、排出・排泄に適した時間となります。排尿、排便、経血の排泄、歯磨き、舌磨き、鼻うがいなどを行い、10時までに浄化を済ませます。排泄することと観察することはセットで、とても大切です。例えば、尿が濃いときは少し多めに水分を取ることが大切ですし、便の状態によって体調の乱れを把握することができます。食事の前に、空腹の状態でまずは常温水を飲み、その後白湯を飲むのがおすすめです。

ヴァータもカファも消化力がそれほど高くないので、朝食は本来それほどたくさん食べることができない、といわれます。英語で、Break +fast(断食)=断食明けともいいますので、朝は胃腸に優しい食事が基本となります。

<各体質と適した朝食>
Vata:温かく滋養のあるものが良い。冷性、乾燥性、軽性の食べ物はNG
Pitta:牛乳やギーなど冷性の食べもの(牛乳やギーは冷性の性質を持っていますが、冷たいまま摂取するよりは、温めた方が消化に良い) 
Kapha:お腹が空いていなければ食べなくても良い。または温かいお粥や、ハーブティにはちみつを溶かして飲むのも良い。

朝の時間帯は、カファの影響を受けて、体が重く、緩慢で、気分も憂鬱になるかもしれません。この時間は、慌てないこと、少しゆっくり過ごしてみることも大切だと思います。瞑想やヨガ、勉強などをして、自分と向き合う時間に当てるのも良いと思います。

昼の過ごし方

10時から14時にかけては、ピッタの時間となります。ピッタは「消化・代謝」のエネルギーですので、消化力が一番強くなる時間帯です。季節の食材を取り入れながら、一日のメインとなる十分な量のバランスのとれた食事を摂りましょう。また、この時間帯は仕事や勉強をするのに最適とされます。さらに夕食前にヨガや瞑想をするのも良いでしょう。

<各体質と適した朝食>
Vata:油分と水分を適度に含んだ食事。甘み(=滋養)を含んだ食事。
※ここでいう甘みは、精製された砂糖ではなく、お芋や栗などに含まれる自然の甘みを意味します。Vataの人から甘みが欠如すると、錯乱を招くなど、バランスを崩す要因となります。
Pitta:元々消化力が高いので、しっかり食べても良いですが、辛味、酸味、塩味の刺激が強すぎたり、熱を高めすぎたりするものは避けます。
※Pitta体質の人は、肉や辛いものを好む傾向ですが、摂りすぎると体臭や口臭が気になってくる可能性があります。
Kapha:温かい⾷事をメインに、軽めの野菜などを調理して摂取する。苦味・渋味・⾟味(スパイス)は◯。

間食

長時間(7〜8時間)の空腹はおすすめできないので、食後3〜4時間たっていれば、1時間で消化できるようなおやつを、15時から17時くらいに食べると良いです。この時間はヴァータを鎮静する⽢(塩・酸)味のあるものが適しています。例えば、季節の熟した果物、フレッシュジュース、ホットミルク、デーツ、芋、栗など果物は単独で食べると30分ほどで消化することができます。食後に食べるケースの多い果物ですが、他の食べ物と食べると消化に時間がかかってしまいますので、単独で食べるのがおすすめです。

夜の過ごし方

休息へ向かう時間帯です。18時まではヴァータ、それ以降はカファとなりますが、カファは最も消化力が弱いですので、早めに軽い夕食を摂ります(睡眠の3、4時間前までに)。21:00以降は活動量をゆるやかにして、22時までに就寝したいところです。22時以降はピッタとなりますので、遅くまで起きているとお腹がすいて、余計なものを食べてしまうことがあります。消化にはエネルギーが必要ですので、寝ても疲れがとれない、必要な代謝が行われないといった不調を引き起こします。

その他、季節と年齢に応じた過ごし方

季節においては、春はカファ、夏はピッタ、晩秋から冬はヴァータが増えやすくなります。

人生においては、30歳までの若年期はカファ、30歳から60歳の成壮年期にはピッタ、60歳以上の老年期にはヴァータが増えやすくなります。

体質に加えて、日々のライフスタイル、時間、季節、年齢、、、さまざまなエネルギーの影響を受けて、私たちの体質は本来の状態から常に揺れ動いています。

なんだか、複雑、、、と思われるかもしれませんが、そう、複雑なのが自然、といえるかもしれません。人間を含む自然は、単純に0か100か、白か黒でジャッジできないことの方が多いのです。アーユルヴェーダは揺れ動くことを許容しながら、広い視野(ホリスティックな視点)で観察していきます

ちなみに、西洋医学は、病名をつけることにより、多様な人を区分けして効率的に治療を行いますが、区分けができない不調や未病も多く存在するのが現実だと思います。身体を持って生きている限り、揺れ動く体調を当たり前のものとして受容することがまずは大切であるように思います。

日々、体調を観察しながら、不調が現れた時は、自分が元々もっている体質、時間、季節、年齢が持つ性質をヒントに、不調をケアしていけば、本来の自分のベストな状態にいつでも戻していくことができます。「相反するものが調和をもたらす」という法則を利用して、増悪している性質の反対のものを与えることを習慣づけるだけで、自分の取り扱い方が格段に上達します。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?