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ただ母の趣味に付き合わせてしまっただけだけれど

我が家の次男三男が通う音楽教室が、野外フェスを開催した。

「ちがいを知って惹かれ合う」をコンセプトに、
障害、国籍、ジャンル、年代、プロアマなどの有無問わず、同じ時間に多種多様な人達が集まって行われた唯一無二な音楽祭だ。

動機は…

まず、この音楽教室に通うきっかけとなったのは、ある記事だった。

それは、リコーダーが苦手な子のためのあるサポートグッズのことについて述べられたもの。

その当時、長男が小学校でリコーダーを習い始めたぐらいの時期。
なかなかリコーダーを上手く吹けないでいた長男。

なんとか、サポートできないかとネット検索してしていたところ、
苦手な子供も楽しく吹けるリコーダー指導というテーマを、ある教育雑誌に掲載した先生のブログに行き当たった。
それが音楽教室の代表のブログだった。

早速その雑誌を購入し、紹介されていたのはふえピタというシール。
ふむふむ、なるほどと、すぐネット注文した。

滑りにくい素材で出来ていて、リコーダーの穴の部分に貼るようになっていて、
弱い力でも笛の穴を塞ぎやすくして音漏れを防げるようになっている優れもの。

取り入れてすぐ、コロナ騒動になったので
学校ではリコーダーを吹く機会が減ってしまい、効果のほどは結局わからなかったが、
ほんの些細なことで、問題を解決できる方法を知っている方がいるということは、
発達に特性のある子を持つ親にとっては、一筋の光のように感じた。

ぜひ、我が家の子供達をこの音楽教室に通わせたい!
ただ、元々のきっかけとなった長男には既に運動療育やら、色々試しているが、
次男、三男に関しては年齢が低いこともあり、お稽古ごとのようなものは何もさせていない。

まだその当時は、次男三男はおそらく発達はゆっくりであろうなとは思っていたがしっかり検査を受けてはいなかった。

だから、次男三男にまずは通わせてみようと思ったのがきっかけだ。

ただ、ドラムがかっこよすぎて

この音楽教室の特徴として、障がいを持った子に対して専門的な知識を持った先生がいることももちろんだが、
私が感じたのはドラムが習えること。
私自身も昔、ピアノを習っていたこともあり、ほんの趣味程度で電子ピアノを持っている。

だけど、ドラムは未知だった。ドラムが家庭にある家って、そうそうないのでは?
なんなら、ちょっと叩けたらカッコいいぐらい憧れの楽器と感じていたのだ。

全く音楽が好きとか、そんな素振りなんてない次男三男だけど、なんかドラムを、というか、
音楽に携わってほしいと思った。
めちゃくちゃ私の動機のみで、この音楽教室の門を叩いたのであった。

2年ほど続けて

そんなこんなで、この音楽教室に通って2年ほど経つ。
多分一般の音楽教室に通っていたとして、私が上手くこの子たちの特性を説明でき、なおかつ理解がある先生に巡り合えていたら、同じような道のりを辿っているのだろうと思うのだけど、次男三男は、すごくこの音楽教室に通うことを楽しみにしていて吸収力も素晴らしい。

音楽と触れ合うことが、彼らにとったらもはや日常になっている。

そして迎えた音楽フェス。

三男は、ちょっとまだ人前で披露するという点では少し躊躇すると思ったので、今回は次男のみ参加。
担当楽器は、ドラムとトーンチャイム。

プロの方と混じっての音楽フェス

まず、このフェスに参加しようと決めたのは私の独断だ。
だって、絶対良い経験できると思ったから。
次男に参加しないか持ちかけると、あまり、よくわかっていなかったのか素直に「いいよ」という返事。

いつもは個人レッスンだけど、9名の子供達によるグループレッスン。
いつもと環境も違うのに、初回からどの子も尻込みすることなく初ライブに向けて挑戦してきた過程がある。

我が家の次男も含め、みんな頑張って合計3曲も覚えて挑んだ当日。

もう、言葉にならないぐらい、私は胸がいっぱいになった。
例え、ゆっくりでも、大多数とは違う少数派としても、たくさんの人たちを音楽を通して魅了する力がそこには確実にあった。

その手応えは、子供達が1番感じているのではないだろうか。

プロのドラマーになりたい

本番当日から日が過ぎるごとに、だんだん実感が湧いてきている次男。

「ぼく、すごかったでしょ?」
「あの子のパートはむずかしいそうだったな。」
「〇〇先生みたいなプロのドラマーになりたい!」

自分への賞賛や、他を見ての感想や、今後の夢とか、こちらから聞かなくても伝えてくるのだ。
きっとこれが次男にとっての「自信」

はじまりは、私の趣味に付き合わせてしまった
形だったけど、かけがえのないステージに立たせていただけことは、本当に私達親子共々プライスレスな経験になった。

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