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読売文学賞 2021年度

読売文学賞、2021年受賞の書籍、並べました。

読売文学賞は、小説、戯曲・シナリオ、評論・伝記、詩歌俳句、研究・翻訳、随筆・紀行の全6部門で前年の最も優れた作品を選んでおり、国内唯一の総合文学賞です。


小説賞

受賞 川本 直 『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』

ジュリアン・バトラー。
トルーマン・カポーティ、ゴア・ヴィダル、ノーマン・メイラーと並び称されたアメリカを代表する小説家。バトラーの生涯は長きにわたって夥しい伝説的なゴシップの靄に包まれていた。しかし、2017 年、覆面作家アンソニー・アンダーソンによる回想録『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』が刊行され、遂にその実像が明らかになる――。
今、もうひとつの20世紀アメリカ文学史が幕を開ける。



随筆・紀行賞

受賞 小澤 實 『芭蕉の風景』(上)(下)

故郷・伊賀上野から出た芭蕉は江戸で自らの俳諧を確立。そして「野ざらし紀行」「笈の小文」「更科紀行」の旅へ。23歳から45歳までの芭蕉の吟行をなぞり、芭蕉と同じ土地で句を詠み続けた俳人・小澤實のライフワーク『芭蕉の風景』。句集未収録の約200句を収録。



受賞 平松洋子 『父のビスコ』

三世代の記憶を紡ぐ初の自伝的エッセイ集。

『本の窓』人気連載を元に、昭和、平成、令和にまたがる三世代の記憶を紡いだ、著者初めての自伝的エッセイ集。



評論・伝記賞

受賞 山本一生 『百間、まだ死なざるや 内田百間伝』

「風といふより、音ぢやないですか」――没後50年を迎えた内田百間の残した作品と戦前・戦後の膨大な日記を、稀代の日記読みが丹念に読み込む初の評伝。「恋文」「恋日記」の時代から結婚、そして別居、学生たちとの深い交流、高利貸しとの付き合い、飛行機と船と汽車、名作誕生の経緯など、周辺の事実と照合しながら、その「わがまま」な人生を再構築する。なお、「百間」の号は出身地・岡山の百間川に由来し、当人も戦中のある時期までは「百間」を使っていたので、本書では「百間」で統一する。



詩歌俳句賞

受賞 須永紀子 詩集『時の錘り。』

けれど明日 レビヤタンに追われたきみは 鳥を友に、ボートに揺られて 向こう岸へ行くこともできる (「きみの島に川が流れ」) 鳥に導かれて、もうひとつの世界を生きる。記憶は時の錘りとなり、私たちを光のあるほうへ誘う。『森の明るみ』から7年ぶりの新詩集。



研究・翻訳賞

受賞 くぼたのぞみ 『J・M・クッツェーと真実』

1940年、南アフリカのケープタウンでオランダ系植民者の末裔として生を受けたクッツェーは、故郷を出て、生まれ育った土地の歴史について外部から批判する視点を養い、自らを徹底検証し、植民地主義を発展させた西欧の近代思想を根底から問い直す試みを、創作を通して行ってきた。著者は、作品を取り巻く社会的・歴史的背景、作家の動機と心情、その変遷に深い針を入れるように調べていく。自伝的三部作を翻訳するためにケープタウンを訪れ、少年時代を過ごした家や風景を見て歩き、フィクションと自伝の境界を無化しようとする作品の、奥深くに埋めこまれた「真実」を解き明かしていく過程はスリリングだ。
作家が来日した時の様子や、アデレード大学で開かれたシンポジウムに招待され、作家の自宅でゲストたちと食事を共にした時のエピソード、言語と出版についての作家のラディカルな活動、翻訳作業の過程のやりとりから伝わってくる作家の素顔も貴重な証言となっている。




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