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読売文学賞 2022年度

読売文学賞、2022年受賞の書籍、並べました。

読売文学賞は、小説、戯曲・シナリオ、評論・伝記、詩歌俳句、研究・翻訳、随筆・紀行の全6部門で前年の最も優れた作品を選んでおり、国内唯一の総合文学賞です。


小説賞

受賞 佐藤亜紀 『喜べ、幸いなる魂よ』

18世紀ベルギー、フランドル地方の小都市シント・ヨリス。ヤネケとヤンは亜麻を扱う商家で一緒に育てられた。ヤネケはヤンの子を産み落とすと、生涯単身を選んだ半聖半俗の女たちが住まう「ベギン会」に移り住む。彼女は数学、経済学、生物学など独自の研究に取り組み、ヤンの名で著作を発表し始める。ヤンはヤネケと家庭を築くことを願い続けるが、自立して暮らす彼女には手が届かない。やがてこの小都市にもフランス革命の余波が及ぼうとしていた――。女性であることの不自由をものともせず生きるヤネケと、変わりゆく時代を懸命に泳ぎ渡ろうとするヤン、ふたりの大きな愛の物語。



随筆・紀行賞

受賞 沢木耕太郎 『天路の旅人』

第二次大戦末期、敵国の中国大陸の奥深くまで「密偵」として潜入した若者・西川一三。
敗戦後もラマ僧に扮したまま、幾度も死線をさまよいながらも、未知なる世界への歩みを止められなかった。
その果てしない旅と人生を、彼の著作と一年間の徹底的なインタビューをもとに描き出す。



評論・伝記賞

受賞 尾崎真理子 『大江健三郎の「義」』

謎だらけのポストモダン小説の先駆『同時代ゲーム』はなぜ書かれたのか。自伝的要素の強い『懐かしい年への手紙』に登場するギー兄さん、『燃えあがる緑の木』の新しいギー兄さんは、なぜ「ギー」なのか。大江健三郎の全小説を精読し、柳田国男の影響を確信した著者は、大江と柳田の深い関係を探っていく。しかし、大江の謎は柳田のみならず、『万延元年のフットボール』と島崎藤村『夜明け前』との類似点へと行き着き、いつしか不思議な親和性を持つ文学者のつながりは平田篤胤へと辿りつく。これまで海外文学の影響下において読み解かれてきた大江健三郎文学に、深く根を下ろした日本文学の伝統とは一体何か。大江研究の第一人者が読み解く、知的好奇心に満ちた快著!



詩歌俳句賞

受賞 藤井貞和 詩集『よく聞きなさい、すぐにここを出るのです。』

切りひらく叙事うた 汚れた言葉を遠慮せよ、 だれもが父に言いました。 怒りで汚れたこころを、 ぼくはうたいますか。 (「汚職」) 「神話に近づけたり、語り手を設定したりして、現代が仕掛けてくるむずかしい問題に向けて、何とか私なりに答えを出そうと、右往左往している自分が棲んでいるように見える」(「あとがきに代え」)。うたと物語のやわらかな触手を自在にのばし、現代の難問に日本語の瀬戸際で応答を試みる。



研究・翻訳賞

受賞 鷲見洋一 『編集者ディドロ 仲間と歩く『百科全書』の森』

フランス啓蒙思想の金字塔『百科全書』。壮大なプロジェクトの全貌を編集長・ディドロを通して、精緻かつ自在な分析で描き出す。





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