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[読書] リトル・シスター レイモンド チャンドラー
村上春樹翻訳のチャンドラー。何度か図書館で借りたものの、読了することができなかった。
図書館で借りる本は、読み方が雑になってしまうような気がする。ただで借りられる、と思い、安易にに大量に借りてしまい、結局時間切れで読まずに返却する、ということを繰り返している。
自分の中に、いつも何かしら、時間に追われている感覚があり、時間を有効に使いたいという思いと、同時に、新しい本、話題の本を読まないといけない、というような焦燥感もあるような気がする。図書館で借りた本は斜め読みして読み流してしまう。中には、じっくり読んで味わうべき本を図書館で借りてしまい、味わう時間を持てずに返却する、ということになる本が出てきてしまう。
チャンドラーは、私にとって、そういう「興味はあるが、読み切れない本」という種類に属しているのである。
元々、ミステリーに関しては、所謂「本格」もの、と言われるクイーン、クリスティーから入った(最初はもちろんホームズ)ので、プロットよりも、探偵の生き方で読ませる(と勝手に思っていた)ハードボイルドというジャンルへの食わず嫌いもあった。
ハードボイルドというジャンルの中では、プロットが複雑で、サプライズに満ちているロス・マクドナルド(特に中期の作品)の方を最初に読んでしまったため、チャンドラーにまで届かなかった、ということもあるかも知れない。加えて、最近は本以外にも読まないといけないもの(ネット等)もあるので、読む時はそれなりに厳選したくなってしまう。
時間がなくなる中、活躍するのがaudible。最近ようやく出社の頻度が上がっているので、通勤時間の有効活用に役立っている。今は月額一定で、「聴き放題」というのもいい。
今回、リトル・シスターも、audibleの聴き放題に入ってきたのでようやく聴き終えることができたのである。
面白い。というのが第一印象。皮肉なセリフが多いし、それがとアクセントになっているのは間違いない。楽しい。気楽ではないのだろうが、こんな風に生きる、というのも良さそうだな、と思わせるところがある。
基本的に、ロス・マクドナルドも人探しを頼まれることからストーリーが始まるのだが、そういうハードボイルドの原型は、(当然だろうが)ここにあるのだ、と感じる。
小間切れで聴くと、ストーリーが追いきれないところはあるのだが、それでも楽しいのだから、プロットだけが小説ではない、ということなのだろう。
改めて、他の作品も、また、久しぶりにロス・マクドナルドも読んでみたくなった。
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