金融環境の変化によって、日本でも新しい投資先が増えている
日本では、しばしば「新しい産業が育たない」
「ユニコーン(ベンチャー企業)が少ない」
などと言われています。
その一因とされているのが、
戦後日本では、主に間接金融方式による
資金調達が行われてきたことです。
間接金融方式とは、金融機関を通じた資金調達法のこと。
対する直接金融方式とは、金融機関を介さずに、
直接、資金調達を行うことを言います。
戦前の日本では、直接金融が多かったそうですが、
戦後日本の高度成長を支えるためには、
銀行からの潤沢な資金供給が欠かせず、
必然的に銀行の力は大きくなっていきました。
ところが世の中が変化し、
間接金融は徐々に機能不全に陥るようになります。
特にバブル経済が崩壊した後は、
銀行が不良債権処理に奔走したこともあって、
企業への融資に二の足を踏むようになりました。
こうした状況の変化によって、少しずつですが、
日本でも直接金融にシフトする動きが出ています。
ビジネス環境の変化が、
新しい産業の成長を後押ししているのです。
たとえばFANGSが最近、注目している業界の一つに
再生医療分野が挙げられます。
現代医療で行われている再生医療は、
病気になったり、失われたりした細胞を
培養した幹細胞やiPS細胞などで補填する、
という治療がメインですが、
FANGSが注目しているのは、
アンチエイジング(抗加齢医療)の分野です。
日本では、アンチエイジングというと
美容系の治療を思い浮かべますが、
本来、アンチエイジングとは、
自分の細胞に働きかけることによって、
老化による機能低下を防ぎ、
病気にならない身体づくりを目指す医療のことを言います。
再生医療では、細胞治療を行うに当たっては
重篤な副反応など、依然として未解決の問題が多くあります。
一方、アンチエイジングでは、
スローエイジング(老化を遅らせる)治療が
いくつも実用化されています。
個人投資家の立場としては、
いきなりユニコーン企業への投資は無理でも、
まずは、アンチエイジング治療を受けてみるというのも、
新しい業界を応援することにつながるのではないでしょうか。
【参考文献】
日刊工業新聞:2019年4月25日、内閣府HP、他
以下の関連記事もご覧ください。
FANGS Group【ファングスグループ】
HP:https://www.fangs-g.com
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