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日本の“真の姿”は、数字上に表れている

“平成の失われた30年”とよく言います。
「日本は、衰退しつつある」などという話を、
どこかで耳にしたことはないでしょうか。

実のところ、変わったのは日本よりも、
むしろ世界のほうです。
私たちが、同じ毎日を繰り返しているうちに、
世界が変わってしまったのです。

あなたは、ビッグマック指数というのを
ご存じでしょうか。
マクドナルドのビッグマックは、
世界中でほぼ同じ材料を使って
製造・販売されています。
こうした特徴から、ビッグマックは
各国通貨の購買力を計る指標になると
考えられています。

2022年1月の日本のビッグマック指数は、
ドル換算で3.39ドルと世界で33位。
対するアメリカは3位で5.81ドル、
イギリスは11位で4.82ドルでした。
(ドル換算による比較)

かつて、日本のビッグマック指数は
もっと順位が上でした。
2010年で比較してみると、
日本が3.91ドルだったのに対して、
アメリカは3.71ドル。イギリスは3.63ドルと、
当時は日本のほうが高かったのです。

しかしその後、各国は数字を
順調に伸ばしていったのに対して、
デフレが続いた日本では、
3ドル台を行ったり来たりする状態が
続きました。

この間、日本では第2次安倍政権による
アベノミクスが行われました。

アベノミクスによって、
日本は戦後2番目の長さとなる
景気拡大を実現したと言われています。
しかし、アベノミクスの目玉とされた
日銀の金融緩和政策が円安を招き、
それが今日、発生している
インフレの大きな要因になっています。

一部の輸出企業が、
円安によって潤っているのは事実ですが、
中小企業を中心とした大部分の企業は、
依然として原材料高を価格に転嫁できず、
苦しい経営が続いています。

世界では、2000年前後より、
産業の主役が製造業から
ITなどの情報産業にシフトしてきました。
しかし、日本はこの潮流に乗り遅れました。

日本のビックマック指数が10年余りもの間、
ほとんど上がらなかったのは、
日本が世界の変化についていけず、
新しい産業でも出遅れた実情を
映し出しているからなのではないでしょうか。

《参考文献》
週刊エコノミストOnline:2022年5月19日
『どうすれば日本人の賃金は上がるのか』
(野口悠紀雄著、2022年、日経BP)
毎日新聞:2022年6月21日、他


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HP:https://www.fangs-g.com


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