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わたしたちについて|Vol.001|CEO近藤志人【前編】

「社会課題をテクノロジーの力で解決する」というミッションを掲げ、事業開発を進めているファンファーレ。労働人口不足で立ち行かなくなる産業廃棄物業界の課題解決に取り組んでいます。そのはじまりは8年前、ファンファーレCEO近藤の学生時代まで遡ります。学生時代に出会った「ソーシャルビジネス」という言葉と、その取組みの中で体験した挫折。その経験をきっかけに社会課題に心から共感することの大切さを学んだそうです。現場に自分から入り、作業着を着て一緒にゴミ回収をするなど入念なリサーチを経て、ファンファーレは始まりました。本記事は前編と後編に分かれています。こちらは前編です。

プロフィール

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近藤志人(ファンファーレ株式会社 代表)
crewwにて大手企業の新規事業開発、リクルートにて組織開発、大規模プロダクト開発などの経験を経て、2019年にファンファーレを創業。


■学生時代に出会った京都の社会課題

ファンファーレ編集部(以下、編集部):ファンファーレを創業してどれくらいになりますか?また、ファンファーレがどんな会社か教えてください。

近藤志人(以下、近藤):リクルートという会社を退職して、2019年の6月、ファンファーレを立ち上げました。現在(2020年3月時点)でおよそ10か月になります。

ファンファーレは、産業廃棄物の省力化を実現するために事業開発をしています。直近では産業廃棄物を回収する際のルート作成を、配車アルゴリズムを使って一瞬で作れるサービスを開発中です。


編集部:ちなみに社名の由来などはありますか?

近藤:大学生のときから、自分が社会に貢献できる事業を何かしら立ち上げたいと思っていました。そして当時から、会社を作るなら「ファンファーレ」にしようと決めていました。
「ファンファーレ」って、何かを世の中に送り出すときに、それを讃える音だと思っています。私たちの会社も、社会に求められる何かを生み出し、それを自信を持って、声高らかに世に送り出すような存在でありたいなと考えて会社の名前にしました。

編集部:いいお名前ですね。

近藤:ありがとうございます。

編集部:大学のころから社会課題の解決に意識をお持ちだったということですが、学生時代から社会人を経て、退職、起業するまでの経緯を教えていただいてよろしいですか。

近藤:私は美術大学を卒業していまして、専門領域はグラフィックデザインです。同級生は広告代理店や制作会社などに就職するのが当たり前だったんですけども、私はデザインそのものというよりは、デザインを通じて、どういったメッセージを伝えたいのかといった点に非常に興味持っていました。そんな思いを抱きながら、学生生活を送る中で出会ったのが「ソーシャルビジネス」という言葉で、社会貢献とビジネスの成立を一緒に考えるというものです。

学生時代_02

学生時代から実際にビジネスをいくつかやっていました。本格的にやっていたのは2つで、1つ目が京都の伝統工芸品の後継者維持の課題を解決するためのもので、リデザインによって付加価値を付け、高単価の商品として販売していくことをしていました。もう1つは不登校児がスポーツで自己肯定感を高めて社会復帰をしていくというものです。

1つ目は商品が売れませんでした。2つ目は、商品は売れたんですがビジネスとしてなかなかスケールしませんでした。どちらもたくさんの人に応援していただいて進めていたのですが、社会の期待に応えられず、自己満足に終わったということが大きな挫折経験になりました。就職先は、デザイナー職の内定は全て辞退し、ビジネスが学べる環境を選択しました。自分が社会課題を見つけて、もう一度ソーシャルビジネスに挑戦しようとしたとき、十分な力が身についてる状態にしたいと思い、社会人経験を歩んできました。

険しい表情

社会人7年になりますが、会社員時代は6年間でした。1社目はcrewwという会社で「0→1」にあたる大手企業の新規事業開発の立ち上げや、スタートアップ支援を経験しました。2社目ではリクルートという会社で全社の組織開発をやったり、大規模プロダクトのUXの改善や商品開発を行っていました。こちらはすでにあるものを改善して更に大きくしていくというところで、「0→1」「1→100」のところを両方経験できました。今ならソーシャルビジネスに挑戦できるんじゃないか、と覚悟を決めて退職し、起業しました。

編集部:学生時代の取り組みについてもう少し詳しく聞かせてください。学生時代の社会課題への取り組みの中で、挫折を経験しながらも、現在も起業して社会課題の解決に携わりたいと思う理由は何でしょうか?社会課題解決へ向き合い続ける契機となるような経験はありましたか?

近藤:学生時代に町家のライトアップイベントの学生団体の代表をやっていて、100軒くらいの町家をライトアップして2000人くらいのお客さんが来てくれるようなイベントを作ることができました。京都は町家がたくさんあるイメージだと思うんですけど、5軒に1軒が空き家になっていてどんどんその景観が損なわれていっていました。この団体は、そうした社会課題を解決することを目的に始めていて、その成功体験は大きかったです。

活動を始めた当初、私たちが町を助けたいと言ってもそこに暮らす方たちに簡単に信頼してもらえるわけではないという事を痛感しました。徐々に話し合いを続けていく中で信頼関係が構築できて、終わった後に「やってよかったね」って言ってもらえる、当時の自分としてはとても充実感のある体験ができました。自分が主体的に動いて何らか社会に変化をもたらす、といったところにモチベーションも感じるようになりました。

■創業前の1年にわたる現地調査

近藤:リクルートに入る前から、3年経ったら退職して何かしら事業を作りたいというような思いがありました。会社に入って2年目くらいのときに、事業準備をしようというところで様々な事業の種を探していました。

当時はUXという専門職種を6年間くらいやってきていて、いろんな会社で副業としてUXコンサルに入っていました。その中で偶然、産廃大手の基幹システムの改善のお仕事をいただいたというのが廃棄物業界との出会いになります。

現場にリサーチに行っている時_02

そこであまりにもIT化が遅れていて労働環境が酷いというのを目の当たりにして、外から来たIT屋としては解決できるところがたくさんあると実感しました。廃棄物業界全体が同じような課題を抱えてるのかということを知るため、そこから1年間全国の産廃業者のリサーチを開始しました。全国の産廃業者を回る中で、作業着を着てゴミ回収したりとか産廃業者の方とご飯をご一緒して現場を知っていくことで、1クライアントに感じていた課題というのが業界全体の課題であるということが判明しました。かつ、課題を理解するだけではなく、当事者に近い形で共感しているという状態に自分を持っていくことができたので、この領域で事業を起こそうと決断しました。

編集部:1年に及ぶリサーチ、しかも現場にも行かれて作業を一緒にするというのは相当な熱量ですよね。

近藤:事業を作るうえでは実際の現場をどれだけ知れるかというのが大事だと考えています。コンサルタント的に課題をうまく整理できたとしても、その人たちの課題に心から共感していないと自分が会社を作って挫けそうになったときに当事者ではないのですぐに諦めてしまうのではないかと思っているからです。

実際リサーチするだけであればそれほど時間をかけなくてもいいんですけども、自分がその業界の当事者にどれだけ近づけるかという意味で大事な1年だったなと思います。

編集部:お仕事もしながらリサーチをするという忙しい1年だったんですね。

近藤:そうですね、すごく忙しかったです。事業の種も探しつつ普段の業務も行いながらだったので大変ではありました。

学生の頃に始めた活動から、実際に自分のビジネスを作るまでかかった年数はだいたい8年くらいです。このリサーチの1年間よりも前から積み上げてきたことを考えると、ちょっとリサーチ行くの大変だな、めんどくさいなというので挫けるようなマインドではなかったですね。


後編に続く

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