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生後2週間の子猫はとてつもなく小さい

うちのはじめてお迎えした猫はジェイクという黒白の男の子でした。


彼は現在のムーミンバレーパークのある宮沢湖のほとりで生まれた野良猫でした。


ジェイは生後約2週間の頃、宮沢湖に釣りで訪れていた父が連れて帰ってきました。

たくさん子猫が生まれたので宮沢湖の主さんも貰い手をさがしていたそうです。


「何色がいいの?」

「黒猫!真っ黒!」

子猫をもらって帰るときの電話で父とこんなやりとりをしました。
私は魔女の宅急便のジジが大好きで、猫を飼うのが夢でした。


飼うまでにも家族の間で当時葛藤があったそうです。でも決め手になったのは当時中学2年生の私が、

「みんながご飯食べてる横で、猫も一緒にご飯食べてるんだよ?想像するだけで楽しいし、可愛すぎない?」

こんなことを言って母を説得したそうです。


父が車で帰ってくると、窓から車の中の子猫をさがしました。

その時のわくわくの緊張を今でも覚えています。

しかし、いくら目を凝らしてみても猫らしきものはいません。

父が玄関に着くと、父の片手にタオルが乗っていました。

まさか…

母がタオルを受け取り恐る恐る広げると、

……小さい……小さすぎる。

大人の掌よりも小さいその毛玉の塊がのそのそとうごめいていました。

子猫の新生児ってこんなに小さいんだ。驚きを隠せませんでした。

そして、黒猫ではありませんでした。

あれだけ当日もらいに行くまでに何回も"黒猫"と確認していたはずなのに、ずーと父の頭の中には"黒白"とインプットされていたようです。(不思議)


黒白のその小さな子猫は目が開いておらず鼻水も垂らしていました。


すぐに動物病院に行って治療を受けました。
体重250グラム。失明寸前で、風邪も引き、栄養失調だったと言われました。体が弱くほかの子猫たちに負けて親猫のおっぱいをもらえずにいたのだろうとのことでした。

家に帰り、私は子猫の名前を考えていました。
いくつか候補があったけれど、画家の葉祥明さんの絵に出てくる犬の名前から"ジェイク"と名付けました。

絵の中のジェイクは、毎回春、夏、秋、冬いろんな風景の中にいていろんな友達がいました。たとえば海の中でイルカと遊んだり、野原で蝶々と追いかけっこしたり…

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子猫のジェイクも元気にいろんな場所に行ってたくさん遊んでたくさんお友達ができればいいなと思いました。



ジェイは私の弟で、友達で、恋人のような存在になりました。

"ずーと いっしょにいようね"

わたしとジェイはいつもおでこを合わせながらこの言葉を呪文のように唱えていました。



懐かしいな。ジェイに会いたいな。
久しぶりにちゃんとジェイと向き合っているようです。
そのこともずっと待っててくれたように思います。



あき

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