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≒最近暑いね


最近暑いですね。
例年、梅雨明けは七月中旬頃だそうですが、
六月下旬の熱気に
既に僕は倒れてしまいそうです。

これから、夏が来ますね。

夏と聞いて思い出すのは、
幼なじみの女の子と
夏祭りに行って一緒に花火を見た記憶や、
部活で甲子園を目指し
友達と共に切磋琢磨した記憶、
なんてことは全く無く、
ただ、夏の煩わしい暑さに汗を拭いながら
一人でネットサーフィンを
していた憶えしかありません。

しかし、今年の僕は一味違います。

思い出すだけで少し涼しくなってくるような
僕の去年までの夏の思い出も、
今年で終止符を打つ。

可愛い彼女と花火をみたい!
暑さを吹き飛ばす程何かに熱中したい!

いつもそう意気込んでは、
気付けば悪意と幻想に塗れた
電子の海に流されているような気がしますが。

まあ、何か変化を求め続ける姿勢だけは
褒められるべきものでしょう。

思い返してみれば、
春夏秋冬、繰り返される季節の中、
全く同じ夏など無かったように思います。

それは例えば、
異性を意識するようになった少年の頃や、
現実を知った青年の頃、
一周まわって夢ばかり描く現在。
自身の変化や、
コロナ禍などの周囲の環境の変化。

やることは結局ネットサーフィンといえど、
どの夏の記憶を掬い取ってみても、
全く同じなんてことはないのです。

どうせ結末が同じなら、
そのまでの全てに
意味も価値も無かったでしょうか。

答えはありません。
僕の考えも、あなたの考えも全て正解で、
全てが不正解でしょう。

しかし、どうせなら楽しい夏にしたいですね。

今年こそは、可愛い彼女が欲しい。
欲を言えば、ちょっと嫉妬深くて
色素の薄い女の子に隣で笑っていて欲しい!

そして、彼女と迎えた何度目かの春の終わり、
さりげなく、それでも確かに
期待と不安を孕んた視線を向けられ、
僕は言われるのです。
「最近暑いね」

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