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躁の怒りマグマ

わたしは20代の頃、うつ病で働けなくなった時期があった。
お医者に休職を言い渡されるまで、そして休職中にも何度か躁状態になった。
鬱で呼吸する以外の全てが出来なくなるのと反対に、躁になると頭の回転が早くなって、散財を繰り返し、尻軽になった。ハイで気持ちよくなるけどトラブルも起こした。
躁で1番しんどかったのは、どうしよもないイライラ感があった時。
何もしてない、誰にも会ってないのに、体の中からマグマが湧き出すかのように猛烈な怒りが際限なく溢れて止まらなくなる。怒りの原因がないのに怒りの感情だけが原始的に強烈に、身体中にたぎるので気が狂いそうだった(狂っていた)。
実家で療養中は、そのマグマが溢れてくると誰にも手がつけられないのは分かっているので、自室にこもり叫び声を上げながらひたすら新聞紙をビリビリに破いていた。マグマが枯れるまでひたすら。怒りの原因があれば、それに対しての考えを巡らすこともできるのだが、とにかく怒りの原因はないのが辛かった。原因が無いのに、脳は「怒れ、怒り狂え」と命令し続ける。どうしてこんな意味の分からない感情に翻弄されなきゃならなかったんだろう。
あれはいま思い出しても、HP MP消費が激しかった。脳の病気、病気のなせる技、と思う。

うつの辛さも死にたいほど酷かったけど、今でも鮮明に思い出せるのは躁のイライラの方で、腹立つ事が起きても「あのイライラマグマに比べたらマシか」と考える基準になっている。
感情が思うようにコントロール出来ないって辛いよね、もうああはなりたくない。

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