見出し画像

他社の月額課金系プラットフォームの手数料率をまとめた結果、自社の安さに愕然とした話

FANCLOVEが、サブスクプラットフォームというサービスを開始したのが、2016年9月。
https://fanclove.jp/

当時は、オンラインサロンのシナプスさん(今のDMMオンラインサロン)、Campfireファンクラブさん(今のCampfire community)くらいだったのですが、そこから約5年が過ぎ、最近は月額課金系プラットフォームのプレイヤーが増えてきました。

我々自身、サービスもうまく回り出し、周りを見る余裕ができてきたのもあって、

「他社のサービスってどれくらいの手数料を設定しているのかな。」

と、気になり、調べたてみたのがつい最近。

驚きの結果になっていました。

月額課金系プラットフォームとは何か

月額課金系プラットフォームは、オンラインサロンやファンクラブの運営が簡単にできる仕組みを提供するサービスです。

そのサービス上で作られるサロン等の会員を管理したり、毎月の会費を徴収したり、会員限定で告知ができたりといった、会員運営全般を仕組みでサポートします。

我々事業者は、会員から徴収した金額(サロンやファンクラブの売上になります)の中から、手数料として一定の割合をいただいています。

調べてみると、各社の手数料の考え方がバラバラでしたので、売上に対して、手数料を引いた取り分がどのくらいの割合なのかをまとめてみました。

FANCLOVE(ファンクラブ)は売上の92%が取り分(決済手数料&サービス利用料 8%)

はじめに、FANCLOVEは、というと、会費の8%を手数料として頂戴していますので、売上の92%が取り分です。
(一部のクラブで、携帯キャリア決済を使えるようにしたのですがキャリアに支払い金額が高く、その場合は手数料は20%になっています)

https://fanclove.jp/

クレジットカード会社に支払うクレジット決済の手数料が約4%。残りの4%で、FANCLOVEサービスの運営や新サービスの開発をしている、ということになります。

結果を先にいうと、
「FANCLOVEは手数料が安すぎたかな。。」
「もう少し高く設定してもよかったのか。。」
という状況で、調査した中では、最安値になってしまってました。

注)公開されている情報をもとに、推測したものになります。

アプリ課金のファンコミュニティ「Fanicon」は売上の約35%~48%が取り分(決済手数料&サービス利用料 8%)

まずは、アプリでファンコミュニティを作るサービス「Fanicon」さん。

ここは、「ファンコミュニティ運営規約」を見ると、売上から各種手数料を引いたあとの金額の50%が取り分となります。

iPhoneアプリで支払いをした場合、はじめに30%の決済手数料をAppleに取られます。取り分は残りの70%の半分なので・・・
35%が取り分となります。

クレジットカード決済の場合は、決済手数料約4%とすると、100%-4%=96%の半分 48%が取り分になるかと思います。

別途当社が指定する課金方法又は決済手段により、各ファンコミュニティにおいて会員に対する課金による収益が発生した場合、当該収益は、当社と当該ファンコミュニティを運営するアイコン(有名人) との間で、当社が別途定める契約書を結ばない限り、各種手数料を控除した後の50%を分配比率として分配されるものとします(このアイコン(有名人) に分配される金額を以下「分配金」といいます。)。 各種手数料は、AppStore等のアプリプラットフォームの 手数料、クレジットカードの支払手数料、課金システムによる手数料などを指します。
https://fanicon.net/icons_term

スマホの課金で支払うと、相手が受け取っているのは意外とすくないぞ、というのがわかりますね。

オールインワン型ファンメディア「Bitfan」は売上の50%~80%が取り分(決済手数料&サービス利用料 8%)

SKIYAKIさんが運営する、Bitfan

ここは、「オーナー利用規約」を見ると、ウェブサイトで80%、アプリで50%が取り分と明確に書かれています。

第3条(収益)
1.当社は、オーナーに対して、以下に定める個別サービスの収益を還元致します。
(1) 有料会員サービス
ウェブサイト:決済金額の80%
iOS/Androidアプリ:決済金額の50%(iOS/Androidのアプリ内課金の手数料30%が控除されます)
https://bitfan.id/terms/owner

多彩な高機能が売りのサービスですので、その辺がコストに入っている感じでしょうか。

クリエイター支援系は売上の約90%が取り分(決済手数料&サービス利用料 10%)

クリエイターを応援する、というサービスは、

Pixiv fanbox 90%(プラットフォーム手数料 5%、決済手数料 5%)

第8条 クリエイターへの売上支払い
プラットフォーム手数料: 支援額5%に相当する金額(消費税相当額を含む。小数点以下は四捨五入とします。)
決済手数料: 支援額5%に相当する金額(消費税相当額を含む。小数点以下は四捨五入とします。)
https://policies.pixiv.net/#fanbox

Fantia 90%(プラットフォーム手数料 10%)

第20条(各種手数料等)
登録クリエイターは、虎の穴に対し、下記のとおり各種手数料等を支払うものとします。
①本サービスの利用の対価(以下、「プラットフォーム手数料」といいます。)
第16条の規定に基づき代理受領者が受領した会費等につき以下の料率で算定した金額(消費税相当額を含む。小数点以下は四捨五入とします。)
 ファンクラブ会費、商品代金、委託料・・・10.0%
https://fantia.jp/help/terms

クリエイティア 90%(プラットフォーム手数料 10%)

毎月のファンクラブ会員費・商品販売代金から10.0%(税込)を、
プラットフォーム手数料として差し引かせていただいております。
https://frontier.creatia.cc/

note サークル機能は売上の約86%が取り分(決済手数料&サービス利用料 10%)

noteさんにもサークル機能というサービスがあるのですが、ここは、決済手数料を引いた金額から、プラットフォーム利用料10%

代金およびnote利用料率
デジタルコンテンツの販売価格および各種サービスの価格(以下併せて「代金」といいます。なお、消費税相当額を含みます。)はユーザーから当社の所定口座に振り込まれます。当社は、クリエイターから支払いの申請があった場合、代金から決済手数料、プラットフォーム利用料、および金融機関の振込手数料を差し引いた残額(以下「支払金額」といいます。)をクリエイターにお支払いします。
プラットフォーム利用料は、代金から決済手数料を控除した金額に10%を乗じた金額になります。
https://note.com/terms

YouTube、DMM、Campfireの大手は?

大手サービスで展開したときの取り分もまとめておきます。正確な情報をオープンしていないところもありますので、参考まで。

Campfire Community90%が取り分(手数料 10%)
YouTube メンバーシップは約70%が取り分(手数料 30%)
DMM オンラインサロンは、公開していませんが、約80%~85%程度が取り分?(手数料 15%~20%?)

なぜ、こんなに手数料がバラバラなの?

提供方法や会社側の事情もあり、理由は様々だと思います。考えられる理由はこんなところでしょうか。

・アプリ決済だと高い。便利だけど。
・機能がたくさんあると高い。便利だけど。
・大企業のサービスだと高い。安心だけど。

あとは、

・初期投資が大きく、損益分岐点に達するまでに時間がかかる事業なので、短期で回収したければ、ある程度高くする必要がある。

ということもあるかもしれません。

幸い、5年を迎えたFANCLOVEは、皆様のおかげで損益分岐点もクリアし、安定した収益をあげられる事業になっています。

目指すのは、小さな運営。手数料の引き上げなどは今後もございません

「安かろう、悪かろう」では意味がない。

という、自戒を込めて、今回のエントリーを書かせていただきました。(結果的に最安値ということに驚いたので、そのアピールも少しあります。)

FANCLOVEは、個人が手軽に利用できるサブスクプラットフォーム(=インフラ)として、たくさんの人に気持ちよくつかってもらえるものにしていきたいと思います。

そのための、小さくても強い運営づくりに取り組んでいます。

2020年度に55件の機能開発するなど、見えないところで日々進化を続けていますし、2021年度にはUI/UX面でのリニューアルも予定しています。

そちらもどうぞご期待いただければと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?