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京都を離れることになっても、故郷が京都でなくても

前回の記事からまた異なる記事を書くことになってしまった。記事に一貫性を持てと言われたら、それまでだがどうしても今書いておかねばならないことがある。私が学生時代を過ごした「京都」についてだ。私は3月で京都に大学を卒業し、京都を離れることになった身だ。パンデミックの影響もあり、そこに住んだ期間は約3年半くらいだが、「京都」に対する愛は故郷の名古屋と同じかそれ以上深いものがある。京都が好き。大好きだ。

京都の素晴らしいところはたくさんある。もちろん文化を大切にするところもそうだが、他の都市(名古屋や大阪、横浜)と違って自然がたくさんあるところが素晴らしい。あたりを見まわしたら、山々に囲まれ、空気が美味しく、市民の憩いの場である賀茂川がある。資本主義を先鋭化させたような東京と違って、懐古主義(昔ながらの町並み)とモダニズム(河原町や京都駅周辺)が混合しているところも大好きな理由の一つだ。僕は京都市の北の方に住んでいたこともあり、先述したような自然に囲まれたところに慣れ親しんでいた。そういうこともあり、時の流れが緩やかというか遅く感じるというかそういった特殊な時間軸を感じ、名古屋出身の僕は都会の喧騒に嫌気がさしていたこともあり、それを愛していた。そのような他の都市では味わえない心地よい空気感みたいなものは京都でしか味わえないと思う。また、人も好きだ。周りの大人が若人を遠くから見守っている感じがするのだ。京都が学生の街であるということもあると思うが。若者に不寛容な政治や社会システムが蔓延る現代社会において、若者に理解を示し、彼らの背中をそっと押してあげる京都の大人たちを見てかっこいいと思い、塾講師のアルバイトも始めたし、できるだけ後輩思いでいようと自分なりに努めた部分もある。京都は「いくつになっても若者の味方でいたい」という一つの僕のポリシーになった。

実は最近ちょっと野暮用があり、京都に戻ったのだが、いろいろなことを思い出した。まだ離れて2週間しか経っていないというのに。昔住んでいたアパートからバイト先まで通った道。登校するときの見飽きた光景。上賀茂神社でホタルを見たこと。友達と2人で自転車を走らせ毎週ラーメン二郎を食べに行ってたこと。銭湯で恋バナしたりしたこと。酔い潰れて駅で寝たこと。賀茂川沿いでお酒を飲んだこと。もう思い出したらキリがない。辛い思いも楽しいことも全部ここで経験してきた。後悔していることもあるし、完璧な学生生活を決して送ったわけではない。でもこれだけは言える。美しい学生生活だったなと。
いつか忘れてしまうかもしれないから、今ここに備忘録として書く。僕の人生がどうなるかは分からない。でも、いつか絶対またここで暮らす。近い将来になるのか、遠い将来になるのか分からないが、固くこころに誓っている。ずっと好きでいる自信しかないから。
話に戻るが、その日の帰り道、僕はバスの中で涙を流した。


https://x.com/kyoutojin_bot/status/1767921641252950115?s=46


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