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◆ 話のネタ ◆ No.9 『女の涙と男の思い込み』

 34年前の話、実家が地方都市で、勤務が大阪だった為、地方都市 ― 新大阪間を新幹線で年に何度か移動していました。
 
 ある秋の日曜日、お昼頃、私が地方都市の駅で新幹線に乗って帰阪する時のことでした。 新幹線に乗り込んだ時デッキに、それは、それは、美しく女優のような若い女性がたたずんでおり、ホームには、これまたハンサムな男性が彼女を見送っていました。
 
その美しい女性は、声を出さず、涙をボロボロこぼして泣いていました。男性は、涙を必死でこらえて、彼女を見つめていましたが、全身、悲しみでいっぱいでした。
 
 あまりにその2人が美しかったので、青春映画の1シーンを見ているかのようで感動し、思わず、私もウルウルしそうになり、・・・・・・あぁ~ 自分も同じシーンあったよなぁ~ と思い出に浸りました。(もっとも、私の場合、先に、私が泣いて、現在の妻である彼女は、オロオロしていましたが・・・・
 
 やがて、発車音とともに、ドアが閉まり新幹線が滑るように出発しました。 彼女は、1つ前の席でした。
 
 私は、今の感動シーンを思い浮かべ、彼氏は、必死で泣くのを我慢していたけれど、今頃ホームで、男泣きしてるだろうなぁ・・・・・あの様子なら、昼ご飯は、おろか、晩ご飯も悲しみに暮れて、食べることができないだろうなぁ・・・・ 本当に、美男、美女の美しい別れのシーンだったなぁ・・・・彼女もすごく悲しんでるので、少しでも早く悲しみが癒えますように・・・・
 
と感動に浸っていたところ、出発して3分・・・・私の前の席から、パチン、パチンと、輪ゴムをはじく音が聞こえてきました。 前の席は、彼女だけだったので、一体何の音だろう? と思って覗くと、先ほど迄、涙にくれていた彼女が、いきなり・・・・駅弁を開いていたのでした・・・・・
残念!!
 
 彼氏は、昼も夜も間違いなく涙にくれて、ご飯食べれんよ !!
 
 この事や自分の青春時代の経験から、私見ですが、女性は、本当に悲しいから泣くというよりも、その悲しい状況に置かれた自分がかわいそうで泣くのではないか? そして、男性は、その涙を自分の為に流してくれたんだと誤解する と思うようになりました。

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