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私の彼氏は、とても変な清癖を持っている。

同棲している私の彼氏には、変な清潔Myルールがある。

床に落としたものは、数秒間空中で振らなければいけない、というへんてこルールだ。

最初聞いた時は「何それ、まさかぁ」と鼻で笑ってしまったが、その後観察していると彼は至極真面目にこのルールを順守している。

iPhoneが落ちたらフリフリ、外でもフリフリ、家の中でもフリフリ。

本当に、どんな時でもフリフリ。

フリフリフリフリ。

理由を聞くと、彼は床という存在はとても汚いものだと認識しているらしい。だから、家でも素足で家を歩くことは滅多にない。

けれども安心、なんと振ることによって床に付いた汚れを除去できるらしいのだ。

ちなみに「じゃあ、消毒したらもっと綺麗になるんじゃない?」と、皆が考えそうなことを軽い気持ちで助言したら「いや、そういうことじゃない」と一喝されてしまった。

どうやら違ったらしい。

あまりにも偏った癖ならぬ清癖に「このままやっていけるのか?!」と付き合った当初は不安を感じていたが、今ではナチュラルに私もフリフリしている。

愛ってすごい。

−−−

看護師の私からして、床に落ちたものを振るだけで菌が落ちるなんて言うのは甚だおかしい。

まったくもって清潔にはならないし、気休めにしかならない。

菌は振るぐらいじゃ除去できないし、除菌と名の付くスプレーやアルコールで拭かない限り、奴らはしぶとく生き残っている。

けれども、その彼のへんてこルールは、彼自身の生活と心を安定させ、今日も元気に仕事にをするのに役立っている。ありがとう、フリフリ。

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そもそも清潔行動には、単に風邪をひかないという感染予防の意味だけが含まれているのではない。

お風呂に入るのは、本来体に付く汚れを落として免疫を高めることだ。
湯船に浸かれば血行促進にもなり、病気をしにくくなる。

髪を梳かすのだって、本来は髪に絡みついたフケや汚れを落とすためのもの。

けれど、私たちは本来の意味を考えて、これらの行動を行っているだろうか?

毎日のルーティンの中に、自然と溶け込ませていないか?

ちなみに、私は湯船につかるのが好きで、次の日仕事が休みなら、バスボムを入れて長時間半身浴をする。そしてiPhoneを持ち込んでネットフリックスをみるのが毎週の楽しみだ。

でもこれは、免疫を高める清潔行動のためではなく、毎日頑張る自分を慈愛するためのもので、自分の心の均衡を図るために行っている。

本来、清潔のためにあるべき行動が、自分の心を保つ存在になっている。

コロナのせいで、マスクをつけることだとか、アルコール消毒をつけるといった免疫行動に意識がフォーカスされがちだけれど、ちょっとまって、清潔ってそれだけじゃないよね?

清潔は、私たちの生活のすぐ傍に合って、コロナの前からずっと私たちを支えてくれている。

コロナ予防だけじゃない、本来の自分が持つ清癖を探してみても、おもしろいんじゃない?


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