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『ヴィデオドローム』(1983)

監督脚本は前回紹介した映画『ザフライ』のデヴィッド・クローネンバーグ。
当時は大ゴケだった映画だが、後にビデオ化されカルト的な人気を得た。

ケーブルテレビ局の社長マックスは、自身の局で流すために最も暴力的で過激な映像を求めていた。
そんな中、電波を不正に盗み「ヴィデオドローム」という番組に辿りつく。が、その内容というのは演技ではなく本当に殺人や拷問を行うといった物であった。真相を掴むためマックスは「ヴィデオドローム」の鍵を握る教授に会いに行く。
どこか遠くで放送されていると思っていた「ヴィデオドローム」は国内であるピッツバーグであると突き止める。
マックスは「ヴィデオドローム」の真相に迫ろうとしたが、次第に現実の世界に幻覚が混在するようになる。
バリーと名乗る、「ヴィデオドローム」を流した人物と接触するが、彼に操られ遂には現実と幻覚の狭間が分からなくなり殺人までも犯してしまい......。

映画を見た率直な意見は、うーん意味が分からない。何パターンかの解釈が出来るような映画だから、この手の映画は見終わった後でモヤモヤが残るから少々厄介だ。何が正しいとかはないと思うけど、1回見ただけだとうーんと頭を抱える事になる。

おそらくこの映画を簡潔に説明すると、
映像(テレビの中)と現実がいつの間にか混在して、例えるならば薬物での幻覚症状的な状態になりありもしない妄想に囚われ、最初は小さな事が最終的には人殺しまでしてしまう、テレビという快楽にどっぷり浸かりすぎた人間の末路ってところだと思う。おそらく、バリー自体もマックスとはなんら関係なかったんじゃ無いか?車で来てもないし、なんなら最初から「ヴィデオドローム」なんて映像もなかったし、ガールフレンドのニッキーも存在しなかったんじゃないのか?とか色々考えられるからスッキリしないなぁ。

ただ、題材は良かったと思う。
ビデオテープの話しだから、時代を感じるけどこれがスマホとかになったら怖いと思うっていうかもうそんな映画はありそう。
おそらくこの手の映画のジャンルを確立した作品な気はする。
当時大ゴケだったのも分かるし、後に人気が出たのも分かる。
噛めば噛むほど色んな味がするガムのように、何回見ても面白い映画なのかもしれない。

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