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人を作るSNS

 人を作るものにはいくつかの要素がある。その中でも、今回はソーシャルメディアについて書いてみたい。

 人は何かを見たり読んだり体感したりして、自分を作っていく。最近感じるのは、ソーシャルメディアが人に与える思想的な影響である。

 私は教育関係の仕事をしている。そこで気になるのが、国語の教材を読む生徒の姿勢である。生徒の中には教科書の内容をそのまま事実だと受け取り、1つの意見であることに気付かない生徒が多い。これまでの教育でもその点に留意して、指導することは少なかっただろう。

 教育論について述べることは措くとして、ここで重要なのは、多くの子どもないしは大人にとって、目にする意見や情報は精査されることなく、そのまま個人の思想に浸透していくということである。

 特にSNSにおいてはその傾向が極めて強いと感じる。私自信もニュースのコメントなどを見ることがあるが、ひととおりコメントを読んだあとは、やはりそちらの意見に引き寄せられた考えを持つことが多い。

 なぜそうなるか。1つは多数の同じ情報が目に入りやすいことがある。だいたいの場合、SNSなどには同調的な心理作用が働くのか、同じような意見が集中する。この現象が、あたかもそれが真実かのような印象を与えるのだ。

もう1つは、メッセージ性の強さとそれに伴って生じる意見が持つ立場の強さである。こちらは、SNSに多く見られる批判的なコメントに起因する。人は批判をすることで優位な立場に立った気になる。また直接批判をすることがなくても、そのような考え方を受け入れることは心地よく、知らぬ間に自分の思想に浸透しているのだ。

 近頃の自分を振り返り、何かおかしい、昔と少し気持ちのありようが違う、と思ったのがこの記事を書いた理由です。
 知らぬ間に心に浸透しているというところが、良くも悪くもSNS、ないしはネットの効力なのでしょうか。
皆さんはどのように感じますか?

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