きぬごま

アニメや漫画やゲーム、爬虫類が好きなアラフォーです笑 クスッと笑えてホッコリする話を上…

きぬごま

アニメや漫画やゲーム、爬虫類が好きなアラフォーです笑 クスッと笑えてホッコリする話を上げていきます。 (小説を読もう)でも同名で投稿始めました。機会があれば読んで頂きたいです。

最近の記事

そぼとまご③

〈カブトムシを捕まえたい〉  ジャワジャワと蝉がうるさく鳴き騒ぐ頃。  勇太と母の香苗は、近くのホームセンターへお買い物に来ていた。  香苗から離れないように、付いて回る勇太だったが、昆虫コーナーでピタっと足を止めた。  そこには見た事もない、ツルツルとした体の大きな昆虫がいた。頭は2本の立派な角があり、体は金色の様な輝きを放っている。  そんな立派な昆虫が、小さな透明のプラケースに入って売られていた。 「勇太、何してるの?」     勇太が付いて来ない事に気づき、香苗

    • そぼとまご②

      <パンを作りたい> 「ばあちゃん、ばあちゃん。何見てるの??」 勇太はテーブルに手をついて、ぴょんぴょん飛び跳ねる。 祖母のアケミは、椅子に座ってスマホで動画を見ているようだ。 「んー?ばあちゃんね、お料理の勉強してるんだよ。今日はお母さん遅いから、夜ご飯作っといてあげなきゃいけないしね。」 「ばあちゃんお勉強?ぼくもやるーー」 勇太は椅子にヨイショと飛び乗り、アケミの隣で、スマホを覗き込んだ。そしてアケミのマネをし、スマホの画面をシュッと指で擦る。 次々と動画が出て

      • そぼとまご①

        <猫になりたい> 「ばあちゃん!ねこちゃんになるには、どうすればいいの?」 「ゴホッ、ゴホッ!!…ゆ、勇太?…急にどうしたの?」 祖母のアケミは、孫からの予想外な質問に、すすっていたお茶が変な所に入ってしまった。 勇太は、曇りのない眼でアケミを見つめる。どうやら本気で猫になりたいらしい。 「うぅ、そんな目で見ないでよ…。ばあちゃん、困っちゃうよ~。」 孫LOVEなアケミは、勇太のキラキラした目にめっぽう弱く、あまりの眩しさに目を背けてしまう。 「ねこちゃんって、とっ

        • ボクの友達は変わっている#8(おわり)

          クラス会当日、ツヨシ達はそれぞれの役の衣装を着て、ついに演劇が始まった。 「この世界のあまーいお菓子は全部ボクのものだ!ドーナツもケーキもクッキーも、ひとつ残らず奪ってやるー!」 ツヨシは怪人役をノリノリで演じていた。実はここ毎日、夕食後は必ず母と練習していたのである。 (…よし、うまくいったぞ~) ツヨシは台詞がうまく言えた喜びを、しみじみと噛み締めていた。 「待てぇい!!」 とう!と、ゆうこが演じるビタミンレッドが飛び出してきた。 「これ以上、みんなのお菓子を独り占め

        そぼとまご③

          ボクの友達は変わっている#7

          「鉄郎っ!早くお風呂入りなさーい!」 1階からの母の声に「ちょっと待ってー。」と鉄郎は返事をした。 カチャカチャとパソコンのキーボードを叩きながら、鉄郎は演劇の台本を作っていた。 ほとんど出来上がっていたが、クライマックスのシーンで、鉄郎は手を止めて、なにやら考え込んでしまった。 「…やるって決めたんだ。」 そう言うと、カチャカチャと最後のシーンを書き込んでいった。 甘いものが食べたいのに、体に悪いのでたくさん食べれないという、人々の不満が集まり、悪の怪人スイーツモンスター

          ボクの友達は変わっている#7

          ボクの友達は変わっている#6

          2時間目の休み時間、ツヨシはいつものように、隠れてお菓子を食べていた。今日のおやつは、チョコソース入りのマシュマロだ。 「…ムシャ、マシュマロは軽いから、カロリーゼロ♪」 訳のわからない歌を口ずさみ、美味しそうにおやつを平らげた。 「はぁ、のんきにお菓子食べちゃったけど、なんか大変な事になったなぁ。」 最後に水筒の麦茶をゴクっと飲み干し、ツヨシはため息をはいた。 「鉄郎くんの気持ちもわかるけど、ドッキリなんてしたら、ゆうこちゃん嫌な気持ちになるよねぇ…。」 腕組みをして、う

          ボクの友達は変わっている#6

          ボクの友達は変わっている#5

          休み時間、めぐむは可愛らしいケーキやらドーナツが付いた衣装を作っていた。 「わぁ~、可愛いいね!それにすごく美味しそう…。」 ツヨシは目を輝かせてめぐむのそばに駆け寄った。 「ふっふっふ、これはねぇ、悪の怪人スイーツモンスター。ツヨシの衣装だよー。」 帽子は、骸骨の頭にドーナツが2つくっついて、動物の耳のようになっており、ケーキ柄の王様のような服に、真っ黒なマントが付いていた。 「へぇー、すっごく可愛いよ!めぐむちゃんてスゴいね!…ところで、スイーツモンスターって、どんな怪

          ボクの友達は変わっている#5

          ボクの友達は変わっている#4

          ホームルームが終わり、鉄郎はゆうこに詰め寄った。 「何でオレが戦隊役なんてやらなきゃなんないんだよ!」 「だって、鉄郎あんまり乗り気じゃなかったから、主役になったら楽しめるかと思って。」 「どうやったらそんな風に思えるんだ!?はぁ、もう最悪だ~。」 鉄郎はがっくりと肩を落とす。 「鉄郎くんはまだマシだよ。ボクなんて悪者役だよ?脇が痒かっただけなのに…」 ツヨシが萎れた顔で話に加わった。 「ま、まぁ、北島は間が悪かっただけとして、無理矢理推薦なんてあんまりだ!」 鉄郎は納得

          ボクの友達は変わっている#4

          ボクの友達は変わっている#3

          「おばちゃん、子ブタメン1個ください!」 「はいよ、今日も買い食いかい?ちゃんとお家のご飯も残さず食べるんだよ」 ツヨシは帰り道に、駄菓子屋さんで買い食いをするのが楽しみなのだ。 「そんなの当たり前だよ~。帰り道におばちゃんの子ブタメンを食べるのが、ボクのマイブームなんだ。」 「なにもおばちゃんが作ってる訳じゃないんだよ。まぁ、そう言われるのは嬉しいけどね。」 おばちゃんは子ブタメンにお湯を入れて渡してあげた。 「わーい、ありがとう!」 ツヨシは子ブタメンを受けとると、店先

          ボクの友達は変わっている#3

          ボクの友達は変わっている#2

          2時間目の国語の授業が終わり、ツヨシはキョロキョロと回りを気にしながら、柴犬の巾着袋を持って、教室を出ていく。 鉄郎はそれを横目で観察し、そっとツヨシの後を付けていった。 人気のない階段の踊り場までやってきたツヨシは、階段にヨイショと腰を下ろす。 そしてペロッと舌を出しながら、巾着袋をゴソゴソすると、そこからクッキーを出して食べ始めた。 「美味しそうだね。」 「ひょわぁー!!あっ…!」 不意に声をかけられて、ツヨシはビックリしてクッキーを落としてしまった。 「ててて鉄

          ボクの友達は変わっている#2

          ボクの友達は変わっている#1

          とある小さな町の、元気な子供たちが通う小学校。 春が終わり、夏の気配が近づいて来た頃、他のみんなより一回り体の大きな男の子が、額に汗をかきながら登校していた。 「今日は暑いなー。こんな日は冷たいコーラをがぶ飲みしたい…。」 「ツヨシ!おはよー!今日も良い天気だな!」 活発そうな女の子が、バシッとツヨシの背中を叩いて声をかける。 「あいたっ!…ゆうこちゃん、おはよう。暑いのに元気だね。」 「どうしたんだ?何かくたびれてるじゃん!山登りでもして来たみたいだ!」 「山なんて登る

          ボクの友達は変わっている#1

          自己紹介

          さんざん変な物語を作って、今更という感じですが😂 自己紹介を書いて行きたいと思います😃 歳は38歳。介護業界で働いております。 人付き合いが苦手で、独身まっしぐらです笑 婚活も、30代前半くらいまでは頑張ってましたが、最近は全くやる気なし笑 お酒が好きで、去年まではよく飲んでましたが、健康診断で高血圧と言われてから、大好きな塩分、カップラーメンを封印して、減塩生活を送っています笑 最初は辛かったですが、最近は慣れて体重も少し減るしで、ちょっといい事もあるので、続けて行きた

          ハリネズミのしあわせ#4(おわり)

          思いがけず、モグラと仲良くなり、美味しいミルワームも分けあって、喜びでウキウキしながらハルは巣穴へと帰った。 そーっと巣穴に入ると、そこには心配そうな表情で立つルルーと、怒った表情のハーバーがいた。 「夜中に抜け出して、どこに行ってたんだい?心配するじゃないか!」 「天敵に襲われたらどうするんだ!」 心配で問い詰める両親に、ハルはシュンと落ち込んでしまった。 「だって、ミルワームが食べたくて。友達もいるから大丈夫だよ。」 「そんな事しなくたって、ちゃんとご飯を用意してるだ

          ハリネズミのしあわせ#4(おわり)

          ハリネズミのしあわせ#3

          ハルはモグラから奪ったミルワームをムシャムシャと食べながら、「うーん…」となにやら考え込んでいた。 「あのモグラめ、今日は落とし穴なんか用意しちゃって…。卑怯なヤツだよ…。次も何を考えてくるかわかんないけど、そんなのに引っ掛かるもんか!」 ぶつぶつと文句を言いながらも、どこか楽しみを見つけたような表情だった。 次の日から、ハルとモグラの、ミルワームを巡る激しい戦いが始まった。 ある時は雑草を結んで足を引っ掛けたり、ある時はひっつき虫を投げつけあったり、お互い勝ったり負けた

          ハリネズミのしあわせ#3

          ハリネズミのしあわせ#2

          「なんだお前、自分がハリネズミだって知らないのか?変なヤツだな。 ここは私が先に見つけたエサ場なんだよ。よそ者は別の場所を探しな。」 モグラはプイッとそっぽを向いて去っていった。 「なんだよあいつ、感じが悪いな~!目なんて3みたいな形の癖にさ~!」 ハルはぶつぶつと文句を言い、今日のところはおでこも痛かったので、住みかに戻ることにした。 寝る前にふとモグラに言われたことを思いだし、「ハリネズミか…、やっぱり、オバサンとは違ったんだな。ボクにもお父さんやお母さんがいるのかな

          ハリネズミのしあわせ#2

          ハリネズミのしあわせ#1

          静かな森の茂みに、静かに暮らすハリネズミの家族がいた。しっかり者の優しい母のルルー、少し怖い顔つきだが、どっしりと一家を守っている父のハーバー。 ルルーの両手には小さな赤ちゃんハリネズミが抱きかかえられている。まだ針と言うには短く、柔らかい毛の様なものが背中に生えて、片耳は少し折れ曲がっていた。 「ハル、いっぱい食べて、いっぱい寝て、元気なハリネズミになるんだよ」 ルルーはハルと名付けた我が子に、優しく声をかけた。 「ちょっと今日のご飯を探しに行ってくるよ」 ハーバーが茂み

          ハリネズミのしあわせ#1