「ブレイクスルー・ハウンド」128
林の中にいるSAIGA12を持った相手が邪魔しようとするが、最初に敵が使った方法で光は手榴弾で牽制する。
スミタが果敢に祐に斬り込む。移動を多少でも無効にするために薙ぐ。
剣光一閃、隙が大きくなるのを真っ向から祐がナイフを動かした。
スミタは半身になりながらククリを螺旋に回転させた。
その間、光はSAIGA12を持った相手の動きを封じる。明後日の方向からの杏のHK416による援護射撃の照準のレーザーサイトの線と、光のが弾丸が躍る。サブマシンガンのフルオートに比肩する速度で銃弾を放たれ、せっかくフルオートマチック化した散弾銃は効果を発揮できない。
それどころか、光はもう一方のレッグホルスターの銃を抜いた。
なんとか這いつくばり、転がり銃弾を避けていた敵の顔色が蒼白になる。
答えは二重に増えた銃声が証明した。片手で撃っているとの遜色ない射撃、そんなものから逃げられるわけがない。脳幹を撃ち抜かれた敵が唖然とした顔つきで動きを止めた。
直後、光は特性のマガジンが下向きに装着された特性のアサルトベストに拳銃のグリップを当てて弾倉を交換する。そのあいだわずか、一二秒だ。
「てめえ」と祐の怒声が聞こえるが無視、むしろ彼の体を盾にするように動き、ほかの兵士の額や手足を撃ち抜く。これで大半の兵士が戦闘不能に陥った。さらに時折、強敵との戦いのさなかに父と張、杏と純が雑魚を片付ける。
戦闘が始まった数分が経たないうちに、形勢は完全にこちらのものとなっていた。
が、あさっての方向から銃声が聞こえた。
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