謎の動物
郊外にある別宅にたまに換気のため、その他諸々のために帰るのであるが、雨戸や窓を開け放っていると、見知らぬ動物がそそくさと天井の方へ姿を消した。
かろうじてその大きな足音と後ろ姿を捉えたが、呆気に取られている間に逃げてしまった。換気のためを思って、方々を塞がずにいるので、自分がいない間も隙間だらけの我が家は、虫も動物も入り放題なのである。
事実、蜘蛛は必ず蜘蛛の巣を張っているし、コウモリもねぐらにしているのかフンが落ちていることもある。
蜘蛛は他の虫を駆除してくれるので、巣があると見栄えは悪いものの、どちらかというと有難い存在なのであるが、コウモリはフンを落とすし有り難くはない。もしかしたら若干なんらかの虫は食べてくれているのかもとは思うが、あまり居着いて欲しくはない。
獣は煙で燻されるのを嫌うというので、野外用の薪ストーブを家の中でガンガンに燃やして、煙で家を焚きしめたところ、その翌週だけは姿を表さず、フンも落ちていなかった。ただ、その後心配して近所の人が消火器を持って、「もしものために」と預けにきたので、二度とするまいと思った。火事にでもなったら近所迷惑なのである。
しかも床を若干燃やして、ちょっとしたボヤを起こしてしまったので、野外用のストーブは屋内で燃やすべきではない。
コウモリについては、別の手段で対抗せざるを得ない(侵入口を塞ぐなど)と考えたいた矢先、新たな動物の侵入を目の当たりにしてしまった。
後ろ姿から想像すると、アナグマとかなのか?と思っていたが、調べてみると「ハクビシン」であるかもしれないことがわかった。
アナグマは低いところを好むとあったが、その動物は天井近くに姿を消したので、木登りが得意なハクビシンである可能性が高い。ただ、ハクビシンは尻尾の先が黒くなっているとは書いてあったので、その特徴とは外れる。
とはいえ、迷惑だと思いながらも、野生動物と接近遭遇したことでなんだかラッキーだと思ってしまう。以前に玄関先に落ちていたフンの正体もその動物のものとも思われるので、ちょっと納得した。
ただ、今年は畑にミニトマトやらを植え付けたので、防御ネットを器用に掻い潜ってその動物が食べてしまうと困るなとは思っていて、野生動物vs人間みたいなリアルな現実しか待っていないのである。
田舎暮らしはそう甘くないのである。とは言いつつ、少量のミニトマトはすでに収穫できて、青柚も間引きついでに収穫できて柚子胡椒も作れそうなので、それはそれでいいかと思っている。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?