デジタルネイティブのエンジニアが子どものネットリテラシーを高めなければならないと思う

■はじめに

僕は今28歳のエンジニアで、いわゆるデジタルネイティブと呼ばれる世代のなかで、一番お兄ちゃんにあたる年齢層だと思う(デジタルネイティブでググると、日本にインターネットが来たのが92年とのこと。僕の生まれは95年なので間違ってないはず)。
小学生から中学生くらいの時期にミクシィが全盛期で、高校の頃にはスティーブ・ジョブズがiPhoneを世に出し、大学の受験をしようというときにみんなLINEにハマってしまっていた。ネットが生活の中にあることが当たり前の世代と言っていいと思う。
そんな自分がエンジニアとして働く今、タイトルの通りの事を感じているので、頑張って言語化する。

■子どものネットリテラシーにまつわる問題

子どものネットリテラシーにまつわる問題は、おおよそ10年くらい?前から僕は聞くようになったことと思う。記憶にある中で一番古いのは、Youtuberが流行りだした頃で、「好きなことで生きていく…」のCMをやってた頃のこと。当時はヒカキンに憧れてYouTube に動画をアップした小学生を晒して、特定して、迷惑行為を働く匿名の大人たちが問題になっていた。

当時、僕が高校生だか大学生で、情報系の大学への進学を目指してるか、通ってるかしている頃。僕にはちょっと年の離れた弟がいて、彼は当時小学高の低学年だった。他の小学生の例に漏れず彼もYouTubeがダイスキだったし、彼の同級生がYouTube に動画をあげているとかで、当然自分も!と真似したがっていた。
親はあまりYouTubeを通して個人情報が晒されることについて、具体的な問題が説明できない感じで、「とりあえずよく分からないからダメだ」と言って聞かせていたと思う。

横で聞いていた僕は、
(子どもに向かってよく分からないからダメ!なんて言って聞くはずもないし、その同級生の動画に弟が映り込むようなことがあったらどうしよう)
とか考えていて、弟に必死になって、「ネットにいる悪い大人に自分が知られることがどんなに怖いか」を説明したのを覚えている。

一方で、バカッターやら、迷惑系YouTuberやらの動画がバズる理由も、それを切り取って晒して嘲笑っている連中の気持ちも同世代なりに理解できるので、やはりネットには自衛の意味でのリテラシーを持って、常に警戒するしかないのかなとも、当時から思っていた。

■無くならない問題

10年も経っているにも関わらず、今でも例の寿司屋のような話を聞く。そのほか、クラスLINEの中で起きる「LINEいじめ」といった、僕の学生時代に無かった問題も今ではよくある話らしい。なぜ無くならないのだろうか?

やはり、それは周りの大人がまだまだ子どもに教育できるほどネットリテラシーというものを理解できていないからだと思う。自分の親が弟にちゃんと説明をしてくれなかったようなことが、世間でそこら中で起きているのだろう。
でも、それだけじゃ無い気もする。たとえば、もし僕が親になったとき、自分の経験していない「クラスLINEのいじめ」に対して、どう子どもにコミュニケーションしたらいいかわからないと思う。子どもであってもイチイチ「LINEを見せろ」とは言えない。
さらに、LINEいじめ以上に新しい問題が起きたら、きっと僕は自分の親がそうだったように「よくわからないけどダメだ!」としか言えないと思う(もし「メタバースいじめ」とか起きてもさっぱり想像できない)。

つまり、子どものネット問題を予防できない問題は
①周りの大人たちのリテラシーがそもそも低い
②周りの大人たち自身にリテラシーはあっても、それを教える手段を知らない
③周りの大人たちの知らない(経験していない)新たな問題が若者の間で生まれているので、子ども自身が内発的動機からリテラシーを作り出していくように促す必要がある。けど、大人にはやり方がわからない。
このあたりが原因なのではないだろうか?

■利用者が解決できないのなら、それは作り手の配慮の領分だ

今世の中にあるサービス、そしてそれを作っているエンジニアの方々は素晴らしい価値を世の中に提供されているし、子ども達がネット犯罪に巻き込まれないようにする配慮も最大限されているだろうと思う。
しかし、ただの綺麗事、中身のない「べき論」だとしても、この問題を真に解決すべきなのは作り手であるエンジニアなのだと言いたい。特に、デジタルネイティブのエンジニアの責務だと思う。

このnoteを書くにあたって、子どものスマホのLINE通知を読み取り、クラスLINEを先生や親へ可視化するサービスなんかが存在することを知った(noteにリンク先を勝手に貼っていいのかわからんので貼らないでおく)。こういうサービスを見るとすぐに「子どものプライバシーに配慮しろ!」などと声高に言う連中がいそうだが、可視化まではどんどんやるべきだと個人的に思う。リテラシーが身につくまでは匿名や秘密の部屋は早い。
可視化と監視は全く別のもので、監視は可視化された上でさらに罰則がつくものだ。罰則がつくと、人間は罰を避けるようにして悪事を働くようになる。勤怠システムに残業チェックをつけたらサービス残業が増えるのと同じだ。
純粋に、子どもたちを見守れるようなネットが育てられるといいなと思う。

エンジニアのくせに具体的な解決策を書けずに終わるのは恥ずかしいが、この気持ちをもっと多くの同世代エンジニアが持ってくれると嬉しいので、書いてみた。


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