チャイナ富裕層への株式投資アドバイス
タイトルの定義
チャイナ:香港、マカオを含めた中華人民共和国全域
富裕層:100~500万ドル投資可能な純金融資産を持つ家庭。それ以上の家庭を超富裕層と定義します。
1、できる限りに資産を中国から海外へ移転
理由については2年前に書いたブログに参考https://note.com/famous_holly888/n/n525dbec1c718
移転先の候補国:米英日、ユーロ圏、シンガポール、カナダ、オーストラリアなど。これらの国は概ね自由な資本移動が保障される上、法治国家である。
移転手段:近年手段は限られてきたが、あくまでも合法的な方法で行うべき
2、これから10~15年の投資先
⓪金
①インド
カタリスト:人口ボーナス、中立的外交政策、中国からの生産移転
リスク:ナショナリズムの台頭、モディ政権の長期化による腐敗、民主主義や法治の後退
②米株
言うまでもない
③日本株
プラス要因:
・日本の地政学的地位の上昇(中露のおかげ、半導体産業再興のきっかけ)
・事実上の官製円安(口先介入しかしていない。メリットはインバウンド誘致、外国資本誘致、一部生産拠点の国内回帰、輸出企業の好業績…)
・移民受け入れ政策(人口減少問題の解決策は事実上移民受け入れの一択、2022年在日外国人が300万人を突破、勢いはもはや止まらない、もちろんデメリットもあるが、これから日本国のあり方が問われる)
・もはやバブル後ではない(日本は外国人から見れば確実に変わりつつある。女性の就業率は先進国一位、転職文化の定着化による人的資本配置の効率化、移民政策、日本企業の復活と再興)
・安全保障環境の向上(防衛支出倍増、NATOとの急接近、QUAD、TPP…)
リスク:
・台湾有事
・南海トラフ地震、首都圏地震などの大規模自然災害
・長年の低金利政策によるゾンビ企業の蔓延(特に中小零細)
3、何を買うべきか
・個別株は投資家の腕次第。
・不動産については都心のマンションを住宅ローンを組んでマイホームとして保有。その他の不動産投資は流動性が低い上、災害リスクに弱いため、お勧めしない。
・どうしても不動産投資がしたければ、次のショック相場でREITが暴落した時にそれを買えばいい。
4、ポートフォリオの構築
・年齢、投資姿勢、職業などによる
・20〜30代のサラリーマンには時間という無敵な味方がつくから、長期保有で株式の比率を高めに設定した投資がいい。
・50代以降なら、インカムゲインを重視したバリュー株や国債投資がすすめ。
・現物の金の保有が必要、少量でもいい。もちろん安全な場所におく。
・インド株はほぼ間違いなく見込めるが、今から10年くらいの賞味期限があるだろうから、忘れずに利確をする。
5、今何が起きている
冷戦後30年構築されてきた国際分業体制(サプライチェーン)の解体と再構築。
それで何が起きるか?
コストの増大、つまりインフレ
1、今までロシアやイランからエネルギーを安く調達できたが、2022年ウクライナ戦争後は他の地域から買うしかなくなった。→エネルギー価格の上昇
2、今まで中国に生産拠点を構えて最終消費財を世界中に輸出していたが、米中競争や中国の再独裁化により、インドや東南アジアに生産拠点を移さざるを得なくなった。→生産コストの上昇
3、アメリカ一極の事実上消滅により、各国が今までのようにパックスアメリカーナに便乗できなくなる。最近の紅海における紛争がそれ一例。→海運運賃の激増、軍事予算を増大。
つまり、コロナ期のインフレは確かに一時的な混乱によるものだったが、足元のインフレは地政学的変化による構造的なもので、すぐに収まることはない。
大きな紛争がなくても、2030年ごろ新しいサプライチェーンの構築が終わるまで、2010年代のような低いインフレ率には戻らない。
勝ち組:インドや東南アジア(シンガポール、タイ、ベトナム、マレーシア)
負け組:中国
つづく
2024/3/11更新
6、投資に関するいくつかのポイント。
・資産を増やしたいなら、株式投資一択。(100年単位でみると、紙幣の価値はどんどん減っていく。黄金の価値はほぼ変わらなく、中立的。債券の価値は金より上、ただし、カントリーリスクが大きい。)
・相場総悲観のときこそ買い時。(常にある程度の流動性を確保しないと)
・株式投資するなら、最初から自分でやるべき。
(①自分の金で自分のために使う
②自分の金で他人のために使う
③他人の金で自分のために使う
④他人の金で他人のために使う
個人投資家は①に当たる)
・一つの銘柄だけに投資せず、分散投資(国、地域、業界、企業など)
・時代に逆らうな、そして中央銀行に逆らうな(賢い投資家は2018年以降中国株を買わない)
・倹約家になる(なるべく必要のない浪費を避けるが、ケチれという意味ではない。毎年の収入以上の消費をしない、そして余った分を株に入金する)
・入金力を確保する(将来働かなくても生きていけるために現在働いている、つまりFIREを目指している人でも、安易に仕事をやめるべきではない。)
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