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今年こそ成功させたいカリカリ小梅2024~奈良の七折小梅で3パターンの漬け方を試す(奈良県産七折小梅その1)

昨年カリカリに漬けられず、フニフニに出来上がってしまった小梅ちゃん。

小梅の時期は短く、また熟が進みやすいのかしっかり固い状態で店頭に並んでいることもあまりない。理想的なカリカリのためにはやはり予約!と早くから奈良の梅農家に予約を入れ、楽しみに待っていた。奈良を選んだのは、奈良もまた梅の産地だから。一度手にしてみたかった。

それが昨日、クール便で到着。
さすが農家直送。粒揃いで美しく、しっかり固い小梅ちゃん。品種は主に七折小梅と聞いていた。愛媛県での生産が多い品種で、特徴は小梅としては粒が大きく、肉厚で種が小さめなこと。食べてみるのが楽しみだ。
熟が進まぬうちに早々に仕込まねば。

あっ今気付いた、またしてもサイズの計測を忘れた…

さて、今年は確実にカリカリ梅をつくるべく、事前に対策を練っていた。昨年試した「卵の殻」は確実性にはやや劣るため、今年はより可能性の高そうな下記二法を組み合わせてみる。

1)市販の「カリカリ梅の素」使用

カリカリ梅をカリカリたらしめるには、カルシウムを加え、梅に含まれるペクチンと結びつくことが必要。最も手軽に手に入るカルシウム源として、内側の卵膜を取り除いた卵殻が知られているが、昨年試してどうも今ひとつ期待するほどのカリカリにはならず…。

しっかり固い青梅を買った訳ではないのでそのせいもあると思うが、昨年スーパーで見た「カリカリ梅の素」的なボトルが気になってもいた。できれば食品添加物的なものは使いたくはないが、より確実なカリカリのために今回試験的に使ってみる。

今回購入したのは富士食糧の「梅パリ」。主な成分は塩化カルシウム、塩化マグネシウム、クエン酸。1瓶(120ml)で梅4kg分だそう。

ちなみに、卵殻を使うとベジタリアンやヴィーガンの方が食べられなくなるため、にがりを使う方法もあるようだ。こちらはカルシウムよりマグネシウムの方が多くはなるが、一度試す価値はあるかも知れない。

いずれにしても、本来は天然ミネラル成分を豊富に含む天日塩が最も良いはず。カリカリ梅には、少し値が張ってもそういう塩(精製塩ではなく)を使うのもひとつかも知れない。

2)漬け方の工夫

カリカリ小梅を漬けられる方の情報をネットで集めたところ、「藤巻あつこ」さんの漬け方(塩漬けの際、数分かけて梅に塩をしっかり揉み込む)を取り入れている方が多かった。こちらも真似してみる。

1)、2)を組み合わせ、どれが最も美味しくカリカリに漬かるか検証。塩分はどれも10%で統一し、梅パリと揉み込みの有無を以下3パターンで試す。

①「梅パリ」のみ採用(揉み込みなし)
②塩の揉み込みのみ採用(梅パリ不使用)
③「梅パリ」と揉み込みの併用

梅は洗って浸水する際、容器の大きさに合わせて3つに分けて計量。

洗った後2時間浸水し、ざるにあけて乾かしてから爪楊枝でなり口を除く。
漬け込みにはファスナー袋を利用。念のため、袋の内側に霧吹きに入れたホワイトリカーを吹きかけて消毒した。

①「梅パリ」のみ:小梅580g、粗塩58g、「梅パリ」18ml

計量した塩に小梅を入れて塩をまぶしつけ、ファスナー袋へ入れていく。最後に残った塩と計量した「梅パリ」を加え、袋の上から全体を揉んでなじませ、空気を抜きつつファスナーを閉めて漬け作業終了。
熟が進まぬよう冷蔵庫に入れ、重石はせずに様子を見る。

②数分間の塩の揉み込み(梅パリ不使用):小梅1kg、粗塩100g

藤巻さんの著書には小梅と塩の全量をボウルに入れ、押しつけるように揉み込むとあるが(同様に、農家の漬け方等でも「力いっぱい揉む」等と見る)どうもボウル内で滑ってやりにくい。
この作業の目的は、粒の大きい塩とこすり合わせることで梅の表面に傷をつけ、塩を浸透しやすくすることと、ある程度の力(衝撃)を加えて種離れを良くすることと思われる。いずれにせよ、力を入れ過ぎて梅をつぶしてしまってはいけない。

故に先日「話梅」を仕込んだ時の要領で、梅を数粒と塩を手に取り、色が変わるまでこすり合わせる作業を繰り返した。目安は「透き通ったような緑色」。すり終えたらファスナー袋へ移し、全て終えたら全体を袋の上から板ずりのように何度か転がし(少し衝撃をかけたつもり)①と同様空気を抜いて冷蔵庫へ。

補助材料を使わずにカリカリになるならそれが一番だが、どうだろうか。

③「梅パリ」と揉み込み併用:梅1.5kg、粗塩150g、「梅パリ」45ml

おそらくこれが最も確実にカリカリを期待できるはず。故に量を最も多くした。
②と同じように塩を揉み込み、ファスナー袋へ入れて最後に「梅パリ」を注ぎ入れ、全体を振ってなじませる。後は①、②と同様。

昨年カリカリにできなかった最大の要因は、購入した梅が既に熟しかけていたこと(袋の中に蒸気がたまり、柔らかくなりかけていた)。

それ故、少しでも熟が進まないよう今年は漬け込み期間中も冷蔵庫に入れる。カリカリ梅は完成後も冷蔵保存が推奨されているので(でないと柔らかくなる)、庫内で多少場所は取るけれどまあやむなし。それでカリカリになるなら私は嬉しい。

私が前にも増して食材を買い込んだり、保存食をつくったりして常に冷蔵庫のスペースに余裕がないので昨年1ドアのセカンド冷蔵庫を買い足したのだが、夏場は冷蔵庫に入れたいものが増えるため(虫のつきやすい乾燥豆とかパスタとか)、既に余裕がない。またワインセラーが冷蔵庫と化すのかも…。

完成の目安は約1週間後。
その頃、或いは途中で変化やトラブルが発生したら随時続報を書くことにします。

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