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梅仕事2024いよいよ始まる〜厚木市産白加賀梅で中国風ほんのり甘い干し梅「話梅(ファーメイ)」に挑戦(白加賀梅その1)

思えば昨年、初めて生梅を手にしたのは5月最後の週末だった。ちょうどまる1年が経過し、いよいよ2年目の梅仕事が始まる。楽しみ!

昨年は青梅には殆ど手を付けなかった。青梅の時期が終わる頃から梅仕事を始めたからでもあるけれど、青梅の主な使途とされる梅シロップや梅酒、はちみつ漬け等の甘い加工にあまり気が進まなかったからだと思う。
梅に関する私の興味はほぼ梅干し一点集中で、それも赤紫蘇を使わず塩のみでシンプルに漬けたものが最も好きだ。梅の品種や状態により、酢やざらめ、氷砂糖等の副材料を使った漬け方も昨年いくつか試したが、基本的にはシンプルであるほど好みに合うように思う。

シンプルな梅で思い出したのが、かつてよく出張していた中国で食べた「話梅(ファーメイ、フヮメイ)」
食べるところが殆どないほどしっかり干された干し梅で、ほんのり甘く、カラカラに乾いているので長期保存にも携行にも便利。ちょっと口寂しい時や、気分転換したい時などに気軽に口に放り込んでしゃぶる。すると自然と唾液が出て来るので、元々人と会話する際口の中を湿らせるために使われたのが「話梅」という名の由来だと聞く。
中国や台湾では非常にポピュラーな口休めで、日本でいうとフリスクやガム、キャンディ等に近いような位置付けだろうか。世代や性別を問わず幅広く親しまれ、愛されている。そのまま食べるほか、紹興酒に入れて飲む(柔らかくなった話梅ももちろん食べる)のも人気があり、そう言えばあれはまだ熟す前の青梅を砂糖漬けにしてから干すのだと、いつか通訳の方に聞いたことがあった。

最後に中国へ行ったのはもう十五年も前。話梅も随分長く口にしていない。思い出したらつい食べたくなり、作れないかな?と調べるうちに、こちらの記事とYouTube動画に行き当たった。

最初にあく抜きと軽い塩漬けをして天日干しした上で、砂糖漬け期間は3ヶ月。梅干しよりも更に長くかかるが、あのカラカラ加減と深い味を思えば当然かも。やっぱり一度やってみたいな。

そんな訳で今年は青梅が出始めるのを楽しみに待っていた。
神奈川の梅の代表的な産地は小田原だが、それよりも一足早く先週から厚木の梅が直売所に出始めているとの情報を目にし、早速買いに。

売り場に並ぶたくさんの美しい青梅たち。多くの袋に「白加賀」と記されている。昨年私は白加賀は手にしていない(「群馬の梅」は白加賀では?とひそかに思っているが)。なんと!初白加賀ではないですか!うれしい。

もっと大粒なものもありましたがなんとなくこれが気に入った

うきうきで帰宅し、青梅はなるべく早くあく抜きした方が良いのですぐに洗ってなり口を取り除き、きりの良い1回目の塩漬けまで進む。

《中国風ほんのり甘い干し梅「話梅」》※初めての挑戦につき、うまくいくかは乞うご期待

1)梅の計量及び下漬け用の塩を準備。
生梅に対して10%の粗塩を用意。今回の梅は990gだったので塩は99g。1回目のすりこみにうち3割(約28g)、2回目に残り7割(71g)を使う。

袋詰めの時点ではおそらく1キロだったんだろうな

なお、今後は梅の品種やロットごとに大きさや一粒あたりの重さを記録していく。昨年も途中で気付いて「記録しておけばよかった…」と少々悔やんだ。私は特に品種の違いを知りたいのだから、こうした記録は重要だ。

この白加賀は平均して直径3.5~4cm、重さは21~25g程度。大粒の南高梅や十郎梅よりはやや小さめ、中粒よりはやや大きめの扱いやすいサイズ。青梅なので甘い香りはなし。しっかり固く、実の詰まった感じがする。

2)1回目の塩のすりこみ。
ここで梅一粒ずつにしっかり粗塩をまぶしてすりこみ、表面に傷をつけることで青梅のあくや渋みが抜けやすくなるので、丁寧にしっかりこすり合わせることが肝要。塩が浸透して梅から水気が出て来ると、しっとりとして色がやや濃くなる。

<すりこみ前>梅の重量×10%(99g)×3割(28g)の塩を使用。

青梅もかわいいですよね

<すりこみ後>しっとりと湿った感じの色。この状態で2時間冷暗所に放置し、水分が出てくるのを待つ。

グリーンオリーブみたいなきれいな色に

3)2時間後、残りの塩(71g)を全体にまぶしてさらに冷暗所で12時間放置。この時、先の2時間で出た水分は捨てないこと。

残り7割の塩をかけて混ぜます
より鮮やかなグリーンに

4)2+12時間後、ここまで出た水分をいったん全部捨て(容器は洗わない)、容器に残った塩に湯冷ましを注いで薄い塩水をつくり、梅全体が浸るようにして冷暗所でまる2日。

<出てきた水気を捨てる前>傾けるとこれだけ水分が出ている

半日経過してかなりくすんだ色に

<捨てた後>溶けきらない塩がけっこう残っている。ここに湯冷ましを注ぎ、薄めの塩水にして梅を浸してまる2日待つ。
なお、高温の時期は冷蔵庫に入れても。

やはりオリーブみたいな色

5)2日後、漬け水(薄い塩水)をすべて捨て、砂糖に漬け込む前の天日干しを行う。表面にしわが寄るまで、晴れの日なら1~2日、曇りの日なら2~3日。夜間や雨天の日は屋内に入れる。

塩漬けを経てくすんだ色に。梅干しのようにぺっとりしていないので、ざるに直置き可
こういう時はやっぱり気軽に出し入れできるネット+ざるが便利

今週は雨続きでなかなか干せるチャンスがなく、やっと晴れた昨日から干し始めた。
今日もこれから外に出します。

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