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竜峡小梅の甘漬けと塩漬けその後〜砂糖を使った梅漬けにしわが寄る理由(竜峡小梅その2・完成編)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年7月5日)

6月19日に竜峡小梅を漬け始めて半月ほど経ったので、卵の殻を取り除き、ファスナー袋から保存容器へ移すことにした。

漬け材料が異なるため漬け汁の色も違うが、梅の状態も割と違う。
酢と砂糖を加えた方はややしわが寄り、塩だけで漬けた方は元の形よりも却ってふっくらして見える。

だがそれより問題なのは味。
甘漬け(酢・砂糖入)が、なんとも中途半端な味なのだ。甘さも塩気もどちらも感じない。なんじゃこりゃ??という味なのだ、梅本体も漬け汁も。

まだ半月だから…とは思いつつ、あまりに甘みがないので、瓶に移した際、空いた上部の隙間に氷砂糖を入るだけ詰め込んでみた。10片ちょっと、90g程度。
これで味が馴染むのを待つ。高田梅も味が落ち着くまでに1ヶ月程度かかったし、中でも特に塩・酢・砂糖を使ったものは味が落ち着くのに時間がかかった印象がある。

氷砂糖はゆっくり溶けて浸透するため、砂糖よりもさらに時間がかかる…ということにはこの時気付いていなかった

一方、塩漬けはかなり減塩したにもかかわらず、しょっぱい。塩の角が立っている。こちらもそのうち落ち着くと思うが、とは言え味そのものは悪くない。これはこれでありかなという感じ。

同じ塩分8%で漬けた高田梅の塩漬けは漬けて半月くらいの頃は「味がない(梅の味をあまり感じず、全体的に薄味)」で、ひと月経ってようやく美味しくなって来たが、こちらはこの段階でも竜峡小梅らしさを主張している。

ともかく、どちらもあと半月ほどは待った方が良さそう。
青梅はとかく時間がかかるのね。

<追記>
やはり漬け始めからひと月経つと驚くほど味が落ち着き、どちらも美味しく食べている。特に甘漬けの味が好みだが、塩漬けも美味しい。やや厚めの皮の食感がよく、実も爽やか。梅自体の味が好みなのだと思う。また買いたいな。

なお、梅の実にしわが寄ったのは、漬け汁に砂糖を入れたから。細胞膜(半透膜)が丈夫な青梅(熟した梅は膜が壊れやすい)に砂糖の分子を含む液体を触れさせると、浸透圧の働きにより梅の実の水分が急速に漬け汁側に流出し、収縮するため表面に皺が寄る。
これを防ぐには、砂糖が溶ける速度を遅らせる(ゆっくり溶ける氷砂糖を使う)か、予め梅の表面に竹串等でいくつも穴を空けるとある程度防げるようだ。とはいえ梅の実の大きさや糖度、水分、皮の厚さ等で状況は異なると思う。

梅酒や梅シロップ作りでは予め青梅を冷凍して細胞膜を壊し、梅エキスを出やすくする方法もあるらしい。梅漬けの場合は梅エキスを流出させてはいけないので、砂糖はなるべく氷砂糖を使い、ゆっくり時間をかけて味が落ち着くのを待つのが最適解かも知れない。

<2024年3月現在の追記>
その後塩漬けは早々に食べ切り、甘漬けの方はしばらく冷蔵庫に入れているうちになんとも不思議な見た目になっていた。
どう説明すればよいのでしょうこの外観。梅の周りや瓶の底に、白いものが析出している。

なにこれ白い・・・

気付いたのは12月ぐらいだったと思うが、その時点でおそるおそる味見しても、この白い析出物が何なのかよくわからなかった。

――が、さっきブログをリライトするため再度蓋を開け、一粒取り出してまたもやおそるおそる味見してみると、

こういうお菓子ありますよね

うん、砂糖。

今回はあっさり判明。周りについた白いものも甘いし、梅自体も甘い梅菓子とか中国の甘い青梅みたいに甘く漬かって、これはこれで美味しい。こういうお茶請けあるよね、という感じの味。まるごと梅ゼリーとかにしたら美味しそう。やっぱり竜峡小梅美味しいな。上品な爽やかさがあります。

やはり途中で氷砂糖を追加したことと、長い間冷蔵庫に入れて液体温度が下がったことで、溶け切らない砂糖が梅を核に再結晶化したと考えるべきだろうか。ともかく、食べられない状態でなくて(むしろ美味しい)よかった。

次につくる時には下手な抵抗をせず、甘漬けはきちんと最初から氷砂糖をしっかり入れてつくろうと思う。それと、甘い漬け方で試してみたいのは、中国式の青梅の砂糖漬け。
むかし中国へよく出張していた頃、現地スタッフから「美味しいよ」ともらって食べて美味しかったな、そういえばあれ作れるかな?とふと思い出して調べたところ、真似できそうな漬け方を見つけた。今年入手できた青梅に余裕があればぜひ試してみたい。

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