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【今週の週末ごはん】#23 茄子を茹でてつくる茄子とゆで卵のシチリア風パスタ、鰤と玉ねぎのトラーパニ風甘酢炒め、ギリシャ風ズッキーニのフライとヨーグルトソース

何日か前から「茄子とゆで卵」の料理を食べたい気分だった。頭にあったのはロシア風のサラダかシチリアのパスタで、どちらも茄子を炒めたり揚げたりするのではなく、茹でてつくるのが珍しくて好き。今回はパスタで。

他の料理も南イタリア〜地中海っぽくまとめたくなった。この辺りの料理は赤や緑等、色鮮やかな食材を多用するので食卓が華やぎ、気分が明るくなる。

焼きいんげんのトマト煮

いんげんは香ばしくするのが好き

この料理はどちらかと言うと多めのオイルで蒸し煮にするつくり方がポピュラーかもしれないが、私はいんげんをにんにくとオリーブオイルで香ばしく焼き付けて煮るのが好き。食感も柔らかくし過ぎず、敢えて残す。
トマトソースは少しだけ炒め玉ねぎを加えてまろみを出すと美味しい。

ズッキーニのフライとヨーグルトソース

ギリシャへは一度旅行したことがあり、気に入ってギリシャ料理もよくつくるようになった。今回はズッキーニを揚げるのに少々失敗。衣のつけ方が甘かった。
スライスしたズッキーニに粉をまぶし、油に入れる際さっと水をつけるという韓国のジョンに少し似たやり方だが、粉をまぶしてからしばらく置いてしまい、油はねの原因に。手を抜くとこうなるから駄目ですね。
ソースは軽く水切りしたヨーグルトに塩とすりにんにくを加えたギリシャっぽいもの。パンにも合う。お好みでディルを加えても。

焼きれんこんとルッコラのサラダ

れんこんの色が悪いのはやや古かったから

元々厚めに切ってじっくり焼いたれんこんにチーズをのせるつもりが、使い切りたいルッコラがあったのでサラダっぽく変更。

れんこんはスライスして酢水につけた後オリーブオイルでやや香ばしめに両面を焼き、軽く塩をする。適当にカットしたハルミチーズ(焼いて食べるトルコのチーズ。たまたま冷凍庫にあった)も加え軽く焼き目をつけ、とろけて来たあたりで洗ったルッコラを入れたボウルに両者を入れ、混ぜ合わせて黒こしょう。
思いつきだったが割と美味しかった。

茄子とゆで卵のパスタ

元々はその名も『シチリア』という日高シェフ(アクアパッツァ)のかなり古いレシピ本に掲載されていて面白いと思い、つくるようになった。元レシピにはない塩漬けケイパーとトマトを入れている。

茄子はやや大きめにカットしてさっと茹で(本来米なすのような実の詰まったタイプが向いているが、その他の茄子でも)ボウルに入れ、食べやすく切った茹で卵1個(元レシピは黄身だけ使ってソースのようにまとわせているが、余らせたくないので白身も使う)トマト1個、塩漬けケイパー(これで塩味をつけるので塩抜きしない)、オレガノ、オリーブオイルを加えて少し馴染ませておく。ここに茹でたショートパスタを加えて混ぜ合わせて完成。少し素朴な感じの味で美味しい。

鰤と玉ねぎのトラーパニ風甘酢炒め

これも同書籍に掲載(元レシピはめかじき)。他の方のイタリア料理本でも何度か見た料理だが、最も参考になるのは日高シェフのYouTubeだと思う。
気に入ったのは豪快なワインビネガー使いで、かなりドボドボ入れるのだが、具材を焼いて高温になったフライパンではすぐに煮詰まり、玉ねぎやアンチョビと絡まり酸味はおだやかに、煮詰まった分はまろやかな甘みとなり、簡単なのに「もっと何かした」感じの味に。とても美味しい。

魚は軽く塩こしょうしてセモリナ粉をまぶし、玉ねぎは厚めにスライス。生のローズマリーは適当にちぎり、アンチョビは細かく刻んでおく。
フライパンにオリーブオイルを熱して魚を焼き(各面しっかり焼き目をつける)、同じフライパンの隙間で玉ねぎも炒め、焼き目がついたらローズマリーとアンチョビも加え、火を少し強めて白ワインビネガー半カップほどを数回に分けて入れる(一度入れ、具材になじんでなくなったらまた入れ…を繰り返す)。この時、玉ねぎやアンチョビにビネガーがしっかり絡むとソースとして美味しくなるのでそれを意識。
今回は上にバジルの葉をのせたかったので玉ねぎを下に盛ったが、本来はソースとして上にのせ、魚と一緒にいただく。

コロナ禍の頃、日高シェフのYouTubeチャンネルは一時期かなりよく視聴していた。レシピ本では今ひとつ伝わり難かった調理のポイントがよくわかり、大変参考になった。
日高シェフはそういう大事なところ、その料理のエッセンスを伝えることに非常に長けておられると思う。レシピというより、その料理が持つ魅力がよく伝わる。
そして日高シェフ動画は気分次第で食材の量も豪快になり、これをつくると玉ねぎを大量に食べてしまう。アンチョビとビネガーがなじんだ玉ねぎ、美味しいんですよね…。魚との相性も最高。実によくできた料理だと思う。

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